―あなたならどれを選ぶ? 上昇ロードを駆ける「本命」「対抗」「穴」特選3銘柄―
2019年相場も10連休が明ければ早くも折り返し点が意識される。年後半相場でも個別株テーマ物色の動きは引き続き活発となることが予想される。株式市場を賑わす投資テーマは数多くあるが、そのなかでも投資家の熱い視線が注がれ、ここから一段と注目度が高まりそうな「キャッシュレス決済」「5G」「MaaS」の3テーマを選出。それぞれのテーマで有力視される個別銘柄を本命・対抗・穴株として3銘柄ずつエントリーした(5月4~6日にかけて1日1テーマで3日間にわたり掲載)。令和相場でスタートダッシュが期待される有望株に注目だ。
テーマその3<MaaS>
MaaS(マース)とは「Mobility as a Service」(モビリティ・アズ・ア・サービス)のこと。ITを活用し、出発地から目的地までの移動ニーズに対して最適な移動手段をシームレス化することで、移動を単なる手段としてではなく、利用者にとっての一元的なサービスとして捉える概念のことをいう。
具体的な例としてよく挙げられるのは、フィンランドの「Whim」だ。利用者がポイントを購入し、そのポイントを利用することで、「Whim」がいくつかの交通手段から最適な移動ルートを自動検索するサービスで、ヘルシンキ市内の公共交通機関や、タクシーが乗り放題となる。また、予約から決済まで一括して行えるのも特徴だ。Whimが普及したことで、ヘルシンキのマイカー利用者は半減し、公共交通の利用者が増加したという。
既にトヨタ自動車 <7203> などはMaaSへ本格的に取り組んでいることを明らかにしており、ソフトバンクグループ <9984> と共同事業もスタートさせた。自動運転車などもMaaSの一翼を担うことが期待されており、今後さらに注目度が高まろう。
【本命】ディー・エヌ・エー
ディー・エヌ・エー <2432> は、4月5日安値1592円で底打ち、反発基調に転じている。MaaS関連事業としては、タクシー配車アプリ「MOV」(旧タクベル)や個人間カーシェアリングサービス「Anyca(エニカ)」などを展開。特に「MOV」は18年12月から都内でもサービスを開始しており、注力している「首都圏での利用拡大」と「事業者での導入利用の推進」は順調に進捗している。19年3月期業績は大幅営業減益見込みだが、ゲーム事業の新規タイトルなど次第では20年3月期は増益転換の可能性がある。
【対抗】ジョルダン
ジョルダン <3710> [JQ]は3月下旬以降、MaaS関連として物色人気が高まっており要注目だ。18年7月に子会社「J MaaS」を設立し、MaaS事業へ本格進出したほか、今年3月26日には、全国の自治体や観光施設、交通事業者を対象に、5月から新たなモバイルチケットの提供を開始すると発表し、シームレスな移動に取り組むなどしている。足もと四半期ベースでは出版関連事業の不振などで、業績は苦戦しているが、19年9月期通期では回復基調を強めることが予想される。
【穴】エコモット
エコモット <3987> [東証M]は1月23日につけた年初来高値2323円更新に向けて騰勢を強めそうだ。デンソー <6902> のCaaS/MaaS基盤技術に「LTE通信搭載ドライブレコーダー映像のストリーミング配信技術」で協力。今後もMaaS分野におけるリアルタイムストリーミング技術の積極的な展開を推進するとともに、カーテレマティクスサービスで培ったノウハウを組み合わせ、MaaS分野での製品・サービス提供を目指すという。今年1月のKDDI <9433> との資本・業務提携効果にも期待が持てる。
株探ニュース
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