■日経平均は6週ぶりに反落
前週の日経平均は下落した。週間では6週ぶりの反落となった。週初11日の日経平均は5営業日ぶりに下げた。8日のNYダウが小幅続伸し、日経平均も堅調なスタートだったものの、トランプ米大統領が対中関税の段階的撤廃について現時点での合意を否定したことに加え、香港のデモ激化からアジア株が総じて軟調となったことを受けてマイナスに転じた。12日の日経平均は反発。朝方の寄り付き直後にマイナス場面もあったが、後場中ごろから日米で長期金利が一段と上昇するとともに株価指数先物に買いが入り、日経平均は一時前日比213.86円高と上げ幅を広げた。13日の日経平均は200.14円安の23319.87円と反落した。米中協議をめぐる関税撤回についてトランプ米大統領が明確に発言しなかったことに加えて、パウエルFRB議長の議会証言を控えて積極的な買いが限られる中、香港ハンセン指数の軟調な動きから利食い売りが優勢となった。注目されたパウエルFRB議長の議会証言では、当面の金利据え置きが示唆された。しかし、米中交渉が農産物購入を巡って難航していることが伝わり13日の米国市場はNYダウが上昇する一方、ナスダック指数は反落とまちまちの展開になった。14日の日経平均は、1ドル=109円を割り込む円高を警戒し続落した。香港情勢の緊迫化に伴う中国株価指数の軟調な展開や、10月の中国経済指標が弱含んだことが警戒された。個別では、経営統合で最終調整に入ったと報じられたLINE<3938>がストップ高比例配分、Zホールディングス<4689>も16%高となったことが話題となった。14日のNYダウは米中合意への楽観的な見方が後退するなか、同値引け1日を挟んで6営業日ぶりの小反落となった。15日の日経平均は朝方寄り付き直後にマイナス場面があったものの、米政府高官による米中協議の合意について前進との報道を受け、日経平均は先物主導で上げ幅を広げた。後場は小幅なレンジでのもみ合いとなり、大引けの日経平均は161.77円高の23303.32円と3日ぶりに反発した。
■11月のSQ値23637.93円超えが焦点
今週の日経平均は、心理的な節目として働いている23000円を下値ラインとしての強調展開が見込まれるなか、きっかけ次第では日経平均24000円台を臨む位置まで浮上しそうだ。クドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長が記者団に対して、「米中貿易協議は終了していないものの、取りまとめに近づいている」と発言したことを受けて、15日の日経平均は先物から引き戻す展開となった。米中協議を巡ってはポジティブ、ネガティブなニュースが交錯しているが、米中両国が何らかの合意に至るとの期待は根強く残っている。14日に掛けての続落で日経平均は約378円の調整幅を見て、短期的な高値警戒感は和らいだことから、この米中協議で具体的なポジティブ材料が浮上すれば、上値トライの期待が膨らんでくる。現状で「幻のSQ値」となっている11月8日の23637.93円を超えてくると上げに弾みが付く可能性がある。ただし、先物の売買などで日経平均が大きく振らされる場面が目立ち始め、株価変動率(ボラティリティー)がやや高まってきていることは気掛かり要因だ。香港情勢の緊迫化に伴い、香港ハンセン指数や上海総合指数の影響を受けて、日経平均は神経質な展開を見せているが、24日に香港区議会(地方議会)選挙を控えている点も懸念材料だ。このほか今週は、日米中ともに大きな金融政策イベントや経済指標の発表は予定されていないが、翌週は27日に米国経済指標(ベージュブックと10月個人消費支出)の発表を控えているのに加えて、28日は感謝祭で米国市場が休場となることから、手控えムードが出てくる可能性もあろう。
■中小型の個別株物色にも広がり
一方、3月期第2四半期を中心とする決算発表が一巡したことを受け、個別株物色が高まってくることが見込まれる。東京証券取引所が集計、発表する投資部門別株式売買状況(2市場、1部・2部合算)によると、海外投資家の現物株と先物を合計した買い越しは11月8日時点で6週連続の買い越しとなっていることから、引き続き大型株、バリュー株(割安株)優位の展開が見込まれる。ただ、15日は週末ながらも一時を含めた東証上場(マザーズ・ジャスダック含む)銘柄のストップ高は17銘柄と14日の9銘柄から急増し、物色動向にうねりが生じ始めており、中小型物色にも広がりが出てくることが予想される。
■10月訪日外客数、米10月住宅着工件数、FOMC議事録
主な国内経済関連スケジュールは、20日に10月訪日外客数、10月貿易統計、21日に9月全産業活動指数、22日に10月消費者物価が発表予定にある。一方、米国など海外主要スケジュールでは、19日に米10月住宅着工件数、20日に10月29日・30日開催のFOMC議事録などが予定されている。このほか、18日は米政府による中国通信機メーカー大手ファーウェイへの制裁措置の一部猶予期限、22日はG20外相会合(23日まで、名古屋)、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)失効期限が予定されている。
<FA>
前週の日経平均は下落した。週間では6週ぶりの反落となった。週初11日の日経平均は5営業日ぶりに下げた。8日のNYダウが小幅続伸し、日経平均も堅調なスタートだったものの、トランプ米大統領が対中関税の段階的撤廃について現時点での合意を否定したことに加え、香港のデモ激化からアジア株が総じて軟調となったことを受けてマイナスに転じた。12日の日経平均は反発。朝方の寄り付き直後にマイナス場面もあったが、後場中ごろから日米で長期金利が一段と上昇するとともに株価指数先物に買いが入り、日経平均は一時前日比213.86円高と上げ幅を広げた。13日の日経平均は200.14円安の23319.87円と反落した。米中協議をめぐる関税撤回についてトランプ米大統領が明確に発言しなかったことに加えて、パウエルFRB議長の議会証言を控えて積極的な買いが限られる中、香港ハンセン指数の軟調な動きから利食い売りが優勢となった。注目されたパウエルFRB議長の議会証言では、当面の金利据え置きが示唆された。しかし、米中交渉が農産物購入を巡って難航していることが伝わり13日の米国市場はNYダウが上昇する一方、ナスダック指数は反落とまちまちの展開になった。14日の日経平均は、1ドル=109円を割り込む円高を警戒し続落した。香港情勢の緊迫化に伴う中国株価指数の軟調な展開や、10月の中国経済指標が弱含んだことが警戒された。個別では、経営統合で最終調整に入ったと報じられたLINE<3938>がストップ高比例配分、Zホールディングス<4689>も16%高となったことが話題となった。14日のNYダウは米中合意への楽観的な見方が後退するなか、同値引け1日を挟んで6営業日ぶりの小反落となった。15日の日経平均は朝方寄り付き直後にマイナス場面があったものの、米政府高官による米中協議の合意について前進との報道を受け、日経平均は先物主導で上げ幅を広げた。後場は小幅なレンジでのもみ合いとなり、大引けの日経平均は161.77円高の23303.32円と3日ぶりに反発した。
■11月のSQ値23637.93円超えが焦点
今週の日経平均は、心理的な節目として働いている23000円を下値ラインとしての強調展開が見込まれるなか、きっかけ次第では日経平均24000円台を臨む位置まで浮上しそうだ。クドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長が記者団に対して、「米中貿易協議は終了していないものの、取りまとめに近づいている」と発言したことを受けて、15日の日経平均は先物から引き戻す展開となった。米中協議を巡ってはポジティブ、ネガティブなニュースが交錯しているが、米中両国が何らかの合意に至るとの期待は根強く残っている。14日に掛けての続落で日経平均は約378円の調整幅を見て、短期的な高値警戒感は和らいだことから、この米中協議で具体的なポジティブ材料が浮上すれば、上値トライの期待が膨らんでくる。現状で「幻のSQ値」となっている11月8日の23637.93円を超えてくると上げに弾みが付く可能性がある。ただし、先物の売買などで日経平均が大きく振らされる場面が目立ち始め、株価変動率(ボラティリティー)がやや高まってきていることは気掛かり要因だ。香港情勢の緊迫化に伴い、香港ハンセン指数や上海総合指数の影響を受けて、日経平均は神経質な展開を見せているが、24日に香港区議会(地方議会)選挙を控えている点も懸念材料だ。このほか今週は、日米中ともに大きな金融政策イベントや経済指標の発表は予定されていないが、翌週は27日に米国経済指標(ベージュブックと10月個人消費支出)の発表を控えているのに加えて、28日は感謝祭で米国市場が休場となることから、手控えムードが出てくる可能性もあろう。
■中小型の個別株物色にも広がり
一方、3月期第2四半期を中心とする決算発表が一巡したことを受け、個別株物色が高まってくることが見込まれる。東京証券取引所が集計、発表する投資部門別株式売買状況(2市場、1部・2部合算)によると、海外投資家の現物株と先物を合計した買い越しは11月8日時点で6週連続の買い越しとなっていることから、引き続き大型株、バリュー株(割安株)優位の展開が見込まれる。ただ、15日は週末ながらも一時を含めた東証上場(マザーズ・ジャスダック含む)銘柄のストップ高は17銘柄と14日の9銘柄から急増し、物色動向にうねりが生じ始めており、中小型物色にも広がりが出てくることが予想される。
■10月訪日外客数、米10月住宅着工件数、FOMC議事録
主な国内経済関連スケジュールは、20日に10月訪日外客数、10月貿易統計、21日に9月全産業活動指数、22日に10月消費者物価が発表予定にある。一方、米国など海外主要スケジュールでは、19日に米10月住宅着工件数、20日に10月29日・30日開催のFOMC議事録などが予定されている。このほか、18日は米政府による中国通信機メーカー大手ファーウェイへの制裁措置の一部猶予期限、22日はG20外相会合(23日まで、名古屋)、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)失効期限が予定されている。
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