1. 中長期の成長戦略「Attack100」
中長期の成長戦略「Attack100」では、売上高100億円を早期に達成し、中長期的に売上高営業利益率10%を達成することを目指す。プロジェクトごとに利益率はばらつきがあり、不採算プロジェクトを皆無にすることは現実的ではないものの、内部管理体制を改善すれば、10%の営業利益率の実現は可能と見ている。安定成長事業であるシステムインテグレーション・サービスやインフラソリューション・サービスに比べて、高成長事業であるパッケージベースSI・サービスは、取り組みいかんではより高い収益性を目指す。
2. サービスライン別事業戦略
目標売上高100億円のサービスライン別内訳は、システムインテグレーション・サービスが67億円、インフラソリューション・サービスが15億円、パッケージベースSI・サービスが17億円を計画している。
(1) 安定成長サービスラインの戦略
同社は、システムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスを既存・安定成長分野と位置付けている。同分野では得意分野の更なる強化を事業戦略とする。最大の顧客基盤であるメーカー系システムインテグレータとの関係を強化する。富士通グループに続く柱として、日立グループ及びNTTデータグループとのビジネスを深耕する。日立グループとは、富士通と異なる分野の案件を手掛けている。NTTデータはアジャイル開発などの先進的で新しい取り組みをしており、積極的に案件に参加することで同社技術者の経験を高めるようにしている。ITサービス業界の主要顧客となる金融機関の案件をさらに拡大する。システムインテグレーション・サービスでは、業種別ターゲットとして公共分野を10%までに拡大し、競争の激しい産業・流通のウエイトを落とす。産業・流通、医療、公共の分野では、直ユーザと一括請負化を拡大する。責任は重くなるが、収益性の向上が狙える。
インフラソリューション・サービスは、ネットワークの多様化と仮想化技術へ積極的に対応する。インフラ人財育成と確保、及びSIサービスと連携して商機を創出する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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