今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が+4.11%だったのに対して、グロース市場指数は+3.05%、グロース市場250指数は+3.27%。日経平均は、日米関税交渉が合意したことを好感して自動車株や金融株を中心に幅広い銘柄が買われ、24年7月11日の最高値に迫った。グロース市場も関税合意を好感する形となったものの、買い一巡後は個別の材料を手掛かりとした物色が目立った。時価総額が大きい銘柄で構成されているグロース市場コア指数は、週間ベースで+1.12%だった。
時価総額上位銘柄では、FRONTEO<2158>は7月23日、AI創薬支援サービス「DDAIF」のがん細胞増殖抑制試験で一定の効果を確認したと発表し、ストップ高を交えての上昇。MTG<7806>は、25年9月期通期業績予想を上方修正したことが材料視された。フリー<4478>は、22日のGMOペパボ<3633>の子会社であるGMOクリエイターズネットワークの株式を取得し完全子会社化するとの発表を手掛かりに買われた。一方、ジーエヌアイグループ<2160>は、23日に新株発行を発表し、5月下旬以来の水準まで下落した。
その他、フューチャーリンクネットワーク<9241>が、地域のお店に伴走する新しいAIエージェント 「まいぷれくん」のIR動画の公開を手掛かりに急伸。ブルーイノベーション<5597>は24日、奈良市で屋内点検用球体ドローン「ELIOS3」を活用した下水道管渠内調査を実施したとの発表が材料視された。
今週のIPOは、フラー<387A>が24日に上場し、上場2日目となる25日に公開価格(1170円)の4.4倍にあたる5200円で初値を付けた。5420円まで買われたが、その後軟化し4500円と初値を下回って終えた。
■選別物色が続く見通し
来週の新興市場は、決算発表が本格化してくることから、個別の材料を手掛かりとした選別物色が続きそうだ。ただ、8月1日の期限に向けた米国と主要な貿易相手国との関税交渉の行方が注目され、欧州連合(EU)と合意となれば、プライム銘柄にシフトしやすいだろう。
決算は、29日にマクアケ<4479>、サイバートラスト<4498>、リアルゲイト<5532>、30日にSBIレオスひふみ<165A>、31日にシンバイオ製薬<4582>、TDSE<7046>、MTG、ニフティライフスタイル<4262>、ファンデリー<3137>、ベガコーポレーション<3542>、visumo<303A>、ミクリード<7687>、8月1日にはdely<299A>、コラボス<3908>、ユニフォームネクスト<3566>などが予定されている。
そのほか、米トランプ政権は23日、人工知能(AI)の普及を加速させる「AI行動計画」を公表した。今週大きく買われたFRONTEOなどAI関連が引き続き関心が集まりやすいほか、イオレ<2334>やデータセクション<3905>、トリプルアイズ<5026>などAIデータセンター関連なども注目される。
来週のIPOは、29日に山忠<391A>が名証メイン市場に上場する。不動産の企画・開発・販売、不動産の賃貸及び管理、ビジネスホテル運営などを手掛ける。公開価格は2600円。
<FA>
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