「クラウドコンピューティング」が10位、デジタル行政加速で関連銘柄に再脚光<注目テーマ>
1 デジタルトランスフォーメーション
2 2020年のIPO
3 地方銀行
4 選挙関連
5 全固体電池
6 人工知能
7 5G
8 台風対策
9 遠隔医療
10 クラウドコンピューティング
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「クラウドコンピューティング」が10位となっている。
日本は欧米と比較してデジタル化では後塵を拝している。企業だけでなく官公庁もデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが必須となっており、自民党次期総裁が有力視されている菅官房長官は「デジタル庁」の創設を検討するなど、デジタル行政を加速させる方針を示している。
デジタルシフトの流れのなかで、株式市場ではクラウドコンピューティングを活用したサービスを展開する企業に光が当たっている。クラウドサービスの基本コンセプトは、ハードやソフトを手元のコンピューターで「所有」するのではなく、インターネットを経由したサービスとして必要に応じて利用するというもの。使用する側にとっては迅速な導入と大幅なコスト削減効果をもたらし、日進月歩のIT環境にも即応可能であることから、自ら所有した場合に起こり得るシステムの陳腐化リスクなどからも解放されるメリットがある。
クラウド先進国の米国ではアマゾン・ドット・コムが展開する「AWS」を先頭にマイクロソフトの「Azure」やグーグル「GCP」が3強で世界シェアの7割前後を占めるという状況にある。また、クラウド上にある完成済みのアプリケーションをネット経由で利用するサービスを「SaaS(サース)」と呼ぶが、これも近年、市場の急拡大が続いており、今年はコロナ禍にあって需要が改めて喚起されている状況にある。
米国株市場でSaaSの象徴株として株価を変貌させたのがセールスフォース・ドットコムだ。9月2日に284ドル50セントの上場来高値をつけた後は調整局面に移行しているが、2日時点の高値を基準に08年のリーマン・ショック直後の株価と比較すると実に55倍という大化けを果たしている。日本でもクラウド市場は急速に拡大傾向を強めており、同関連銘柄に対するマーケットの視線も熱い。
有力銘柄として注目されるのはセールスフォースのシステム導入支援を展開するテラスカイ<3915.T>をはじめ、ビッグデータ分析や人工知能(AI)分野に強いALBERT<3906.T>、レンタルサーバー最大手のGMOグローバルサイン・ホールディングス<3788.T>、データセンターを運営のさくらインターネット<3778.T>、Webサイトの最適化技術で優位性を持つショーケース<3909.T>など。またクラウド関連のIPOで今月24日にマザーズ上場予定のトヨクモ<4058.T>は大人気化も予想される注目銘柄だが、同社株式60万株を保有する大株主サイボウズ<4776.T>も早晩脚光を浴びる可能性がある。
出所:MINKABU PRESS
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