■買いを継続していた海外勢による持ち高調整の動きを見極め
■菱洋エレク、24/1 上方修正 営業利益43億円←36億円
■前場の注目材料:東ソー、三菱ケミG・三井化学の共同物流に参画、連携広げ効率化
■買いを継続していた海外勢による持ち高調整の動きを見極め
6月1日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。5月31日の米国市場はNYダウ134ドル安、ナスダックは82ポイント安だった。債務上限問題を巡りバイデン大統領とマッカーシー下院議長の合意を盛り込んだ「財政責任法案」の下院採決を控え、売り優勢の展開。4月JOLT求人件数が予想外に増加し追加利上げへの警戒感が高まったこと、中国の経済指標が市場予想を下回ったことも相場の重石となった。米連邦準備制度理事会(FRB)の高官らの発言を受け、6月FOMCでの利上げが見送られる可能性が高まったことも神経質にさせた。シカゴ日経225先物は大阪比70円安の30780円。円相場は1ドル139円20銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行の展開から始まりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時30640円まで売られる場面も見られており、短期的な売り仕掛けの商いは入りやすいだろう。ただし、前日の400円を超える大幅な下落から日経平均は節目の31000円を割り込み、ボリンジャーバンドの+1σ水準まで下げてきた。過熱感が和らぐなか、押し目待ち狙いの買いは意識されやすい。
債務上限法案の下院での採決が行われており、可決となれば前日の下げに対する買い戻しの動きに向かわせる可能性があるため、結果待ちのなかでこう着感は強まりやすくなりそうだ。米国ではエヌビディアが5%を超える下落となったが、これまでの上昇から利食いは入りやすく、強いトレンドは継続している。そのため、ハイテク株に対しては押し目狙いのスタンスになりそうだ。
一方で、昨日は商社株の下げが目立っていた。バフェット氏の日本株買いで注目され、買いが継続していたセクターでもあることから、落ち着きどころを見極めたい。昨日は東証プライムの売買高が25億株に膨れ、売買代金は7兆円に迫るなど、商いが直近の倍以上に膨らむ格好から下落しただけに、買いを継続していた海外勢による持ち高調整が継続するようだと、神経質にさせそうだ。
もっとも、月末要因があったため、パフォーマンスの強い日本株へは利食いは入りやすかったとも考えられる。海外投資家による日本株選好の動きは継続していると考えられるなか、買い遅れていた投資家に対しては、押し目狙いのタイミングになる可能性はありそうだ。物色はAIの成長期待からのハイテク株への押し目狙いのほか、全般こう着感が強まるようだと、出遅れている銘柄への物色に向かわせそうだ。
■菱洋エレク、24/1 上方修正 営業利益43億円←36億円
菱洋エレク<8068>は2024年1月期業績予想の修正を発表。売上高は1200億円から1280億円、営業利益を36億円から43億円に上方修正した。部材供給不足下における好需要の反動や大口案件の終息、為替動向による影響等を考慮し、期初時点では前期実績を下回る見通しとしていたが、ICT・ソリューション分野が堅調に推移した状況や、足元の事業動向等を総合的に勘案し、当初の見通しを修正した。
■前場の注目材料
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・東ソー<4042>三菱ケミG・三井化学の共同物流に参画、連携広げ効率化
・日清紡HD<3105>日立国際電気を子会社化、株8割取得
・ダイキン<6367>新中計、3年で1.2兆円投資、設備に8000億円
・トヨタ自<7203>水素専門組織、来月新設、燃料電池など開発資源集約
・日東電工<6988>新中計、3年で4800億円投資、脱炭素に重点
・商船三井<9104>米に新興投資会社
・新日本空調<1952>千葉大と放射線災害治療を共同研究
・キヤノン<7751>ペロブスカイト量子ドットインクの耐久性実証
・JSR<4185>今年度にCDMO黒字化、米新工場が寄与
・三井化学<4183>泉北コンビナートのCO2回収、大阪ガスと事業化へ
・東レ<3402>三井化学などとVOCフリー・単一素材包材を25年めど国内投入
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 1-3月期法人企業統計調査・全産業設備投資(前年比予想:+6.0%)
<海外>
・10:45 中・5月財新製造業PMI(予想:49.5、4月:49.5) <ST>
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