5. 自動車領域への注力
自動車業界は100年に一度の大変革期にあると言われており、エレマテック<2715>でも、今後ますます電装化比率が上昇すると予想される自動車領域に注力する。この自動車領域の拡大のために経営資源を重点的に配分する計画だ。特に以下の4分野に注力する。
(1) 海外Tier-1の攻略
日本のTier-1だけでなく、海外のTier-1メーカー等を攻略するためにリソースを投入。国内顧客だけにとらわれないビジネスを展開する。
(2) 自社工場の機能強化
中国の無錫、大連にある自社工場の機能をさらに強化する。これによって車載関連部材の加工内製化率を上げ、価格競争力を向上させる。
(3) 豊田通商との連携
親会社である豊田通商グループの持つ様々な機能・ノウハウ・海外拠点網を活用し、同社独自の機能との連携により成長スピードを加速させる。
(4) 専属チームの新設
重点顧客・商材に対応した専属チームを新設し、顧客ニーズを深堀することで案件の大玉化を狙う。
また重点実施項目としては、以下の3分野に注力する。
(1) 先進運転支援/自動運転システム
システムを支えるコアユニット関連商材を開拓する。カメラ、Lidar、ミリ波関連等のビジネスを拡大することが相当する。
(2) EV化
主要ユニットを開発生産する国内外有力顧客の獲得を目指す。具体的な施策としては、ヒーター、統合センサー等熱源となる製品の拡大やモーター関連ビジネスの拡大など、商材の幅を拡げていくことが挙げられる。
(3) HMI:ヒューマンマシンインターフェイス
加飾関連商材を開拓する。具体的な施策としては、コックピットモジュールビジネスの拡大、樹脂製品単品ではなく電子・電装部品(ヒーターコントロール、LED ASSY等)までのトータルコーディネートなどである。
6. コーポレートガバナンスの推進/人材の育成
今回の中期経営計画では、「会社が健全な成長に向かう様に、アクセル(営業支援)とブレーキ(リスク回避)をバランスよく効かせるインフラを整備し、適正に運用すること」も目標として掲げている。
(1) アクセル:主に3つを推進
a) グローバル人材の育成
優秀な人材の採用、体系だった教育の実施、海外研修の実施、定期的なローテーション等を実行する。
b) ITインフラの整備
グループERP(会計システム)の統一化、セキュリティの強化、RPAの導入等を進める。
c) 営業活動の側面支援
投融資案件のFSサポート、グローバルベースでの物流管理等を推進する。
(2) ブレーキ:コーポレートガバナンスの強化
リスク管理+内部統制+コンプライアンスの取組みを強化する。具体的には、海外現法のガバナンス強化、財務リスク管理強化、貿易管理体制の強化などを推進する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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