2. マーケット別売上高の動向
2020年3月期のDigital Electronicsの売上高は79,688百万円(前期比11.7%減)となった。製品・市場別内容を見ると、最も変動が大きかったのはモバイル(端末)で、前期比4,548百万円の減収となった。これは米中貿易摩擦の影響ではなく、取引先の事情によるものだ。次に影響が大きかったのは黒物家電(主にTV向け)で3,527百万円の減収となった。さらに米中貿易摩擦の影響で中国での生産活動が低下したことなどから、様々な分野で使用される電気・電子部品/半導体・半導体パッケージの売上高が2,693百万円減となった。
その一方でAutomotiveは前期比1.5%増の27,187百万円となった。自動車関連の市場や商材は同社が今後の成長分野として期待し、注力している分野であることを考えれば、1.5%の増収率は若干低いという印象も受けるが、日本及び中国で自動車生産が低水準にあることに照らすと健闘したと評価できるだろう。
Broad Marketの売上高は、前期比3.6%増の68,778百万円となった。このセグメントはDigital ElectronicsとAutomotive以外のすべてを含んでいるが、その中で2020年3月期はアフターマーケット(前期比2,804百万円増)と医療機器(同980百万円増)が売上を伸ばした。アフターマーケットというのは販売経路に基づいた命名で、中身としてはドライブレコーダー関連製品が中心となっている。一方、医療機器は現状では超音波診断装置の部材が中心となっている。この2つがBroad Marketの伸びをけん引する状況は前期から続いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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