―1月度の売上高18.1%増、年末年始休暇とインバウンドが好影響―
日本フードサービス協会(東京都港区)が2月25日に公表した2025年1月度の外食産業市場動向調査は、全店ベースの売上高が前年同月比7.7%増と38カ月連続のプラスとなった。背景には年末年始の長期連休で国内移動が活発化し外食需要が増えたほか、同月の訪日外客数が単月で過去最高を更新するなかインバウンド(訪日外国人)客の利用が伸びたことがある。また、断続的な価格改定による単価上昇も寄与した。外食のなかでも特に「麺類」の売り上げが同18.1%増と大きく伸長しており、関連銘柄に改めて目を向けてみたい。
●ラーメン関連株
丸千代山岡家 <3399> [東証S]は北海道と北関東が地盤のラーメンチェーン。「ラーメン山岡家」の25年1月末時点の総店舗数は188店舗で、同月度の既存店売上高は前年同月比16.5%増と好調さを維持。同社は3月14日に25年1月期通期の単独決算を発表する予定で、昨年12月13日に修正した数値(営業利益は従来の30億5000万円から37億円に上方修正)から上振れする可能性がありそうだ。
力の源ホールディングス <3561> [東証P]は豚骨ラーメン店「一風堂」などを運営しており、2月末時点の国内店舗数は115店舗。2月14日に発表した25年3月期第3四半期累計(24年4~12月)の連結営業利益はコスト増で前年同期比14.8%減の20億7100万円にとどまったが、足もとの国内既存店売上高は1月度が前年同月比3.0%増、2月度が同4.0%増と堅調に推移。2月17日には子会社の力の源カンパニーが首都圏で味噌ラーメン店を運営するライズ(東京都大田区)を買収することを明らかにしている。
魁力屋 <5891> [東証S]は主力ブランドである「京都北白川ラーメン魁力屋」をはじめとした飲食店を展開しており、24年12月末時点の総店舗数は161店舗(ラーメン魁力屋151店舗、中食事業など10店舗)。25年12月期は年間24店(国内)の新規出店を計画し、通期の単独営業利益は前期比16.2%増の10億円となる見通しだ。
幸楽苑 <7554> [東証P]はラーメン店「幸楽苑」を国内及び海外でチェーン展開しており、1月末時点の国内店舗数は353店舗。2月12日に発表した25年3月期第3四半期累計(24年4~12月)の単独営業損益は1億5400万円の黒字(第3四半期から単独に移行)となったが、以前のとおり連結と仮定した場合の営業損益は7億6100万円の黒字(前年同期は2億200万円の赤字)となっている。1月度の直営既存店売上高(国内)は前年同月比14.7%増で、伸び率は前月の11.4%増から拡大した。
このほかでラーメンを提供している銘柄は、醤油ラーメン「一刻魁堂」を出店しているJBイレブン <3066> [名証M]、「丸源ラーメン」などを運営する物語コーポレーション <3097> [東証P]、「九州筑豊ラーメン山小屋」などのブランドを持つワイエスフード <3358> [東証S]、中華食堂を展開するハイデイ日高 <7611> [東証P]、家系ラーメン「町田商店」を運営するギフトホールディングス <9279> [東証P]、「8番らーめん」のハチバン <9950> [東証S]など。吉野家ホールディングス <9861> [東証P]は1月、関西圏を中心にラーメン店「キラメキノトリ」を展開するキラメキノ未来(京都市伏見区)を子会社化している。
●うどん関連株
すかいらーくホールディングス <3197> [東証P]は、うどんチェーン「資(すけ)さんうどん」を展開。このほど東京1号店となる両国店をオープンし、都内への進出を機に認知度を高め、全国展開の足掛かりとする構えだ。25年12月期は「ガスト」や「バーミヤン」などの国内新規出店を積極的に検討するとしており、通期の連結営業利益は前期比3.4%増の250億円を見込んでいる。
うどん店「丸亀製麺」を展開するトリドールホールディングス <3397> [東証P]の足もと業績も堅調だ。2月14日に発表した25年3月期第3四半期累計(24年4~12月)の連結決算は、営業利益が前年同期比1.6%増の115億3700万円で着地し、通期計画の116億円に対する進捗率は99%超となった。建設費用や家賃の高騰が続くなか厳選した出店が寄与したほか、国内その他業態を中心に改装した店舗の業績が伸長。繁華街を中心にインバウンド需要を取り込み、好調店舗が更に売り上げを伸ばした。
ガーデン <274A> [東証S]は、家系ラーメン「壱角家」や「山下本気うどん」のフランチャイズチェーンを展開。乗降者数の多い地区に直営店舗の約3分の1の店舗をドミナント出店し、その大部分は繁華街に位置している。1月10日に発表した25年2月期第3四半期累計(24年3~11月)の単独営業利益は13億7800万円(昨年11月22日にスタンダード市場に新規上場したため前年同期との比較なし)で、通期計画の18億4500万円に対する進捗率は約75%。うどんブランドでは期間限定メニューなどが好評を得ている。
シマダヤ <250A> [東証S]は、うどんなどの麺類及び関連食料品を製造・販売している。家庭用では主力ブランドの「流水麺」や「太鼓判」などを積極的に拡販し、業務用では高まる外食需要への対応や新規顧客の獲得に取り組むなどの営業活動を進めていることを背景に、2月10日には25年3月期通期の連結営業利益予想を従来の30億3000万円から32億3000万円(前期比3.7%減)に上方修正している。
株探ニュース
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