9月30日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は17.15ドル高(+0.04%)の42330.15ドル、ナスダックは69.58ポイント高(+0.38%)の18189.17、S&P500は24.31ポイント高(+0.42%)の5762.48で取引を終了した。9月シカゴ購買部協会景気指数が予想外に改善したため買いが優勢となったが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が小幅な利下げペースを示唆したため失望感から一時大きく売りに転じた。
ナスダックは長期金利の上昇が嫌気されたが、アップルの上昇が下支えとなり、終盤にかけプラス圏に回復し相場を押し上げた。月末、四半期末の調整に加え景気に楽観的な議長の見解を受けソフトランディング期待を受けた買いに、終盤にかけてダウも上昇し連日過去最高値を更新した。
米国株上昇や為替の円高一服を受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始した。
前日の大幅安の反動が先行し、日経平均は寄付きから38000円台を回復。その後も上げ幅をじりじりと拡大した。朝方、日本銀行が公表した日銀金融政策決定会合における主な意見(9月19-20日分)を受けて早期利上げ観測が後退。為替は一時1ドル144円台まで円安ドル高が進み、大型株の買戻し材料となった。
日経平均採用銘柄では、川崎重<7012>、三菱重<7011>、IHI<7013>、日本製鋼所<5631>など防衛関連銘柄が総じて買われたほか、三井物産<8031>、住友商事<8053>、伊藤忠<8001>、丸紅<8002>など商社株も上昇。このほか、TDK<6762>、フジクラ<5803>、日東電工<6988>などが上昇。ルネサスエレクトロニクス<6723>、東京エレクトロン<8035>など半導体株も買われた。
一方、ニトリホールディングス<9843>、ZOZO<3092>、ニチレイ<2871>、サッポロHD<2501>など円高メリット銘柄が総じて売られたほか、10月に入ったことで東京地下鉄の上場が改めて意識されたことから小田急<9007>、東急<9005>、JR東海<9022>、京王電鉄<9008>など鉄道株が下落。このほか、資生堂<4911>、ファナック<6954>など中国関連銘柄も売られた。
業種別では、機械、卸売業、証券・商品先物取引業、電気機器、保険業などが買われた一方、空運業、陸運業、パルプ・紙、繊維製品、鉄鋼などが売られた。
日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、前回6月調査(プラス13)から横ばいのプラス13だった。IT(情報技術)市況の回復を受けて半導体関連などが伸び、電気機械が10ポイント改善しプラス11。ほぼ市場の想定通りだったことから、為替、株式市場への影響は限定的となった。
後場の日経平均は38500円水準でのもみ合いとなりそうだ。円高一服で下値模索の展開は回避されたが、石破政権の方向性を見極めたいとするムードは強く、外国人投資家を中心とした幅広い大型株買いは手控えられよう。
<AK>
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