2. 遠隔教育サービスの特徴・強み
遠隔教育サービスの流れを簡単に説明すると、まず、コンテンツ制作に関しては時代のニーズに合致したテーマをコンテンツ会議で決定し、そのテーマに最適な講師を選んでビジネス・ブレークスルー<2464>のスタジオで制作する。企画・制作されるコンテンツは年間約1,000時間程度となっており、現在のコンテンツライブラリーは10,000時間超に及ぶ。講師陣は大前研一氏を始めとした著名経営コンサルタントや大学の教授、企業経営者などを招聘している。
制作されたコンテンツはインターネットや衛星放送、あるいはDVD等で受講者に配信されている。講義内容の質問やそれに対する回答、あるいは受講生同士のディスカッション、試験やサポートなどはすべて同社が開発した遠隔教育プラットフォーム「AirCampus®」を介して行われる。
同社の遠隔型教育サービスの強みは以下の3点にまとめることができる。まず、第1に10,000時間超と国内最大級のコンテンツ量を蓄積しており、コンテンツの内容も含めて群を抜いているという点が挙げられる。また、コンテンツの制作コストに関しても、本社内に自社スタジオを有することで低コスト化を実現している。
第2の強みとしては、自社開発した遠隔教育プラットフォーム「AirCampus®」にある。同システムは、講義を視聴したかどうかを認証する視聴認証システム(日米でビジネスモデル特許取得)、理解度を確認するテスト、修了レポート等の提出、成績管理を含めた履修状況を管理する履修管理システム、さらにはディスカッション機能、掲示板機能、eラーニングに必要な機能を網羅的に有している。また、使用デバイスもPCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末にも対応しており、時間と場所を選ばず受講できることが特長となっている。
第3の強みとしては、過去の実績によって蓄積された教務ノウハウにある。同社は2001年にオーストラリアのボンド大学と提携して共同プログラムを運営するなど、既にMBAプログラムでは16年以上のノウハウを蓄積している。「Bond-BBT MBA」「BBT大学院」の卒業生は合わせて2,000人を超え、在校生は約800人と国内で最大級の規模となり、遠隔型のビジネススクールとしては他の追随を許さない。
また、起業家を養成する「アタッカーズ・ビジネススクール」では、修了生の中から約810社が起業し、このうち弁護士ドットコム<6027>、クラウドワークス<3900>、ミクシィ<2121>や、アイスタイル<3660>など11社が株式上場を果たすなど、起業家の養成ノウハウにも定評がある。2008年から、スタートアップ起業家支援プロジェクト「背中をポンと押すファンド(SPOF)」を通じて、ニュービジネスにチャレンジする起業家に対して資金面での後押しも行っており(BBT修了生が対象、1件当たり最高200万円、出資比率20%未満)、累計で約35社に約40百万円の出資を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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