クシムは、カイカFHDに対する借入金529百万円について、カイカFHDより返済期日である2025年1月31日に全額現金返済を求められていた。カイカFHDは、自社グループの資産保全を最優先としており、クシムの現経営陣と今日に至るまで信頼関係のもとに両者の関係を維持してきたが、クシムの経営体制変更の可能性による返済リスクの高まりを懸念していた。具体的には、2024年11月25日付で辞任勧告を受けたクシム取締役の田原弘貴氏(以下、「田原氏」)による情報漏洩並びに不適切行為への関与に起因する信用不安、さらに田原氏が株主提案を行なったことでクシム経営陣が交代し、総額529百万円の債権回収が不能となるリスクから、クシムは返済期限の延長に一切応じてもらえなかったとしている。
クシムの2024年11月25日付プレスリリースによれば、クシムの重要事実の情報受領者であるA氏から、クシム取締役の田原氏からクシムの重要事実が情報共有されていると確定できる発言があったこと、直接・間接的にクシム株式を保有していること、クシム連結子会社である株式会社Zaifに、中国本土からビットコインを持ち込むことが可能である旨の提案があったとされている。直接・間接のクシム株式保有が5%を上回っているのであれば、ウルフパック戦略が採られている可能性があるということで、ウルフパック戦略の議論が再燃していた。また、別の論点となるが、中国本土からビットコインを持ち込むという提案は、マネーロンダリングの懸念が伴うとともに、国内の暗号資産交換業者が遵守すべきFATF(金融活動作業部会)の基準を無視した内容が含まれており、クシムの経済的基盤に重大な影響を及ぼす恐れがあるだけでなく、国家の経済安全保障上のリスクにもつながり得るものであったとクシムは指摘している。
今回の代物弁済に伴う連結子会社の異動により、クシム傘下にあった各事業会社は、日本国家の重要インフラ産業におけるマネーロンダリングへの懸念や経済安全保障上のリスクから隔離されたことにはなる。
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