日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤 雅之)は、海外EPC事業会社である日揮グローバル株式会社(代表取締役社長執行役員 ファルハン・マジブ、以下、日揮グローバル)が、今般BSIグループジャパン(英国規格協会)からISO 19650-1およびISO 19650-2(※1)に基づくBIM BSI Kitemark(カイトマーク)の認証を取得したことをお知らせします。
日揮グループでは、かねてから当社のメインビジネスであるEPC(プラントの設計・調達・建設)事業のデジタル変革に取り組んできました。2018年から推進しているグループIT戦略「ITグランドプラン2030」では「スピード2倍、工数1/3」の実現を目指して、EPC役務に関わる情報を集約するデータセントリックな設計ワークフローとプロジェクトデジタルツインの構築を掲げ、こうしたEPCのデジタル化・高度化を実現する重要な要素技術としてBIM(Building Information Modeling)の活用に取り組んできました。
BIMは、デジタルモデリングを使用して、初期設計から建設、保守、最終的に廃棄に至るまで、建設資産のライフサイクル全体にわたる情報を管理する仕組みであり、3次元モデルを含む仮想建設環境(共通データ環境)において、エンジニアや所有者、建築家、請負業者間とのコラボレーションや効率的な情報共有を可能とする技術です。
日揮グローバルは、これまでBIMを用いて日揮グループ独自の新たな価値創造を行うP×BIM(R)(※2)の適用プロジェクトを拡大してきましたが、より信頼性の高いデジタル化されたプロジェクト遂行を行うためには、国際標準に準拠した情報管理体制のBIM上での構築が不可欠であることから、このたび、情報モデルを使用した情報マネジメントの概念と原則であるISO 19650-1および情報マネジメントに関する具体的な要求事項を規定するISO 19650-2に基づく認証(元請受託組織向け※3)を取得したものです。
BSIグループジャパン(英国規格協会)からのISO 19650-1およびISO 19650-2(※1)に基づくBIM BSI Kitemark(カイトマーク)の認証取得は、国内エンジニアリング企業として初であり、本認証取得により、プロジェクト関係者が各専門分野のBIMモデルを互いに共有・参照し、計画から設計、調達、建設に至るまでのデータを共有するBIMレベル2(※4)と同様の原則と、高レベルの要件すべてを実施することが可能となります。
日揮グローバルは、今後も引き続きITグランドプラン2030を推進し、国際標準に準拠した情報管理体制によるEPCのデジタル化、高度化を実現することで、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。
ITグランドプラン2030については過去のニュースリリースをご覧ください。https://www.jgc.com/jp/news/2018/20181218.html
※1 ISO 19650が規定する内容は下記の通り。
ISO 19650:BIMを含む、建築及び土木工事に関する情報の統合及びデジタル化ISO 19650-1:2018: BIMを使用した情報マネジメント: 概念及び原則ISO 19650-2:2018: BIMを使用した情報マネジメント: 資産のデリバリーフェーズISO 19650-3:2020: BIMを使用した情報マネジメント: 資産の運用フェーズISO 19650-5:2020: BIMを使用した情報マネジメント: 情報マネジメントへのセキュリティを意識したアプローチ
※2 P×BIM(R)(ピークロスビム):Plant(プラント)とBuilding(ビルディング)の各分野の要素技術および情報モデルでの相乗効果により新たな価値を創造し、社会に貢献するという日揮グループ独自の概念
※3 元請受託組織:発注者の要件を受託(請負)し、協力会社などに発注する組織
※4 英国ではBIMの成熟度をレベル0からレベル3まで設定。2016年以降、建物やインフラストラクチャーを含む中央調達政府プロジェクトに入札する建設サプライヤーに対して、BIMレベル2で作業することを要求しています。
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