<話題の焦点>=日本列島を襲う豪雨、対策関連に関心高まる
気象庁によると最近の東京では、夏場の熱帯夜(1日の夜間の最低気温が25度以上)の日数は、1920年代に比べて3倍以上に増加しているという。アスファルト道路は昼間の太陽光熱射で深層まで高温となり、夜間には蓄積された熱が放出される。樹木は大量の水を空気中に放出しているが、緑地面積が小さくなると植物や地表からの水分の蒸発量が減少し、熱がとどまりやすくなる。さらに、都市への人口の集中により自動車、エアコンなど各種エネルギーの使用量が増え、排熱量も増加する。30年後の東京では、最高気温が40度を超える日も珍しくなくなるとの予測もあるほどだ。
ゲリラ豪雨関連銘柄として注目したいのがウェザーニューズ<4825.T>。同社はスマートフォン向けにさまざまなサービスを提供しているが、「ゲリラ雷雨メール」をリアルタイムで配信しキメ細かい情報を提供している。また同社は、7~9月のゲリラ雷雨の予想発生回数は昨年と同程度としているものの、9月の予想発生回数は昨年比130%となり、9月の発生リスクは高めで、長期戦を覚悟したほうがよさそうと指摘している。
一方、防災面での具体的な対策としては、山間部の地すべり防止や、河川の護岸、堤防の強化が急務となる。こうした法面保護工事ではトップシェアを占め、地すべり防止、地盤改良を得意分野とするライト工業<1926.T>にも注目。大豊建設<1822.T>は、ゲリラ豪雨などによる都市部の浸水被害に有効とされる縦型雨水貯留槽の建設工法「New DREAM工法」を開発している。
LIXILグループ<5938.T>傘下のINAXは、ゲリラ豪雨対策として、雨水を一時的に溜め、河川や下水道への流出を防ぐことができる新環境素材「保水セラミックス」を開発。この新素材は、トイレ用の陶器を焼く技術を応用したもので、高い保水性能と蒸発性能を備えており、ゲリラ豪雨による雨水を一時的に貯留し、局地的な大雨が短時間で下水道や河川に流出することを抑制し、都市型水害の防止に役立つという。
アメダス(地域気象観測システム)をはじめ、さまざまな防災に関する気象観測システムを手掛けるのが明星電気<6709.T>。同社では、気象観測関連機器のほかに、遠隔地の山岳渓流地域の降雨状況を無線テレメータによって集中監視し、その結果を解析したのち、山崩れの緊急情報を危険地域の地方自治体の防災担当者にすみやかに伝達する「山崩れ発生予知施設」や、山崩れ発生によってセンサー切断を検出すると、「スピーカ」と「点滅灯」を起動させ警報動作を行う「土石流発生監視装置」なども手掛けており注目される。
出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)
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