日経平均は大幅反落、欧州政治不安と先物売りで一時38000円を割り込む
14日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は57.94ドル安(-0.15%)の38589.16ドル、ナスダックは21.32ポイント高(+0.12%)の17688.88、S&P500は2.14ポイント安(-0.04%)の5431.60で取引を終了した。利下げ期待を受けた買いが後退し、寄り付き後、下落。6月ミシガン大消費者信頼感指数が予想以上に落ち込んだため消費減速への懸念が重しとなり、相場は一段安となった。金利の低下やアドビの好決算を受けた買いで、ナスダックは終盤にかけてプラス圏を回復し5日連続で過去最高値を更新。ダウも下げ幅を縮小も下げを消せずまちまちで終了した。
欧州政治不安などを受けて、東京市場は売り優勢で取引を開始した。日経平均は3
8440.98円で寄り付いた後は、下げ幅を拡大し一時38000円台を割り込む場面も見られた。一部では、日本銀行の金融政策決定会合の内容を見て海外投資家が、先物売りを入れたとの観測。売り一巡後は38000円台を回復したが、売り圧力の強い前場となった。
日経平均採用銘柄では、アドバンテスト<6857>の下げが目立ったほか、東京建物<
8804>、住友不動産<8830>など不動産株が弱い。このほか、リコー<7752>、オリンパス<7733>、日本製鋼所<5631>、スズキ<7269>、レゾナック・ホールディングス<4004>と幅広い銘柄が売られた。
一方、米アップルの上昇などを材料に太陽誘電<6976>が独歩高となり年初来高値を更新。このほか、ヤマトホールディングス<9064>、ニチレイ<2871>、エーザイ<4523>、鹿島建設<1812>が買われた。なお、日経平均採用銘柄で上昇したのはわずか18銘柄に留まった。
全業種が下落したなか、鉱業、不動産業、パルプ・紙、精密機器、保険業の下げが目立った。
14日、日銀金融政策決定会合にて、国債買い入れを減らす方針を決めたが、一部投資家は、「日銀が量的引き締め(QT)に踏み切る」と捉え、先物売りを仕掛けたようだ。植田和男日銀総裁は、記者会見にて、「今回の国債買い入れの減額がQTであるかどうか」と問われた際、「金融政策的な色彩は無しか、極めて最小化させたうえで運営していきたい」と発言。QTではないことを示唆したものの、「日銀は金融緩和から金融引き締めに転換した」と誤解した可能性がある。コミュニケーションミスというよりは、捉え方の問題な気はするが、欧州政治不安が強まっていたタイミングだったことも重なり下げ幅が拡大したと考える。後場は、いったん下げ止まりそうな気はするが、欧州投資家が参加すると見られる14時頃辺りの指数一段安には警戒したい。
<AK>
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