1.日経平均は急反落、米中貿易摩擦に対する懸念が再燃しリスクオフに傾く
2.トランプ米政権は輸入する中国製品への関税を10%から25%へ引き上げ
3.1ドル=110円を下回るドル安・円高進行も全体相場への売り圧力を助長
4.日経平均は連日の下値模索で心理的フシ目の2万1500円ラインも下抜け
5.週末は前場に買い戻し優勢となるも、後場寄り先物主導で売り崩される
■週間 市場概況
令和相場入りとなった今週の株式市場は米中貿易摩擦懸念が再燃し、日経平均株価が前週末比913円安(4.11%安)の2万1344円と急反落した。
今週は米中貿易摩擦に対する懸念が一気に高まったことで、リスク回避の売りに晒される形となった。大型連休明けを控えた5日、トランプ米大統領が中国から輸入している製品2000億ドル(約22兆円)分に対し追加関税を10%から25%に引き上げるという方針を表明、東京株式市場は“寝耳に水”のネガティブ材料に大きく反応せざるを得なかった。
令和相場の取引初日となった7日(火)は今週予定される米中貿易協議で合意が困難になったとの見方から、売り込まれ日経平均は大幅安。さらに8日(水)も前日の米株急落や1ドル=110円台を割り込む円高進行を嫌気して売りがかさんだ。日経平均は連日で300円を超える下げを余儀なくされ、2日間で下げ幅は650円を超えた。さらに、この売りの洗礼は9日(木)も続き、日経平均は心理的なフシ目である2万1500円ラインをあっさりと下抜けた。値下がり銘柄数も8日に続き1800を超え、東証1部全体の85%を占めるなど悲観色が強かった。10日(金)は、目先突っ込み警戒感から朝方は買い戻しが優勢となりプラス圏でスタート。オプションSQ絡みの思惑も影響した部分はあったが、前場は日経平均が140円あまり上昇。ところが、後場は午後1時1分の関税引き上げの発動に合わせ、先物を絡めた売り仕掛けが炸裂、日経平均は一時220円超の下げに見舞われた。終盤戻り足をみせたのは救いだが、結局マイナス圏で引け令和相場は出足4日続落となった。
■来週のポイント
昨日10日の米中貿易協議を巡りトランプ米大統領が「協議は建設的だった」とし、協議を継続する意向を示したと伝わり米国株が反発しており、来週は買い戻される展開が期待できそうだ。
重要イベントとしては、国内では13日発表の3月景気動向指数が注目される。海外では15日に発表される中国の4月鉱工業生産と小売売上高や、米国の4月鉱工業生産と小売売上高に注視が必要だろう。
■日々の動き(5月7日~5月10日)
【↓】 5月 7日(火)―― 大幅続落、米中摩擦再燃を嫌気し2万2000円割れ
日経平均 21923.72( -335.01) 売買高15億6494万株 売買代金 3兆2176億円
【↓】 5月 8日(水)―― 大幅に3日続落、米株安や円高でリスクオフ加速
日経平均 21602.59( -321.13) 売買高14億9623万株 売買代金 2兆7476億円
【↓】 5月 9日(木)―― 4日続落、米中摩擦と世界景気への影響懸念で売り優勢
日経平均 21402.13( -200.46) 売買高16億8963万株 売買代金 2兆8655億円
【↓】 5月10日(金)―― 5日続落、米中摩擦懸念で終始不安定な値動き
日経平均 21344.92( -57.21) 売買高17億4057万株 売買代金 3兆1340億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、32業種が下落
(2)住友鉱 <5713> など非鉄、郵船 <9101> など海運業、コマツ <6301> など機械といった景気敏感株が急落
(3)円高でトヨタ <7203> など自動車、パナソニック <6752> など電機といった輸出株も売られた
(4)内需株はJT <2914> など食料品、長谷工 <1808> など建設が大幅安も
リクルート <6098> などサービス、KDDI <9433> など情報・通信は下げ限定的
(5)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株もさえない
(6)武田 <4502> など医薬品株は唯一、わずかにプラス圏確保
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G ─────── 令和相場でスタートダッシュ! 3つの有望テーマ(2)
2(2) 人工知能(AI) ── 注目度高い、新たな課題も物色人気を後押し
3(6) キャッシュレス決済 ─ 令和相場でスタートダッシュ! 3つの有望テーマ(1)
4(19) MaaS ──────── 令和相場でスタートダッシュ! 3つの有望テーマ(3) 5(3) バイオテクノロジー関連
※カッコは前週の順位
株探ニュース
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