明日の株式相場に向けて=「半導体製造装置祭り」が映す潮流の変化
きょう(7日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比776円高の4万83円と3営業日ぶりに急反発。フシ目の4万円台を回復し、大発会の下げ分を帳消しにしてお釣りが来た勘定となった。前日の米国株市場でエヌビディア<NVDA>など半導体関連が買われた流れが波及したという解釈だが、米半導体株高でも東京市場でスルーされることはこれまで何度も繰り返されてきた。今回だけが特別という要素はなく、あくまで個別の株式需給関係に起因するとしか言いようがないが、半導体セクターの主力どころに資金がなだれ込んだことは事実である。値上がり銘柄数が全体の49.5%とわずかながら半分にも届かなかったのは、大型株の物色人気というより先物効果を反映したものだ。
さながら“半導体製造装置祭り”と言ってもいいような地合いだった。225先物主導のインデックス買いによる影響と、日経平均寄与度の大きい半導体製造装置の主力銘柄のハイパフォーマンスが指数を押し上げており、これはTOPIXと日経平均を比較した際の上昇率のカイ離にも映し出されている。日経平均寄与度ランキングトップは売買代金で首位となった東京エレクトロン<8035.T>、寄与度ランキングの2位は売買代金で3位に食い込んだアドバンテスト<6857.T>であった。この2銘柄だけで何と日経平均を390円近く押し上げている。ちなみに、きょうは売買代金ランキングで東エレクとアドテストの間に入った第2位の銘柄がディスコ<6146.T>で、第4位はレーザーテック<6920.T>であった。つまり、売買代金上位4傑を半導体製造装置の主力株が独占した格好となった。最近ではなかったことで、潮流変化を示唆する一つのトピックには違いない。
半導体製造装置関連で言えば、昨年12月下旬から野村マイクロ・サイエンス<6254.T>が目を見張る戻りを演じ、年明け早々にはストップ高に買われた。東証信用残や日証金における空売り(貸株)に加え、それ以外にも貸株市場を通じたショートが積み上がっていたことから、買い戻しによって鮮烈な上昇パフォーマンスが引き出された。この延長線上に、日経平均とリンクしていない半導体製造装置の中小型株で、まだ出遅れている好実態の銘柄が投資マネーのターゲットとなる方向が読める。
候補として、例えば半導体パッケージ製造装置を手掛けるAIメカテック<6227.T>や、パワー半導体向け製造装置で強みを持つワイエイシイホールディングス<6298.T>などは好チャートで食指が動く。とりわけ後者は株式分割した直後で需給面からウネリが生じやすい。このほか、前日に急騰し、きょうも利食いをこなし切ったTOWA<6315.T>も週足トレンドでみれば反騰の緒に就いた段階に過ぎず、上値余地の大きさが意識される。
一方、量子コンピューター関連の人気が凄まじくなってきた。本命格であるエヌエフホールディングス<6864.T>の過激なチャートが、上げ潮に乗ったテーマ物色の威力を見せつける。このセクターに太い資金が流れ込んでいることで、同類項にある銘柄群としてビッグデータや自動運転といったテーマに派生していく可能性も念頭に置くところである。
そのなかタイムリーな話題を提供したのがトヨタ自動車<7203.T>で、後場に入り株価を急動意させる場面があった。これは世界最大級のIT見本市である「CES2025」に先立つ基調講演において、エヌビディアCEOが同社の先端半導体をトヨタが次世代自動車で採用し自動運転技術の開発に傾注する計画にあると伝え、材料視されたもの。エヌビディアといえば生成AI市場の急拡大を背景に業績を飛躍させた印象が強いが、自動運転分野にも並々ならぬ意欲を示している。自動運転関連の切り口で注目されるのは、中小型株ではアイサンテクノロジー<4667.T>などが常連銘柄だが、システム系で目新しい銘柄を探すと、HEROZ<4382.T>やソリトンシステムズ<3040.T>などが関連有力株として浮上する。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に1月の日銀当座預金増減要因見込みが開示される。午後取引時間中には需給ギャップと潜在成長率が日銀から発表される。このほか、12月の消費動向調査も開示。海外では11月の豪消費者物価指数(CPI)、11月のユーロ圏生産者物価指数、11月の独製造業新規受注のほか、米国では12月のADP全米雇用リポート、週間の新規失業保険申請件数、11月の米消費者信用残高が発表される。また、FOMCの議事要旨(12月17~18日開催分)にマーケットの注目度が高い。この日はウォラーFRB理事の講演も予定されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
さながら“半導体製造装置祭り”と言ってもいいような地合いだった。225先物主導のインデックス買いによる影響と、日経平均寄与度の大きい半導体製造装置の主力銘柄のハイパフォーマンスが指数を押し上げており、これはTOPIXと日経平均を比較した際の上昇率のカイ離にも映し出されている。日経平均寄与度ランキングトップは売買代金で首位となった東京エレクトロン<8035.T>、寄与度ランキングの2位は売買代金で3位に食い込んだアドバンテスト<6857.T>であった。この2銘柄だけで何と日経平均を390円近く押し上げている。ちなみに、きょうは売買代金ランキングで東エレクとアドテストの間に入った第2位の銘柄がディスコ<6146.T>で、第4位はレーザーテック<6920.T>であった。つまり、売買代金上位4傑を半導体製造装置の主力株が独占した格好となった。最近ではなかったことで、潮流変化を示唆する一つのトピックには違いない。
半導体製造装置関連で言えば、昨年12月下旬から野村マイクロ・サイエンス<6254.T>が目を見張る戻りを演じ、年明け早々にはストップ高に買われた。東証信用残や日証金における空売り(貸株)に加え、それ以外にも貸株市場を通じたショートが積み上がっていたことから、買い戻しによって鮮烈な上昇パフォーマンスが引き出された。この延長線上に、日経平均とリンクしていない半導体製造装置の中小型株で、まだ出遅れている好実態の銘柄が投資マネーのターゲットとなる方向が読める。
候補として、例えば半導体パッケージ製造装置を手掛けるAIメカテック<6227.T>や、パワー半導体向け製造装置で強みを持つワイエイシイホールディングス<6298.T>などは好チャートで食指が動く。とりわけ後者は株式分割した直後で需給面からウネリが生じやすい。このほか、前日に急騰し、きょうも利食いをこなし切ったTOWA<6315.T>も週足トレンドでみれば反騰の緒に就いた段階に過ぎず、上値余地の大きさが意識される。
一方、量子コンピューター関連の人気が凄まじくなってきた。本命格であるエヌエフホールディングス<6864.T>の過激なチャートが、上げ潮に乗ったテーマ物色の威力を見せつける。このセクターに太い資金が流れ込んでいることで、同類項にある銘柄群としてビッグデータや自動運転といったテーマに派生していく可能性も念頭に置くところである。
そのなかタイムリーな話題を提供したのがトヨタ自動車<7203.T>で、後場に入り株価を急動意させる場面があった。これは世界最大級のIT見本市である「CES2025」に先立つ基調講演において、エヌビディアCEOが同社の先端半導体をトヨタが次世代自動車で採用し自動運転技術の開発に傾注する計画にあると伝え、材料視されたもの。エヌビディアといえば生成AI市場の急拡大を背景に業績を飛躍させた印象が強いが、自動運転分野にも並々ならぬ意欲を示している。自動運転関連の切り口で注目されるのは、中小型株ではアイサンテクノロジー<4667.T>などが常連銘柄だが、システム系で目新しい銘柄を探すと、HEROZ<4382.T>やソリトンシステムズ<3040.T>などが関連有力株として浮上する。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に1月の日銀当座預金増減要因見込みが開示される。午後取引時間中には需給ギャップと潜在成長率が日銀から発表される。このほか、12月の消費動向調査も開示。海外では11月の豪消費者物価指数(CPI)、11月のユーロ圏生産者物価指数、11月の独製造業新規受注のほか、米国では12月のADP全米雇用リポート、週間の新規失業保険申請件数、11月の米消費者信用残高が発表される。また、FOMCの議事要旨(12月17~18日開催分)にマーケットの注目度が高い。この日はウォラーFRB理事の講演も予定されている。(銀)
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