~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
新興市場に個人投資家の資金が戻ってきています。東証マザーズ指数は11月20日(金)に0.5%高と4日続伸し、週間(4.9%高)では3週ぶりに値上がりしました。
日経平均株価は5週連続での上昇となっており、11月に入ってからの新興市場の弱さが目立っていました。
これは、11月4日に郵政3社が上場し、個人投資家が“郵政祭り”に参加したことで、新興株への関心が薄れたためと考えられます。
一方、(6178)日本郵政と(7182)ゆうちょ銀行株について、11月17日にMSCI組入れという需給イベントを経過したことにより、材料出尽くしで株価上昇に一服感が見られています。
来月末のTOPIX組み入れまでは大きな需給イベントがないため、トレーダーが郵政株に見切りをつけ、従来手掛けていた新興株に戻ってきているのでしょう。
■今年最大の上昇幅?活気づくIPOに投資家心理も「強気」に。
また、新規上場(IPO)市場が活況です。11月19日に新規上場した(7183)あんしん保証は、公開価格の1460円に対して3.9倍となる5730円の初値を付けました。
同じく19日に上場した(6182)ロゼッタに至っては、上場2日目も買い気配のまま初値つかず、公開価格の5.3倍となる3680円まで気配値を切り上げました。
2015年のIPOでもっとも初値が高騰した銘柄は、7月16日に上場した(3917)アイリッジです。
アイリッジは上場3日目に、公開価格1200円に対して5.3倍となる6350円の初値を付けて、No.1の上昇率となっています。
ロゼッタは上場2日目も買い気配のまま値が付きませんでしたので、アイリッジの5.3倍を超え、今年最大の上昇率となる公算が大きいといえます。
市場からの資金吸収規模が2.8億円程度と、東証上場では今年もっとも規模が小さかったことが高騰の主因です。3.9倍に高騰したあんしん保証も、同じく資金調達額が3.5億円程度と小粒でした。
ロゼッタやあんしん保証の初値高騰が、マーケット全体に与える影響は大きくないでしょうが、投資家の心理を強気に働きかける効果はあります。
二匹目のどじょうを狙おうと、直近で上場した銘柄のセカンダリーを狙ったIPO物色が、来週のマーケットで繰り広げられる可能性がありそうです。
小野山 功