反発を期待
移動通信・固定通信の両方を併せ持つ、総合通信事業者です。
成長力のあるディフェンシブ銘柄として注目です。同社の注目できるポイントは着実な成長を遂げており、今後も堅調な業績拡大が期待できる点です。
2016年3月期第1四半期の業績は売上が7.1%増の1兆465億円、営業利益が19.3%増の2310億円、純利益が29.2%増の1439億円と予想を上回る推移となっています。
スマートフォン・タブレット(多機能携帯端末)普及による恩恵を享受しており、データ通信料収入、端末販売収入の増加などが業績を押し上げ。また決済手数料収入の拡大も寄与。タブレット累計契約数は、2015年6月末時点で前年の2.3倍に急拡大しています。
3M戦略(マルチユース、マルチデバイス、マルチネットワーク)の推進により、通信ARPA(口座あたりの平均売上)と付加価値ARPAが共に伸びています。
また、グローバルセグメントの営業利益が前年同期比216%増となる113億円となっている点にも注目。ミャンマー通信事業はMPTモバイル契約者数が2014年7月の約600万から2015年6月には1400万超へと1年間で2倍以上になっています。さらにauウォレット・au簡単決済という電子決済サービスの拡大にも注目すると、au決済サービスの流通総額は2015年3月期の3800億円から2016年3月期予想では8500億円へ拡大する見通しです。今後のEC市場拡大関連としても期待できると思います。
2016年3月期からIFRS基準に移行することで、営業利益は754億円のマイナス要因が生まれますが、それでも2016年3月期も営業利益の3期連続2桁成長を目指しています。2015年3月期は日本基準であり、一概に比較はできませんが、営業利益は10.6%増の8200億円の計画となっていますが、IFRS基準への移行の影響を除くと20%以上の増益となる計算です。
ディフェンシブ銘柄として代表的な通信銘柄には、利回りの低迷する債券市場からの資金流入もあると思います。目先、大きな材料はないのですが、堅調な成長と資金流入に支えられて、引き続き堅調な上昇を予想します。