*11:31JST ネオマーケ Research Memo(1):生活者起点のマーケティング支援会社
■要約
ネオマーケティング<4196>は、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場に上場する総合マーケティング支援企業である。生活者の深い理解のためにマーケティングリサーチからスタートし、クライアント企業に対して「生活者との対話」を通じて「買ってもらい続ける仕組み」をコンサルティングする一連の支援活動を展開する。中期経営計画における3つの成長戦略の推進によって、さらなる発展を目指している。
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期の連結業績は、売上高2,098百万円(前期比7.8%減)、営業利益15百万円(同95.0%減)、経常利益14百万円(同95.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益147百万円(同25.7%減)となった。売上高の減収は、マーケティングコンサルタントの採用は中期経営計画どおり順調に進んでいるものの、採用人員の育成に時間を要したことによる顧客獲得の遅れなどによる。加えて、採用増加に伴い販管費が大幅に増加し、営業利益及び経常利益は大幅減益となった。当期純利益の減益率が小さいのは、特別利益として子会社株式売却益を計上したことによる。サービス別売上高では、インサイトドリブン(R)(以下、インサイトドリブン)、カスタマードリブン、デジタルマーケティング・PRは、いずれもおおむね前期並みの売上高であったが、カスタマーサクセス・その他は契約が満了した大型案件と株式譲渡した子会社の影響から減収に終わった。以上から自己資本比率は48.0%で、東証プライム・スタンダード・グロース合計の33.7%を上回る高い安全性を維持したが、今後は収益性の改善が課題であると弊社では考えている。同社は成長過程にあり配当は未実施であるが、当期より株主優待制度を開始し、また当期は創立25周年の記念株主優待も実施し、株主還元にも考慮している。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の連結業績については、売上高2,500百万円(前期比19.2%増)、営業利益100百万円(同545.1%増)、経常利益100百万円(同610.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益70百万円(同52.5%減)の見通しだ。前期の販売活動の遅れをキャッチアップするために、営業体制の再編と育成の強化によって、売上高は増収を見込む。営業利益については、引き続き翌期以降の成長のための採用・育成などの人材投資を、利益水準とのバランスを見極めながら行うことで、大幅な増益を見込んでいる。当期純利益の減益は、前期に計上した特別利益が消失するためである。引き続き中期的な企業成長のために人材投資に注力し、取引社数を増加させてサービスメニューを拡充することで、全てのサービスの増収を図る計画だ。株主優待制度は継続する予定である。当面は事業拡大を優先する方針であるが、一定の利益水準を確保できるようになった段階では、配当による株主還元の実施が検討課題であろう。
3. 中長期の成長戦略
同社初となる3ヶ年の中期経営計画(2024年9月期〜2026年9月期)では、2024年9月期における営業活動進捗の遅れを踏まえて、数値目標を下方修正した。新たに、最終年度の2026年9月期には、売上高3,100百万円(今後2年間のCAGR 21.6%)、営業利益250百万円(同301.6%)の急成長を目指す。目標達成に向けた成長戦略では、これまでの戦略を維持し、コンサルタントの採用と戦力化、対応エリアの拡大、顧客単価増大といった成長戦略に取り組む計画だ。初年度の2024年9月期には、同社成長のカギを握るマーケティングコンサルタント数は計画を上回った。優秀人材を確保したことで、今後は組織横断的な教育委員会の活用により、早期の戦力化を図ることで売上を伸ばす計画である。また、初年度の顧客数は減少したが、今後の顧客数拡大に向けて、大阪・仙台営業所の営業人員を合計で3人増員している。さらに、顧客単価は大口案件終了に伴い初年度は減少したが、大口案件を除いた単価は増加している。さらに、サービスメニューの拡充についても、セルフインタビューツール「リサーチDEMO!」の事業譲受、海外リサーチサービスの強化など、着々と実績を積み上げている。成長戦略に沿った取り組みは順調に進捗していると言えよう。成長戦略加速のために、さらなるM&Aも検討している。引き続き中期経営計画の進捗状況を注視したい。
■Key Points
・「生活者起点のマーケティング支援会社」が事業コンセプト
・2024年9月期は、減収減益決算。今後の成長のカギとなるコンサルタント数を着実に増員、早期の戦力化が課題。株主優待を開始し、記念株主優待も実施
・2025年9月期は、営業体制の再編と育成の強化を図る。株主優待を継続
・中期経営計画を下方修正したが、成長戦略は順調に進捗。初年度にマーケティングコンサルタントの増員、「リサーチDEMO!」の事業譲受、海外リサーチサービスの強化などの成果
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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ネオマーケティング<4196>は、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場に上場する総合マーケティング支援企業である。生活者の深い理解のためにマーケティングリサーチからスタートし、クライアント企業に対して「生活者との対話」を通じて「買ってもらい続ける仕組み」をコンサルティングする一連の支援活動を展開する。中期経営計画における3つの成長戦略の推進によって、さらなる発展を目指している。
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期の連結業績は、売上高2,098百万円(前期比7.8%減)、営業利益15百万円(同95.0%減)、経常利益14百万円(同95.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益147百万円(同25.7%減)となった。売上高の減収は、マーケティングコンサルタントの採用は中期経営計画どおり順調に進んでいるものの、採用人員の育成に時間を要したことによる顧客獲得の遅れなどによる。加えて、採用増加に伴い販管費が大幅に増加し、営業利益及び経常利益は大幅減益となった。当期純利益の減益率が小さいのは、特別利益として子会社株式売却益を計上したことによる。サービス別売上高では、インサイトドリブン(R)(以下、インサイトドリブン)、カスタマードリブン、デジタルマーケティング・PRは、いずれもおおむね前期並みの売上高であったが、カスタマーサクセス・その他は契約が満了した大型案件と株式譲渡した子会社の影響から減収に終わった。以上から自己資本比率は48.0%で、東証プライム・スタンダード・グロース合計の33.7%を上回る高い安全性を維持したが、今後は収益性の改善が課題であると弊社では考えている。同社は成長過程にあり配当は未実施であるが、当期より株主優待制度を開始し、また当期は創立25周年の記念株主優待も実施し、株主還元にも考慮している。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の連結業績については、売上高2,500百万円(前期比19.2%増)、営業利益100百万円(同545.1%増)、経常利益100百万円(同610.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益70百万円(同52.5%減)の見通しだ。前期の販売活動の遅れをキャッチアップするために、営業体制の再編と育成の強化によって、売上高は増収を見込む。営業利益については、引き続き翌期以降の成長のための採用・育成などの人材投資を、利益水準とのバランスを見極めながら行うことで、大幅な増益を見込んでいる。当期純利益の減益は、前期に計上した特別利益が消失するためである。引き続き中期的な企業成長のために人材投資に注力し、取引社数を増加させてサービスメニューを拡充することで、全てのサービスの増収を図る計画だ。株主優待制度は継続する予定である。当面は事業拡大を優先する方針であるが、一定の利益水準を確保できるようになった段階では、配当による株主還元の実施が検討課題であろう。
3. 中長期の成長戦略
同社初となる3ヶ年の中期経営計画(2024年9月期〜2026年9月期)では、2024年9月期における営業活動進捗の遅れを踏まえて、数値目標を下方修正した。新たに、最終年度の2026年9月期には、売上高3,100百万円(今後2年間のCAGR 21.6%)、営業利益250百万円(同301.6%)の急成長を目指す。目標達成に向けた成長戦略では、これまでの戦略を維持し、コンサルタントの採用と戦力化、対応エリアの拡大、顧客単価増大といった成長戦略に取り組む計画だ。初年度の2024年9月期には、同社成長のカギを握るマーケティングコンサルタント数は計画を上回った。優秀人材を確保したことで、今後は組織横断的な教育委員会の活用により、早期の戦力化を図ることで売上を伸ばす計画である。また、初年度の顧客数は減少したが、今後の顧客数拡大に向けて、大阪・仙台営業所の営業人員を合計で3人増員している。さらに、顧客単価は大口案件終了に伴い初年度は減少したが、大口案件を除いた単価は増加している。さらに、サービスメニューの拡充についても、セルフインタビューツール「リサーチDEMO!」の事業譲受、海外リサーチサービスの強化など、着々と実績を積み上げている。成長戦略に沿った取り組みは順調に進捗していると言えよう。成長戦略加速のために、さらなるM&Aも検討している。引き続き中期経営計画の進捗状況を注視したい。
■Key Points
・「生活者起点のマーケティング支援会社」が事業コンセプト
・2024年9月期は、減収減益決算。今後の成長のカギとなるコンサルタント数を着実に増員、早期の戦力化が課題。株主優待を開始し、記念株主優待も実施
・2025年9月期は、営業体制の再編と育成の強化を図る。株主優待を継続
・中期経営計画を下方修正したが、成長戦略は順調に進捗。初年度にマーケティングコンサルタントの増員、「リサーチDEMO!」の事業譲受、海外リサーチサービスの強化などの成果
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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