日経平均-597円安‼暴落の原因と下げ止まりの目途は?

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最新投稿日時:2015/08/21 18:52 - 「日経平均-597円安‼暴落の原因と下げ止まりの目途は?」(川島寛貴)

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日経平均-597円安‼暴落の原因と下げ止まりの目途は?

著者:川島寛貴
投稿:2015/08/21 18:52

世界同時株安の原因は中国株の下落なのか

今週は日本だけでなく、中国・韓国をはじめとするアジア株式市場、欧州、米国、トルコと大幅な下落相場となっています。
まさに世界同時株安ですが、この原因はなんなのでしょうか。一般的には、中国株の下落といわれていますが、私はそれはほんの一部でしか過ぎないと考えてます。
事実、8月19日には上海総合指数は3500を背に大きく切り返していますが、日経平均、欧州株、米国株は売られることとなりました。

たしかに、日経平均の年初来高値更新まであと6円と迫りながら(TOPIXは年初来高値を更新)下落してしまったのは、人民元の切り下げがあったからでしょう。

これは本来は金融緩和で株高要因。
ところが、市場はこれを中国経済の一段の減速懸念と認識、そしてアジア諸国の通貨安と株安に繋がってしまいショック安となってしまいました。

それに加え、トルコの政情不安とイスラム国との戦闘という地政学的リスクに加え、韓国と北朝鮮の国境問題が深刻化し、にわかに「戦争」というマーケットが最も嫌がる2文字がちらついたこと。これは現在進行中で、週末の大きなリスクとなりそうです。

FOMC議事録でゲームチェンジ

そうしたなか公表されたFOMC議事録では、これまでとトーンが異なっていました。

まず、9月利上げを示唆する文言が入っていなかった。そして、インフレが鈍化していても利上げはあまり関係ないと言っていたにもかかわらず、インフレ懸念が示唆されることとなりました。

これを受け、マーケットは株売り、ドル売りで反応。

本来であれば利上げ時期後退は株高となるのですが、米国株は下落。これは市場関係者にとって大きな誤算、つなりネガティブサプライズでした。

下落となったのは、タイミングが悪く中国株の下落と重なってしまった為に、市場が『FEDは中国経済の減速を懸念し利上げ時期を後退させる』、『米国は利上げを後ずれしないといけないほど景気が良くないのでは』という思惑が働いたからでしょう。
そして、伸び悩む米国株を利益確定するタイミングとして、FOMCの議事録公表というタイミングはちょうど良い時期でもあったのと思われます。

その結果、この日に大きく資金の逆流が発生し今回の下落へと繋がったと考えられます。FOMC議事録を境に、これで今まで9月利上げを織り込みに向かっていたマーケットセンチメントが一気に後退。
さらに原油価格は年初来高値を更新し続けてしまい、これがさらにインフレ率の鈍化に拍車を掛けることとなってしまいます。

恐怖指数の上昇

市場のセンチメントを示す恐怖指数(VIX)を見てみると、前日比+25%の19.14まで上昇し、この下落相場のインパクトの強さを物語っています。
このレベルまで上昇したのは、ギリシャのデフォルトが騒がれていた6月以来。

今までは大きく下落したところは買いでしたが、今回は背景が今までとは違うことから、安易に買い向かうことは危険だと考えます。

ドル円はともかく、日経平均、NYダウなどの株価指数の戻りが鈍くダラダラと下落することは、まだ買い持ちのポジションが一掃されていない可能性が非常に高いことを示しています。

そういった見方でいくと、ポジティブ材料が出るよりは、買い持ちのポジションの投げ売りが出てチャートが大きく下に突っ込み、針で刺したような下ひげを付けた時にようやく買える相場になるのではないでしょうか。

ちなみに、ここ最近のドイツ債券価格の上昇や中国株の下落をことごとく当ててきている債券王のビル・グロース氏は、ツイッターで「利上げは9月だ。優先事項は経済状況ではなく、金融状況だ。」とコメントしています。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想

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