今後も円安は続くのか?6月ドル円相場見通し

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最新投稿日時:2015/06/02 17:27 - 「今後も円安は続くのか?6月ドル円相場見通し」(川島寛貴)

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今後も円安は続くのか?6月ドル円相場見通し

著者:川島寛貴
投稿:2015/06/02 17:27

ドル円はついに125円に到達

5月末から順調に上昇しているドル円は、ついに本日の東京時間に125円に到達!
これは2002年12月6日以来となる12年半ぶりの水準となります。今年も「何十年来の高値を更新」というようなヘッドラインが連日のように続いております。いかにこの相場がすごいものであるかがわかるトピックスですね。

さて、5月のドル円相場は119円から124円へと上昇し、終わってみれば5円の円安となりました。
6月はここからドル円がどのような値動きをみせるのか、イベントや材料から追っていきたいと思います。

6月も円安は続くのか

ドル円が125円にのせた後、すぐに下落したことから達成感でひと相場が終わった雰囲気がするところです。
しかし、私は6月もドル円は円安方向に動き、125円を越えてくる可能性は十分あると考えています。

その材料としては、以下の5つが挙げられます。

・生保の外債投資や年金資金の動向
・個人投資家の根強い円買い
・好調に転じた米国経済指標
・ドル円の高値更新時の値動き
・6月FOMCでの利上げ期待の後退

リスク要因としては予想外の米国経済や順調に上昇を続ける日経平均の急落などが考えられます。なかでも、一番の懸念材料は大量償還をむかえるギリシャのデフォルトやユーロ圏離脱(Grexit)でしょう。

しかし、この可能性はロシア動きを警戒するEU諸国やアメリカの離脱阻止のようにも見える圧力などがあり、現段階では低いと考えています。

では、それぞれの材料を細かくみていきましょう!

生保の外債投資や年金資金の動向

こちらは随分と前から言われていましたが、やはり新年度入りをしてからの投資需要とそういった思惑に乗ってくる買いからより勢いが増しやすくなります。
4、5月と順調に買われてきており、噂でも事実でも買われているというところでしょう。ドル円が上昇してきたこともあり、これまでよりも押し上げ要因は薄くなってくるとも考えられますが、底堅さをつくる要因としては十分です。

また、日経平均を買ってくる5頭のくじらも強力な下支え要因です。

しばしば公的資金のオーダーを受け持つ信託銀行の買いとされる価格の2,30銭手前でドル円が反発することがありますので、トレーダーとしても良い買値の目途となっています。

個人投資家の根強い円買い

今回の122円を越えてくるのに、度々話題となっていたのが個人投資家のドル売り円買いです。
日経新聞にも取り上げられ、その額は6000億円ほどにのぼるとみられています。

そして、このドル円ショートは上昇相場が1週間続いているなかまだ全て切れていない(損切りされていない)ようです。大手FX会社のポジション比率を見ますと、売り57%|買い43%となっており、売りが優勢となっていることが確認できます。

相場は苦んでいる人の逆にいくともいわれますので、これらのポジション比率がもう少し変化するまではトレンドが続きやすいのではないでしょうか。

好調に転じた米国経済指標

3月と4月の米国の経済指標は、雇用統計をはじめとし予想より悪化するものがありました。
しかし、それは天候の要因は原油価格の下落による一時的な解雇の増加、湾岸地域のストライキによるものだといわれています。
FED要人も今後の経済指標に自信を持つコメントが出てきていることから、5月の好調な住宅指標を皮切りに今後の経済指標に期待できます。

また、このような上昇トレンドが発生している際は、経済指標が悪化し下落すれば押し目買い意欲旺盛に支えられ、予想より良ければ買いの理由となる都合の良い解釈をされます。

5日金曜日に発表される雇用統計が20万人割れとなったとしても、その程度であれば上昇トレンドが終了する要因とはならないのではないでしょうか。

これまでのドル円の高値更新時の値動き

これまでにドル円は新高値を取ってきた場合や、三角保ち合いを抜けた場合は5円程度の円安となりました。
今回は約半年間のレンジ相場を形成した後に、レンジブレイクとなっています。上昇のエネルギーを蓄えてるための期間としてはまずまずの長さです。

このことから、すでに2015年内に迫った米国の利上げを織り込みにいく為、市場は上昇へのきっかけ探しをしていたと考えられます。
それが、5月22日に発表された消費者物価指数とイエレン議長の講演がそれとなったのではないかと考えられます。つまり、既に年初来高値更新の地合いはできていたと考えられます。

過去の値動きを見ても、2014年に起きたウクライナ情勢不安という突発的に出てくるようなリスク要因がない限り、一度高値更新をした後は戻ることの無い値動きとなっています。
秋にエボラ出血熱に伴う急落で一瞬だけ105円に戻りましたが、一晩で反発し終値では割り込んでいません。

そういったことを見てみると、122円を上抜けたドル円はそれまでのレンジ幅が6円であったことから、127-128円あたりまで順調に上昇していくのではないでしょうか。

6月FOMCでの利上げ期待の後退

これは円安要因としては薄いですが、ドル円急落の可能性がなくなったとして挙げさせていただきました。

ご存知の方も多いと思われますが、6月18日のFOMCでの利上げの可能性はほぼないといわれています。このことから、利上げしないと発表してもドルが急落するリスクは低くなります。

逆にもしここで0.125%でも利上げを行うと、この事実をほとんど織り込んでいないことから、ポジティブサプライズとなり急騰する可能性が高くなります。

以上のことから、6月FOMCはどちらかといえばドル買い要因となりやすくなるのではと考えられます。

今週は雇用統計をはじめとする重要指標が発表され、また5日にはギリシャの債務償還も予定されており、スタートダッシュを決める重要な週となります。

日々のドル円予想やコラムにて分かり易く説明できればと思いますので、今月もよろしくお願いします!
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想

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