ギリシャ政府に資金は残っていない?
それは、戦時中にギリシャがドイツによる占領で受けた損害に対する賠償額約36兆円超を請求する方針だというものです。
2月も出ていたニュースですが、今回は36兆2,700億円という以前(1兆4,000億円)よりも大きなな金額を出してきています。
当然、ドイツ政府側は「賠償金支払い義務はない」とコメントしているようです。
ちなみに、この問題はパリ補償会議と1953年のロンドンの負債協定によるナチスの戦争賠償の条件をもとに、ドイツは410億ドル以上を賠償したとして、この問題は終結しています。
こういった要求をしてくるギリシャに、欧州の人々のユーロ離脱を求める声がますます大きくなるのではないでしょうか。
そんななか、本日よりツィプラスギリシャ首相はロシアを訪問しています。IMFへの償還が約4億6000万ユーロ(598億円)を明日に控え、今夜の短期債の入札だけでは足りず、ロシアからの支援を得ようという可能性は高いそうです。
そんなこともあってか、ユーロドルは安定して推移しています。
ちなみに、先日ギリシャの副財務相は
「4月9日のIMFへの償還は、きちんと支払いをするので心配する必要ない。」と発言しています。
しかし、一部では「4月9日のIMFへの償還金については、それまでにギリシャは支援金の支払いがなければ償還は不可能になるのではないか。」という声もあります。
今さらではないですが、完全にギリシャの財政は火の車状態。借金の返済は、金利の高い国債の発行(借金)をして必死に補っている状況ですから、まさに雪だるま状態に増えていってしまいます。
しかも、たとえIMFへの返済を無事終えたとしても、14日はギリシャ短期債の満期日があります。この日に14億ユーロ(約1兆8,200億円)が満期を迎えますが、そのうち50%がギリシャ以外の海外の投資家が保有しているようです。このような状況ですのでおり、彼らはこれを借り換えしない可能性が非常に高いのですよね。つまり、借り換えをしてもらえないとギリシャ政府から7億ユーロの資金が無くなるということになります。
しかしタイミング良く?、翌日の15日には、ECB理事会とドラギ総裁の記者会見があります。ここで緊急資金枠を使ってギリシャへ支援する可能性があるのかもしれません。
過去の例でいうと、緊急支援が行われた後は一瞬ユーロが急騰した後、結局売られてしまい元の水準に戻ってきています。つまり、ユーロはFOMC後の高値である1.1050を越えてこない限り、跳ねたところは絶好の売り場といえそうです。
そして、来週前半あたりまでユーロドルの1.0800にはかなり大きなオプションがあるということから、かなり大きな動き長い限り大きな動きは見込めなさそうです。
チャートを見ると、1.1050でダブルトップを付けた後に1.08まで下落し、半値戻しである1.09近辺まで戻しにいっているようにみえます。
ちなみに、スイスのUBS銀行は、Grexit(ギリシャのユーロ離脱)の可能性を50~60%へ引き上げました。
ギリシャを取り巻くドタバタ劇は、まだまだ収束を向かえそうにありません。