トレンド加速中
安倍首相が明言しないまま、「増税延期・解散総選挙」報道から政局が急速に動き、マーケットもこれらを織り込み始めた動きとなってきた。来週、首相が正式に決断すると報じられているが、このままマーケットでの織り込みが先行して進めば、「増税延期・総選挙」発表の場合、一旦は「知ったら終い」で選挙待ちになる可能性にも注意したい。
「増税延期」は「株高」との声が「株式市場」からは聞こえるが、「為替市場」からは、黒田日銀が行ったダブルバズーガー砲のハシゴを外すもので、増税時の追加緩和期待後退との思惑から「円高」要因にもなり兼ねなず、「アベクロ結束の終わり」から「株安」に繋がるとの声も聞こえる。いずれにしても「異次元緩和」と言う未知の領域で行われているもので、「政治も一寸先は闇」と言われる中、選挙前に様子見ムードが高まっても、ジャブ付き相場の中で、年末に向けて選挙後は上下に荒いボラタイルな展開が継続しそうである。
テクニカル面からは、52週移動平均線との乖離率を見ると、足もとは11.5%。2013年7月の調整時は14.5%、2013年5月の調整時は20.4%。2008年の3月や12月の円高時には、-13.7%、-13.9%で反転・調整が入っている。トレンド加速で心理的節目120円~2007年6月の124円台が意識される動きだが、乖離率15%近辺からはオーバーシュートに対する調整にも注意したいと考える。