バリュー求める波が広がる【ヴェロシュのウォール街 Watch】
配信元:株探
投稿:2026/02/18 11:40
●2026年1月の米国株式市場の振り返り(2026年2月配信)
2026年1月、米国株式市場は超大型株の圧倒的な影響力から抜け出しました。S&P500指数 は1月にプラス1.5%とまずまずのトータルリターンを記録し、6939で月を終えましたが、米国株式市場の内部動向からは、前年からの大きな変化が示されました。超大型株の圧倒的な影響力に特徴付けられた2025年を経て、1月には市場参加者の裾野が大きく広がり、小型株や「オールドエコノミー」セクターが、過去数年間市場をけん引してきた巨大ハイテク企業を上回るパフォーマンスを上げました。
新年に入っても前年からの反転を示す最も顕著な動きとして、中型株、小型株に復活の動きが見られました。2025年は中型株、小型株ともに明確な出遅れ組で、S&P中型株400指数のトータルリターンはプラス7.5%、S&P小型株600指数はプラス6.0%にとどまり、S&P500指数のプラス17.9%を大きくアンダーパフォームしました。
1月には状況が一変しました。僅か1カ月でS&P小型株600指数はトータルリターンでプラス5.6%と急騰し、2025年通年にほぼ匹敵するリターンを上げました。S&P中型株400指数もプラス4.1%のリターンを記録した一方、超大型株の比重が高いS&P500トップ50指数のリターンは逆にマイナス0.5%となりました。こうしたローテーションは、2025年にトップ50指数をプラス20%のリターンに押し上げた「AI関連の尽きない楽観論」が、時価総額の規模を問わずバリューを求める広範な動きにとって代わられつつあることを示唆しています。
1月のセクター別パフォーマンスは、2025年とは真逆の展開となりました。昨年は情報技術(24.0%)とコミュニケーションサービス(33.6%)が文句なしの首位セクターでした。ところが1月は、巨大ハイテク企業の決算に対する反応が冴えなかったことを背景に、情報技術が1.7%下落しました。中でもマイクロソフトは、2025年第4四半期決算が同社のクラウド部門の成長鈍化を示す期待外れの内容となったことで、10%急落しました。
情報技術セクターの大幅な下落を受けて、S&P500指数のセクター別の月次パフォーマンスでは「オールドエコノミー」セクターが上位を占めました。エネルギーセクターの2025年のトータルリターンはプラス8.7%と控えめでしたが、1月は月間でプラス14.4%上昇と非常に力強い伸びを示しました。2025年に出遅れた素材も1月は8.7%上昇して2位となり、同じく昨年出遅れたセクター生活必需品(プラス3.9%)も1月にプラス7.7%と大きく上昇し、S&P500指数のセクター別のパフォーマンスで3位となりました。
2025年1月には、当社が報告するS&P500指数のファクターにもローテーションが見られました。2025年に26.7%上昇して上位パフォーマンスを記録したモメンタムは、1月には急激に失速しプラス0.5%にとどまりました。一方で、配当重視の戦略が力強く復活しました。ダウ・ジョーンズ米国セレクト配当指数は1月にプラス6.6%となり、2025年通年のプラス12.1%の半分超に相当するリターンを上げました。また、S&P500配当貴族指数はプラス6.1%となりリターンで2位となりました。
1月は米国以外の株式市場も好調でした。S&P先進国総合指数はプラス3.0%、S&P新興国総合指数もプラス5.5%となりました。先進国市場、新興国市場ともにパフォーマンスがトップとなった市場は25%を超えるリターンを上げ、韓国とペルーがそれぞれプラス27%とプラス26%と大きく上昇しました。主要市場のうち損失を出したのは一握りに限られ、アジアではインドネシアとインドの2カ国がそれぞれマイナス5%とマイナス6%となりました。
2月入るにあたり、米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長候補も既に発表されており、市場参加者の関心は足元の2025年第4四半期の決算発表シーズンに向かうと見られます。1月末時点でS&P500指数構成銘柄の約33%が決算を発表しており、利益が予想を上回った企業の割合は約75%と過去平均並みの良好な水準にあります。米国で決算発表が集中する2月を迎える中で、市場では、トップダウンの市場イベントの相対的な重要性が低下し、企業固有のニュースが今後1カ月の株価を動かす材料となることが期待されており、こうした見方はCboe S&P500 Dispersion Indexが12月末の29.5から35に5.5ポイント上昇したことにも表れています。
[執筆者]
ベネデック・ヴェロシュ
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
指数戦略部門
ディレクター
※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイト をご参照ください。
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