明日の株式相場に向けて=瀬を踏む市場、ボックス圏離脱なるか
きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比312円高の3万9958円と4日続伸。後場に入ってから買いが厚くなり、フシ目の4万円大台を回復する場面があったが大引けは押し返された。振り返って前日に600円超の急伸で3万9000円台後半まで一気に水準を切り上げたが、値上がり銘柄数は1000を若干上回る程度でプライム市場全体の6割強にとどまっていた。きょうも日経平均は高かったものの前引け時点で値上がり数は全体の3割にも届かなかった。後場はやや増加したとはいえ、値下がり銘柄の方がはるかに多い状況に変わりはない。相場全般は先物絡みのインデックス買いを交え大型株にやや偏った物色となっており、あまり気勢が上がるような雰囲気ではなかった。
直近発表された信用評価損益率(17日申し込み時点)はマイナス8.1%と小幅ながら2週連続で悪化している。そうした事情を映しているのがプライム市場の騰落レシオ(25日移動平均)で、前日の大引け時点で90.1%と100%を下回った水準だった。直近4営業日合計で日経平均が1500円以上も上昇しているとはいえ、体感温度的にはむしろ肌寒い状態にある。日経平均も4万円大台近辺では上値が重くなるのが常で、ここがボックス上限ラインというコンセンサスが浸透しているからか、過去の例でも瀬踏みを繰り返す傾向が強い。今回はトランプ効果によって4カ月にわたるボックス相場の“鋼鉄の上蓋(うわぶた)”を取っ払うチャンスともいえるのだが、果たしてどうなるか。
あす開示される日銀金融政策決定会合では0.25%の追加利上げを決める方向でマーケットは9割方織り込んでいる。前週末18日には大手メディアを通じて、日銀政策委員の過半が追加利上げを支持する見通しと報じられた。これはいわゆる日銀側が“アドバルーン”を上げた意味合いが強いのだが、週明けの東京市場は日経平均が451円高と大きく切り返した。この日の値動きは「追加利上げにネガティブサプライズの要素なし」との認識を担保するものであり、その後の売り方の手仕舞い・買い戻しを急がせる背景にもなったとみられる。ただし、今回の決定会合に対して市場の関心が希薄化しているとも言い切れない。
今回追加利上げを決定した場合の政策金利は0.5%であるが、次のステップ、つまり0.75%の政策金利がどういうタイミングで訪れるかということにマーケットの視線が集中している。おのずと展望リポートや会合後の植田日銀総裁の記者会見に耳目が集まる。現時点の市場関係者のコンセンサスとして25年末時点の政策金利は0.75%もしくは1%という見方がマジョリティだが、その場合、「(1月利上げを決めたとして)タイミング的に次の利上げは年央以降だろう」(生保系エコノミスト)という声が聞かれる。
モラトリアム期間が長く続けば、為替市場では再び円売りの仕掛けが入る可能性もあり、植田総裁も発言に気を使うことになる。物価などのデータがオントラックに推移すれば漸次利上げする準備はあるという程度の玉虫色の発言で濁した場合、これをハト派とみるのかタカ派と見るのかは、その後の相場に聞くよりないところだ。
株式市場は「トランプマジック」で夢を見ているようなところもあるが、仮に夢から覚める時が来るとしても、それはもうしばらく先になりそうだ。テーマ物色の動きも日替わりで続いている。きょうはディスコ<6146.T>が反落したのをはじめ半導体セクターは利食い優先の値動きだったが、ここ音無しの構えが続いていた三菱重工業<7011.T>が久々に急動意するなど、防衛関連株が買い直される展開となった。こうしたトランプ関連に位置付けられるセクターの循環物色の流れが続くとして、そのローテーションに入っている銘柄を、決め打ちすることなくバランスよく保有しておくのが中期戦略としては有効といえる。
あすのスケジュールでは、12月の全国消費者物価指数(CPI)が朝方取引前に開示されるほか、昼ごろに日銀金融政策決定会合の結果が判明する見通し。また、1月の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」も開示され、引け後に行われる植田和男日銀総裁の記者会見への関心が高い。このほか、午後に12月の全国百貨店売上高が発表される。海外では10~12月期台湾国内総生産(GDP)、1月の仏購買担当者景気指数(PMI)、1月の独PMI、1月のユーロ圏PMI、1月の英PMIのほか、米国では1月のPMI(S&Pグローバル調査・速報値)、12月の中古住宅販売件数、1月の消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)などが注目される。なお、台湾市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
直近発表された信用評価損益率(17日申し込み時点)はマイナス8.1%と小幅ながら2週連続で悪化している。そうした事情を映しているのがプライム市場の騰落レシオ(25日移動平均)で、前日の大引け時点で90.1%と100%を下回った水準だった。直近4営業日合計で日経平均が1500円以上も上昇しているとはいえ、体感温度的にはむしろ肌寒い状態にある。日経平均も4万円大台近辺では上値が重くなるのが常で、ここがボックス上限ラインというコンセンサスが浸透しているからか、過去の例でも瀬踏みを繰り返す傾向が強い。今回はトランプ効果によって4カ月にわたるボックス相場の“鋼鉄の上蓋(うわぶた)”を取っ払うチャンスともいえるのだが、果たしてどうなるか。
あす開示される日銀金融政策決定会合では0.25%の追加利上げを決める方向でマーケットは9割方織り込んでいる。前週末18日には大手メディアを通じて、日銀政策委員の過半が追加利上げを支持する見通しと報じられた。これはいわゆる日銀側が“アドバルーン”を上げた意味合いが強いのだが、週明けの東京市場は日経平均が451円高と大きく切り返した。この日の値動きは「追加利上げにネガティブサプライズの要素なし」との認識を担保するものであり、その後の売り方の手仕舞い・買い戻しを急がせる背景にもなったとみられる。ただし、今回の決定会合に対して市場の関心が希薄化しているとも言い切れない。
今回追加利上げを決定した場合の政策金利は0.5%であるが、次のステップ、つまり0.75%の政策金利がどういうタイミングで訪れるかということにマーケットの視線が集中している。おのずと展望リポートや会合後の植田日銀総裁の記者会見に耳目が集まる。現時点の市場関係者のコンセンサスとして25年末時点の政策金利は0.75%もしくは1%という見方がマジョリティだが、その場合、「(1月利上げを決めたとして)タイミング的に次の利上げは年央以降だろう」(生保系エコノミスト)という声が聞かれる。
モラトリアム期間が長く続けば、為替市場では再び円売りの仕掛けが入る可能性もあり、植田総裁も発言に気を使うことになる。物価などのデータがオントラックに推移すれば漸次利上げする準備はあるという程度の玉虫色の発言で濁した場合、これをハト派とみるのかタカ派と見るのかは、その後の相場に聞くよりないところだ。
株式市場は「トランプマジック」で夢を見ているようなところもあるが、仮に夢から覚める時が来るとしても、それはもうしばらく先になりそうだ。テーマ物色の動きも日替わりで続いている。きょうはディスコ<6146.T>が反落したのをはじめ半導体セクターは利食い優先の値動きだったが、ここ音無しの構えが続いていた三菱重工業<7011.T>が久々に急動意するなど、防衛関連株が買い直される展開となった。こうしたトランプ関連に位置付けられるセクターの循環物色の流れが続くとして、そのローテーションに入っている銘柄を、決め打ちすることなくバランスよく保有しておくのが中期戦略としては有効といえる。
あすのスケジュールでは、12月の全国消費者物価指数(CPI)が朝方取引前に開示されるほか、昼ごろに日銀金融政策決定会合の結果が判明する見通し。また、1月の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」も開示され、引け後に行われる植田和男日銀総裁の記者会見への関心が高い。このほか、午後に12月の全国百貨店売上高が発表される。海外では10~12月期台湾国内総生産(GDP)、1月の仏購買担当者景気指数(PMI)、1月の独PMI、1月のユーロ圏PMI、1月の英PMIのほか、米国では1月のPMI(S&Pグローバル調査・速報値)、12月の中古住宅販売件数、1月の消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)などが注目される。なお、台湾市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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