*15:34JST ファインデクス Research Memo(4):高い専門性や豊富な製品ラインナップが特長・強み
■ファインデックス<3649>の事業概要
2. 特長・強み
同社の特長・強みとしては、専門知識を持ったエンジニアとコンサルタントの集団であること、少数精鋭の組織による高利益率なビジネスモデルであること、高い専門性と汎用性を兼ね備えた製品ラインナップを有していることなどが挙げられる。同社の業員数は約300名(2024年12月期第3四半期末時点では取締役・派遣・パート・アルバイトを除いて307名、人員構成比はプログラマが25%、営業・SEが41%、カスタマーサービスが15%、管理部門が19%)と少数精鋭であり、従業員の過半数は、ハードウェアやシステム開発にとどまらず、医療に関しても豊富な知識を持つエンジニアである。セールスチームにおいても、専門知識を持つコンサルタントが医療関係者と直接やり取りを重ね、医療システムの提案・導入・フォローを行う。販売面では、各地域における販売代理店を活用することで高い利益率を維持している。また、医療機関が求めている情報インフラをワンストップで提供できる製品ラインナップに加えて、価格競争力の面でも競合優位性を維持している。例えば、医療機関が診療科ごとにシステムを導入する場合、同社の「Claio」を活用すれば「Claio」のインフラ機能を共有できるため、医療機関はトータル導入コストを抑制できるメリットがある。
注力ターゲットは大学病院及び大規模病院、導入数は増加基調
3. 販売戦略と収益特性
同社は医療ビジネスの販売戦略として、最大のリードユーザーである大学病院及び大規模病院を注力ターゲットとしている。これらについては同社が直接営業し、中小規模病院・診療所向けについては各地の販売代理店を活用している。2024年12月期第3四半期累計の代理店販売額は合計898百万円で、全社売上高に対する代理店販売比率は20.9%(医療ビジネスのソフトウェアが12.0%、ハードウェアが0.1%、サポートが8.4%、公共ビジネスのソフトウェアが0.3%)だった。医師は一般的に大学病院でキャリアをスタートした後、臨床医、研究医、開業医へシフトするが、大学病院で同社のシステムを利用して同社製品の利便性や信頼性の高さを体験することにより、臨床医、研究医、開業医へシフトした後も同社製品を導入する傾向がある。このため同社が積極的に営業活動を行わなくても、病院側からのシステム導入依頼が増加する。
大学病院をはじめとする大規模病院ではシステム調達規模が大きく、一般的に競争入札となるため大手Sierやメーカーとの共同入札となる。収益面で見ると、売上の主力は受注金額の大きい大規模病院向けだが、1年以上前から要件定義などに関する調整が必要になるほか、契約後の個別カスタマイズやデータ移行作業などで一時的費用が発生することもあり、個別案件によって利益率が変動しやすい傾向がある。これに対して販売代理店経由の場合は、大規模病院に比べて1件当たりの受注金額が小さく販売手数料も必要となるが、同社の直接の営業コストが抑制されるだけでなく、個別カスタマイズが不要なパッケージ販売が多いため、結果的に利益率が高くなる傾向がある。同社は今後、パッケージ販売を拡大して、さらなる利益率向上を目指す方針である。
一般的に医療システムはサーバやPCの耐用年数に合わせて5~7年サイクルで更新される。売上サイクルは、初期導入費用が大学病院・大規模病院では100百万円~200百万円、中小規模病院・診療所では20百万円~100百万円、導入後(5~6年)の保守・サポート料が大学病院・大規模病院では7百万円~15百万円/年、中小規模病院・診療所では1.5百万円~7百万円/年となる。さらに更新に合わせてアイテムを追加するといったクロスセル戦略によって売上拡大を推進している。大規模病院の1施設当たりパッケージ平均導入件数は、2018年12月期が4.04件だったが、2024年12月期第3四半期には4.63件まで増加している。
同社の医療システムユーザー数(売り切り製品を含まずに算出)は増加基調である。2024年12月期第3四半期末時点では2,078施設となり、2018年12月期末時点の1,558施設に対して33.4%増加した。ユーザー継続率はおおむね99%前後で推移している。また同社システムの導入率は最大のリードユーザーである全国国立大学病院で約75%、400床以上の大規模病院で約40%、その他の病院・診療所ユーザー数は1,500以上に達している。同社の競合優位性を示す数値と言える。なお全社ベースの売上高は大型案件によって変動する可能性があるが、ストック型収益となる保守・サポート売上は導入病院数の増加に伴って増加基調となっている。
同社の収益特性の一つとして季節要因がある。一般的に大規模病院はシステム導入・更新を行うにあたり、年末年始の休業など外来患者が少なく業務への支障が少ない時期を選ぶ傾向が強いため、同社の収益も第1四半期(1月~3月)及び第4四半期(10月~12月)に偏重している。四半期別売上高と営業利益については、2019年12月期第3四半期に消費増税に伴う前倒し導入という一時的要因があったが、これを除けばおおむね第1四半期と第4四半期に偏重している。このため四半期別業績については参考値として捉えておきたい。なお同社は2022年12月期より収益認識に関する会計基準等を適用し、大型案件について従来の完成基準から工事進行基準に変更しているため、今後は売上計上がやや平準化される可能性がある。
市場環境は良好で競合優位性も高い
4. リスク要因と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクト・品質不具合やシステム障害の発生、技術革新への対応遅れ、知的財産権、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。
同社を取り巻く市場動向としては、医療機関における医療DXや官公庁・地方自治体における行政DXの流れは今後ますます加速することが予想され、同社にとって市場環境は良好と弊社では考えている。また競合に関しても、同社は大規模病院を中心に高い市場シェアを獲得しており、高い専門性や豊富な製品ラインナップにより、弊社では競合優位性も高いと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2. 特長・強み
同社の特長・強みとしては、専門知識を持ったエンジニアとコンサルタントの集団であること、少数精鋭の組織による高利益率なビジネスモデルであること、高い専門性と汎用性を兼ね備えた製品ラインナップを有していることなどが挙げられる。同社の業員数は約300名(2024年12月期第3四半期末時点では取締役・派遣・パート・アルバイトを除いて307名、人員構成比はプログラマが25%、営業・SEが41%、カスタマーサービスが15%、管理部門が19%)と少数精鋭であり、従業員の過半数は、ハードウェアやシステム開発にとどまらず、医療に関しても豊富な知識を持つエンジニアである。セールスチームにおいても、専門知識を持つコンサルタントが医療関係者と直接やり取りを重ね、医療システムの提案・導入・フォローを行う。販売面では、各地域における販売代理店を活用することで高い利益率を維持している。また、医療機関が求めている情報インフラをワンストップで提供できる製品ラインナップに加えて、価格競争力の面でも競合優位性を維持している。例えば、医療機関が診療科ごとにシステムを導入する場合、同社の「Claio」を活用すれば「Claio」のインフラ機能を共有できるため、医療機関はトータル導入コストを抑制できるメリットがある。
注力ターゲットは大学病院及び大規模病院、導入数は増加基調
3. 販売戦略と収益特性
同社は医療ビジネスの販売戦略として、最大のリードユーザーである大学病院及び大規模病院を注力ターゲットとしている。これらについては同社が直接営業し、中小規模病院・診療所向けについては各地の販売代理店を活用している。2024年12月期第3四半期累計の代理店販売額は合計898百万円で、全社売上高に対する代理店販売比率は20.9%(医療ビジネスのソフトウェアが12.0%、ハードウェアが0.1%、サポートが8.4%、公共ビジネスのソフトウェアが0.3%)だった。医師は一般的に大学病院でキャリアをスタートした後、臨床医、研究医、開業医へシフトするが、大学病院で同社のシステムを利用して同社製品の利便性や信頼性の高さを体験することにより、臨床医、研究医、開業医へシフトした後も同社製品を導入する傾向がある。このため同社が積極的に営業活動を行わなくても、病院側からのシステム導入依頼が増加する。
大学病院をはじめとする大規模病院ではシステム調達規模が大きく、一般的に競争入札となるため大手Sierやメーカーとの共同入札となる。収益面で見ると、売上の主力は受注金額の大きい大規模病院向けだが、1年以上前から要件定義などに関する調整が必要になるほか、契約後の個別カスタマイズやデータ移行作業などで一時的費用が発生することもあり、個別案件によって利益率が変動しやすい傾向がある。これに対して販売代理店経由の場合は、大規模病院に比べて1件当たりの受注金額が小さく販売手数料も必要となるが、同社の直接の営業コストが抑制されるだけでなく、個別カスタマイズが不要なパッケージ販売が多いため、結果的に利益率が高くなる傾向がある。同社は今後、パッケージ販売を拡大して、さらなる利益率向上を目指す方針である。
一般的に医療システムはサーバやPCの耐用年数に合わせて5~7年サイクルで更新される。売上サイクルは、初期導入費用が大学病院・大規模病院では100百万円~200百万円、中小規模病院・診療所では20百万円~100百万円、導入後(5~6年)の保守・サポート料が大学病院・大規模病院では7百万円~15百万円/年、中小規模病院・診療所では1.5百万円~7百万円/年となる。さらに更新に合わせてアイテムを追加するといったクロスセル戦略によって売上拡大を推進している。大規模病院の1施設当たりパッケージ平均導入件数は、2018年12月期が4.04件だったが、2024年12月期第3四半期には4.63件まで増加している。
同社の医療システムユーザー数(売り切り製品を含まずに算出)は増加基調である。2024年12月期第3四半期末時点では2,078施設となり、2018年12月期末時点の1,558施設に対して33.4%増加した。ユーザー継続率はおおむね99%前後で推移している。また同社システムの導入率は最大のリードユーザーである全国国立大学病院で約75%、400床以上の大規模病院で約40%、その他の病院・診療所ユーザー数は1,500以上に達している。同社の競合優位性を示す数値と言える。なお全社ベースの売上高は大型案件によって変動する可能性があるが、ストック型収益となる保守・サポート売上は導入病院数の増加に伴って増加基調となっている。
同社の収益特性の一つとして季節要因がある。一般的に大規模病院はシステム導入・更新を行うにあたり、年末年始の休業など外来患者が少なく業務への支障が少ない時期を選ぶ傾向が強いため、同社の収益も第1四半期(1月~3月)及び第4四半期(10月~12月)に偏重している。四半期別売上高と営業利益については、2019年12月期第3四半期に消費増税に伴う前倒し導入という一時的要因があったが、これを除けばおおむね第1四半期と第4四半期に偏重している。このため四半期別業績については参考値として捉えておきたい。なお同社は2022年12月期より収益認識に関する会計基準等を適用し、大型案件について従来の完成基準から工事進行基準に変更しているため、今後は売上計上がやや平準化される可能性がある。
市場環境は良好で競合優位性も高い
4. リスク要因と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のIT・DX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクト・品質不具合やシステム障害の発生、技術革新への対応遅れ、知的財産権、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。
同社を取り巻く市場動向としては、医療機関における医療DXや官公庁・地方自治体における行政DXの流れは今後ますます加速することが予想され、同社にとって市場環境は良好と弊社では考えている。また競合に関しても、同社は大規模病院を中心に高い市場シェアを獲得しており、高い専門性や豊富な製品ラインナップにより、弊社では競合優位性も高いと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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