為替相場まとめ11月11日から11月15日の週
11日からの週は、ドル高が進行した。前週の米大統領選で勝利を収めたトランプ氏の政策が強く意識された。対外的には高関税、対内的には減税、拡張的な財政政策などがインフレ圧力を高めるとみられた。いわゆる「トランプトレード」が強まり、米債利回り上昇とともに為替市場ではドル高の動きが継続した。米株式市場では主要3指数がそろって最高値を更新する日もあった。米消費者物価、生産者物価などが発表され、いずれも低下傾向は一服している。パウエルFRB議長は講演で、「利下げを急ぐ必要性を示す経済状況ではなく、慎重に決断を下すことができる」「政策はより中立的な設定に移行している」と今後の利下げに慎重な姿勢を示した。トランプ政策の負の影響が大きいとみられる中国、メキシコ、タイなどの通貨が売られた。欧州でも特にドイツ経済への影響が懸念されている。独連銀総裁からはドイツのGDPが1%押し下げられる恐れがあると指摘された。ドル円は152円台から156円台に上昇。ユーロドルは1.07台から一時1.04台に、ポンドドルは1.29台から1.26台に下落。ドル全面高となった。クロス円は米株上昇などでやや円安に振れたが、ドル相場主導となるなかで、神経質に売買が交錯した。週末にはようやくドル高調整の動きが入った。加藤財務相が円安けん制発言を行った。また、来週月曜日には植田日銀総裁の経済懇談会および会見が予定されており、12月利上げに関するヒントが得られるのかどうかが話題となっていた。ドル円主導でのドル売りがみられた。
(11日)
東京市場は、円全面安。ドル円は、朝から米利下げ観測の後退などを背景にドル高・円安に振れ、前営業日終値から1円以上の円安水準となる153.67付近まで上昇した。9日にカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が米利下げ幅縮小の可能性に言及したことや、日経平均が午後に上げに転じたことも支えとなった。ただ、上げ一服後は153円台半ばまで押し戻されている。きょうは米国がベテランズデーの祝日で債券市場が休場となる。クロス円はドル円につれ高となり、ユーロ円は164.66付近まで、ポンド円は198.43付近まで上昇。ともに前日終値から1円以上の円安水準となった。ユーロドルは1.07台前半で揉み合い。前日終値を挟んで方向性の定まらない動きが続いた。
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。東京市場でドル円は152円台後半から153円台後半へと上昇した。円安圧力の面が強く、ユーロ円やポンド円などの上昇を伴っていた。しかし、ロンドン時間に入るとドル買いの動きが前面に押し出されている。1.07台前半で揉み合っていたユーロドルは1.06台半ばへと下落、5月初頭以来の安値水準となっている。ポンドドルはユーロほどではないが軟調に推移し、1.29台割れに沈んでいる。この日は米国がベテランズデー祝日のため米債券市場は休場となる。主要な経済指標の発表も予定されていない。材料難となるなかで、先週からのトランプトレードが継続しているようだ。また、最近の米経済指標結果が強含んでいることから米利下げ観測が後退、ドル高につながる面も指摘される。
NY市場では、トランプトレードが続いた。ドル買いが優勢となるなかで、ドル円は154円手前まで一時上昇した。先週は米大統領選でのトランプ氏が勝利したことで、トランプトレードであるドル買いが瞬間的に出ていたが、材料出尽くし感から、トランプ氏勝利を見込んで事前に積み上げていたドルロングの解消も出ていた。しかし、基本的にはトランプ政権誕生でドル高を見込む動きは根強く、週明けはドル買いが優勢となった。ユーロドルは下値を切り下げ、1.0630近辺まで一時下落。このところのユーロ圏の成長鈍化やインフレの進展で、ECBが従来想定している中立金利よりも低い水準まで低下する可能性が市場からも指摘されている。そのためFRBとの金融格差拡大が言われる中で、ユーロドルも上値を圧迫されているようだ。ポンドは対ドルでは下落し1.2865付近まで値を落としたものの、対ユーロでは一時2年半ぶりの高値水準まで上昇した。先週の英中銀の金融政策委員会(MPC)を受けて市場では、英中銀の利下げは小幅に留まるとの見方が続いておりポンドを支援している。英国がトランプ氏の下での迫り来る貿易戦争の前線にはならないかもしれないという事実もポンドを下支えしているようだ。
(12日)
東京市場では、米中関係リスク警戒が意識された。ドル円は利益確定売りで153.40近辺まで下落も、すぐに反発。トランプラリー再燃が強く意識される中、154.06近辺まで高値を伸ばした。しかし、トランプ次期政権が国務長官に対中強硬派の筆頭格として知られるルビオ上院議員を指名するとの見通しが報じられたことなどで、市場の警戒感が高まった。ドル円は153.41近辺まで下落した。ユーロ円は一時164円台乗せも163.25近辺まで下げた。ユーロドルも連れ安となり、1.0663から1.0632まで下げた。対中関係のリスクに反応しやすい豪ドルは対ドルで午前の0.6582近辺から午後に0.6547近辺まで下落。人民元安も進行している。
ロンドン市場は、ドル買いの流れが継続。東京市場ではトランプ次期米政権の人事が対中強硬派に傾いたことで警戒感が広がり、円買いの動きが中心となっていた。しかし、ロンドン時間に入ると米債利回りの上昇とともにドル買いの動きが前面に押し出されている。ドル円は東京午前の高値を上回る154.17近辺に高値を伸ばした。ユーロドルは1.06台前半、ポンドドルは1.28台割れまで一時下落した。ポンド相場にとっては英ILO失業率が4.3%と前回の4.0%から上昇したことが売りを誘う面もあった。ただ、その後はポンドドルが下げ渋ったのに対して、ユーロドルは引き続き軟調となっている。ユーロにとっては独ZEW景況感指数が7.4と前回の13.1から大きく低下したことや、ドイツ政局の混迷などの悪材料も指摘される。この日は欧州株や米株先物・時間外取引がマイナス圏で推移しており、前日の米主要3株価指数が最高値を更新した後で調整が入っている。トランプ政策の負の面もでてきているが、引き続き根強いドル高圧力が観測されている。
NY市場では、ドル買いが強まった。ドル円は一気に155円を試す展開も見られた。本日も為替市場はトランプトレードが続いており、休日明けの米国債利回りも上昇する中、ドル円は一気に上値を駆け上がった。200日線の上をしっかりと維持し、9月中旬からのリバウンド相場を堅持。目先は155円を突破し、155-160円のゾーンにレベルシフトできるか注目される。FRBの利下げ期待が後退していこともドルを後押し。12月FOMCについて短期金融市場では米大統領選前の80%程度から足元では65%程度の確率で利下げを見込んでいる。ユーロドルは一時1.06ドルを割り込む場面が見られた。4月につけた年初来安値を更新している。先週の米大統領選の結果を受けてストラテジストからは、ユーロの見通しの下方修正が相次いでいる。ユーロドルの新たな見解としてパリティ(1.00ドル)に向かって下落するとの声も出始めている状況。ポンドドルも一時1.27台前半まで下げ幅を拡大。ただ、英中銀は先週の金融政策委員会(MPC)で早期の追加利下げに慎重姿勢も垣間見せ、市場では12月は据え置きとの見方が広がっている。
(13日)
東京市場では、ドル高の流れが継続。ドル円は昨日の海外市場で155円を付けられなかったことで、朝方は154.50近くまで反落も。トランプ次期大統領が国家安全保障担当補佐官に起用を予定しているウォルツ下院議員が「トランプ新政権は敵国と対峙することを恐れない」とタカ派発言を行ったことや、国防長官にFOXのキャスターであるヘグセス氏の起用を発表したことなどがリスク警戒につながる面もあった。しかし、すぐにドル買い優勢に転じた。155円の大台を超えて155.14近辺まで買われた。ユーロ円は164円台前半推移から164.60前後まで上昇。ドル円の上昇が支えとなった。ユーロドルは1.06台割れを試す動き。ポンドドルは1.2730付近と上値重く推移。
ロンドン市場は、ドル買いが先行もその動きは続かず。全般に日本時間午後10時30分発表の米消費者物価指数の結果待ちとなっている。ドル円はロンドン朝方に155円台に乗せると、高値を155.24近辺に伸ばした。しかし、米債利回りが低下すると買いは一服。154円台後半から155円付近での揉み合いとなっている。ユーロドルもドル買いが先行して1.0594近辺まで下落して年初来安値を更新したが、その後は1.0644近辺まで反発している。ポンドドルは1.2730-1.2759の狭いレンジで推移している。クロス円はやや円安方向に動いている。ユーロ円は164.74近辺、ポンド円は197.72近辺に高値を伸ばす場面があった。英欧からは根強いインフレ圧力やトランプ政策に対する不透明感などを指摘する論調がみられた。仏中銀総裁、マン英中銀委員からは根強いインフレへの警戒感が示された。独連銀総裁は、トランプ氏の関税計画はドイツ経済にとってGDPの1%のコスト、と指摘。独経済省からは、トランプ大統領がドイツの輸出品に関税をかけることは、警戒すべき大きなリスクとの意見が示された。
NY市場では、ドル買いが再燃。 米消費者物価指数(CPI)が概ね予想通りの内容となったことで、市場では12月FOMCでの利下げ期待が再点灯している。米CPI発表直後は為替市場もドル売りの反応を見せ、ドル円は154円台半ばに一時下落。ただ、トランプトレードによるドル高は根強い。ドル円は動きが一巡すると直ぐに切り返し、逆に上値追いを加速させ、一時155.60円付近まで上昇。7月以来の高値水準に上昇した。一部からは「すぐにも日本の財務省が口先介入に動き始め、市場を神経質にさせても驚きではない」との声も出ている。ただし、ユーロ円やポンド円はドル円ほどの上昇は見せておらず、円独歩安といった雰囲気まではない。ユーロドルは1.05台半ばまで下値を切り下げ、年初来安値を更新。トランプ次期大統領が目指す政策によるインフレ再燃とユーロ圏経済への懸念が根強い中、ユーロドルは依然として下げ止まりの気配を見せない。ポンドドルは一時1.26台まで下値を切り下げた。前日に割り込んだ200日線を、本日は下放れる展開を見せ、更に下値を試しそうな気配も出ている。
(14日)
東京市場で、ドルが全面高。ドル円は156.14付近まで上昇し、7月23日以来およそ4カ月ぶりの高値を更新している。ドル円以外のドルストレートもドル高に振れ、ユーロドルは昨年11月以来1年ぶりの安値水準となる1.0535付近まで、ポンドドルは8月以来3か月ぶりの安値水準となる1.2673付近まで下落した。クロス円はやや円売り優勢。ユーロ円は164.67付近まで、ポンド円は198円台目前まで上昇したあと、高止まりした。。米国では、共和党が大統領と上下両院を支配する「トリプルレッド」が確実となった。これを受けて、トランプ次期米大統領の掲げる減税や関税引き上げなどの政策が実現しやすくなるとの見方が広がり、インフレ再燃の思惑からドル全面高となった。米10年債利回りは、7月以来の高水準となる4.48%台まで一時上昇した。
ロンドン市場では、ドル高が進行。ドル円は東京市場で156円台乗せとなったあと、ロンドン序盤にかけて155.50台まで反落。しかし、その後再び買われて高値を156.24近辺に伸ばしている。この時間帯はユーロやポンドに売り圧力が広がっている。ユーロドルは1.05台半ばから一時1.0497近辺まで下値を広げた。ポンドドルも1.27手前水準から1.2630付近まで下押しされている。トランプトレードによるドル買いが定着しているようだ。加えて、欧州通貨安の面も指摘される。ユーロ円は164円台半ばから一時163円台後半へと下落。ポンド円も197円台後半から197.10付近まで下落した。昨日はナーゲル独連銀総裁がトランプ政策でドイツのGDPが1%押し下げられる恐れと述べた。きょうはデギンドスECB副総裁が、インフレ率が目標に向けて低下、金融政策も12月や来年1月以降もそれに応じて調整されるとの見方を示している。また、最近のニュースはインフレに関しては良いが、経済指標はそれほど良くないとしている。
NY市場では、終盤にかけてドル高が再燃した。取引終盤にかけてパウエルFRB議長の講演が伝わり、ドル高の反応を強めている。議長は「利下げを急ぐ必要性を示す経済状況ではなく、慎重に決断を下すことができる」と述べた。また、「政策はより中立的な設定に移行している」とも語った。これを受けて市場は12月利下げの期待を再び後退させており、OIS市場では利下げの確率が50%を割り込んだほか、CMEのフェドウォッチでも60%程度まで利下げの確率が低下。ドル円は155円台後半に調整されていたが、発言後は156円台を回復している。ユーロドルは一時1.05ドルを割り込んだ後、NY時間に入って1.05台後半へと買い戻しが出ていたが、パウエル議長の講演を受けて再び1.05台前半に下落。市場はECBが12月に25bpの利下げを実施すると見込んでいるが、徐々に大幅利下げ観測も増えつつあるようだ。ポンドドルも1.27台に買い戻されていたものの、再び1.26台半ばに下落した。タカ派で知られるマン英中銀委員は「待つことはインフレリスクを認識するための時間」と利下げに慎重な姿勢を堅持していた。
(15日)
東京市場では、ドル高が一服。ドル円は東京午前に前日高値156.42近辺を上回ると高値を156.75近辺まで伸ばした。ただ、加藤財務相の発言を受けた介入警戒感などもあって上昇一服。同財務相は、行き過ぎた動きには適切な対応を取る、投機的な動き含め極めて高い緊張感を持って為替を注視などの発言を行っていた。日本時間午後3時台には156円手前水準まで安値を広げる動きに。ユーロ円は165円台では売りが入り、ロンドン勢の参加を前に164円台後半で推移している。ユーロドルは1.05台前半で底堅く推移。日本時間午後3時台には米債利回り低下に反応して、1.0560付近に上昇している。
ロンドン市場では、ドル売りが優勢。トランプ相場のドル買いの動きに、週末を控えた調整が入っている。ドル指数は6営業日ぶりの低下となっている。ドル円の下げが目立っており、156円台割れから155円台前半へと反落している。米債利回り低下に加えて、ドル円にとっては加藤財務官の円安けん制発言や、来週月曜日の植田日銀総裁の経済懇談会および会見を控えて12月利上げ示唆への思惑もでていた。したがって円買いの面も強く、クロス円は下落している。ユーロ円は164円台後半から前半へ、ポンド円は198円台前半から196円台半ばへと下落。円相場とは対照的にポンドが軟調。ロンドン朝方に発表された英月次GDPが予想外のマイナス成長となったことに反応した。総じてドル売り優勢となるなかで、ポンドドルは1.26台後半から半ばへと一時下落。その後も日中の高値水準を更新できていない。対ユーロではポンド売りが続いている。ユーロドルは堅調で、1.05台前半から後半へと上昇。
NY市場でドル円は一時153円台まで急落。東京時間の高値156.75から3円近く下落する場面が見られた。欧州通貨が下落し、クロス円が下落する中、ドル自体は上昇していたものの、それ以上に円高圧力がドル円を圧迫した模様。きょうの日本のGDPを受けて12月の日銀の利上げ観測が再び高まっていることも円買いに繋がった可能性もありそうだ。実質賃金は依然マイナスではあるものの、GDPでは個人消費の底堅さが示されていた。
(11日)
東京市場は、円全面安。ドル円は、朝から米利下げ観測の後退などを背景にドル高・円安に振れ、前営業日終値から1円以上の円安水準となる153.67付近まで上昇した。9日にカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が米利下げ幅縮小の可能性に言及したことや、日経平均が午後に上げに転じたことも支えとなった。ただ、上げ一服後は153円台半ばまで押し戻されている。きょうは米国がベテランズデーの祝日で債券市場が休場となる。クロス円はドル円につれ高となり、ユーロ円は164.66付近まで、ポンド円は198.43付近まで上昇。ともに前日終値から1円以上の円安水準となった。ユーロドルは1.07台前半で揉み合い。前日終値を挟んで方向性の定まらない動きが続いた。
ロンドン市場は、ドル買いが優勢。東京市場でドル円は152円台後半から153円台後半へと上昇した。円安圧力の面が強く、ユーロ円やポンド円などの上昇を伴っていた。しかし、ロンドン時間に入るとドル買いの動きが前面に押し出されている。1.07台前半で揉み合っていたユーロドルは1.06台半ばへと下落、5月初頭以来の安値水準となっている。ポンドドルはユーロほどではないが軟調に推移し、1.29台割れに沈んでいる。この日は米国がベテランズデー祝日のため米債券市場は休場となる。主要な経済指標の発表も予定されていない。材料難となるなかで、先週からのトランプトレードが継続しているようだ。また、最近の米経済指標結果が強含んでいることから米利下げ観測が後退、ドル高につながる面も指摘される。
NY市場では、トランプトレードが続いた。ドル買いが優勢となるなかで、ドル円は154円手前まで一時上昇した。先週は米大統領選でのトランプ氏が勝利したことで、トランプトレードであるドル買いが瞬間的に出ていたが、材料出尽くし感から、トランプ氏勝利を見込んで事前に積み上げていたドルロングの解消も出ていた。しかし、基本的にはトランプ政権誕生でドル高を見込む動きは根強く、週明けはドル買いが優勢となった。ユーロドルは下値を切り下げ、1.0630近辺まで一時下落。このところのユーロ圏の成長鈍化やインフレの進展で、ECBが従来想定している中立金利よりも低い水準まで低下する可能性が市場からも指摘されている。そのためFRBとの金融格差拡大が言われる中で、ユーロドルも上値を圧迫されているようだ。ポンドは対ドルでは下落し1.2865付近まで値を落としたものの、対ユーロでは一時2年半ぶりの高値水準まで上昇した。先週の英中銀の金融政策委員会(MPC)を受けて市場では、英中銀の利下げは小幅に留まるとの見方が続いておりポンドを支援している。英国がトランプ氏の下での迫り来る貿易戦争の前線にはならないかもしれないという事実もポンドを下支えしているようだ。
(12日)
東京市場では、米中関係リスク警戒が意識された。ドル円は利益確定売りで153.40近辺まで下落も、すぐに反発。トランプラリー再燃が強く意識される中、154.06近辺まで高値を伸ばした。しかし、トランプ次期政権が国務長官に対中強硬派の筆頭格として知られるルビオ上院議員を指名するとの見通しが報じられたことなどで、市場の警戒感が高まった。ドル円は153.41近辺まで下落した。ユーロ円は一時164円台乗せも163.25近辺まで下げた。ユーロドルも連れ安となり、1.0663から1.0632まで下げた。対中関係のリスクに反応しやすい豪ドルは対ドルで午前の0.6582近辺から午後に0.6547近辺まで下落。人民元安も進行している。
ロンドン市場は、ドル買いの流れが継続。東京市場ではトランプ次期米政権の人事が対中強硬派に傾いたことで警戒感が広がり、円買いの動きが中心となっていた。しかし、ロンドン時間に入ると米債利回りの上昇とともにドル買いの動きが前面に押し出されている。ドル円は東京午前の高値を上回る154.17近辺に高値を伸ばした。ユーロドルは1.06台前半、ポンドドルは1.28台割れまで一時下落した。ポンド相場にとっては英ILO失業率が4.3%と前回の4.0%から上昇したことが売りを誘う面もあった。ただ、その後はポンドドルが下げ渋ったのに対して、ユーロドルは引き続き軟調となっている。ユーロにとっては独ZEW景況感指数が7.4と前回の13.1から大きく低下したことや、ドイツ政局の混迷などの悪材料も指摘される。この日は欧州株や米株先物・時間外取引がマイナス圏で推移しており、前日の米主要3株価指数が最高値を更新した後で調整が入っている。トランプ政策の負の面もでてきているが、引き続き根強いドル高圧力が観測されている。
NY市場では、ドル買いが強まった。ドル円は一気に155円を試す展開も見られた。本日も為替市場はトランプトレードが続いており、休日明けの米国債利回りも上昇する中、ドル円は一気に上値を駆け上がった。200日線の上をしっかりと維持し、9月中旬からのリバウンド相場を堅持。目先は155円を突破し、155-160円のゾーンにレベルシフトできるか注目される。FRBの利下げ期待が後退していこともドルを後押し。12月FOMCについて短期金融市場では米大統領選前の80%程度から足元では65%程度の確率で利下げを見込んでいる。ユーロドルは一時1.06ドルを割り込む場面が見られた。4月につけた年初来安値を更新している。先週の米大統領選の結果を受けてストラテジストからは、ユーロの見通しの下方修正が相次いでいる。ユーロドルの新たな見解としてパリティ(1.00ドル)に向かって下落するとの声も出始めている状況。ポンドドルも一時1.27台前半まで下げ幅を拡大。ただ、英中銀は先週の金融政策委員会(MPC)で早期の追加利下げに慎重姿勢も垣間見せ、市場では12月は据え置きとの見方が広がっている。
(13日)
東京市場では、ドル高の流れが継続。ドル円は昨日の海外市場で155円を付けられなかったことで、朝方は154.50近くまで反落も。トランプ次期大統領が国家安全保障担当補佐官に起用を予定しているウォルツ下院議員が「トランプ新政権は敵国と対峙することを恐れない」とタカ派発言を行ったことや、国防長官にFOXのキャスターであるヘグセス氏の起用を発表したことなどがリスク警戒につながる面もあった。しかし、すぐにドル買い優勢に転じた。155円の大台を超えて155.14近辺まで買われた。ユーロ円は164円台前半推移から164.60前後まで上昇。ドル円の上昇が支えとなった。ユーロドルは1.06台割れを試す動き。ポンドドルは1.2730付近と上値重く推移。
ロンドン市場は、ドル買いが先行もその動きは続かず。全般に日本時間午後10時30分発表の米消費者物価指数の結果待ちとなっている。ドル円はロンドン朝方に155円台に乗せると、高値を155.24近辺に伸ばした。しかし、米債利回りが低下すると買いは一服。154円台後半から155円付近での揉み合いとなっている。ユーロドルもドル買いが先行して1.0594近辺まで下落して年初来安値を更新したが、その後は1.0644近辺まで反発している。ポンドドルは1.2730-1.2759の狭いレンジで推移している。クロス円はやや円安方向に動いている。ユーロ円は164.74近辺、ポンド円は197.72近辺に高値を伸ばす場面があった。英欧からは根強いインフレ圧力やトランプ政策に対する不透明感などを指摘する論調がみられた。仏中銀総裁、マン英中銀委員からは根強いインフレへの警戒感が示された。独連銀総裁は、トランプ氏の関税計画はドイツ経済にとってGDPの1%のコスト、と指摘。独経済省からは、トランプ大統領がドイツの輸出品に関税をかけることは、警戒すべき大きなリスクとの意見が示された。
NY市場では、ドル買いが再燃。 米消費者物価指数(CPI)が概ね予想通りの内容となったことで、市場では12月FOMCでの利下げ期待が再点灯している。米CPI発表直後は為替市場もドル売りの反応を見せ、ドル円は154円台半ばに一時下落。ただ、トランプトレードによるドル高は根強い。ドル円は動きが一巡すると直ぐに切り返し、逆に上値追いを加速させ、一時155.60円付近まで上昇。7月以来の高値水準に上昇した。一部からは「すぐにも日本の財務省が口先介入に動き始め、市場を神経質にさせても驚きではない」との声も出ている。ただし、ユーロ円やポンド円はドル円ほどの上昇は見せておらず、円独歩安といった雰囲気まではない。ユーロドルは1.05台半ばまで下値を切り下げ、年初来安値を更新。トランプ次期大統領が目指す政策によるインフレ再燃とユーロ圏経済への懸念が根強い中、ユーロドルは依然として下げ止まりの気配を見せない。ポンドドルは一時1.26台まで下値を切り下げた。前日に割り込んだ200日線を、本日は下放れる展開を見せ、更に下値を試しそうな気配も出ている。
(14日)
東京市場で、ドルが全面高。ドル円は156.14付近まで上昇し、7月23日以来およそ4カ月ぶりの高値を更新している。ドル円以外のドルストレートもドル高に振れ、ユーロドルは昨年11月以来1年ぶりの安値水準となる1.0535付近まで、ポンドドルは8月以来3か月ぶりの安値水準となる1.2673付近まで下落した。クロス円はやや円売り優勢。ユーロ円は164.67付近まで、ポンド円は198円台目前まで上昇したあと、高止まりした。。米国では、共和党が大統領と上下両院を支配する「トリプルレッド」が確実となった。これを受けて、トランプ次期米大統領の掲げる減税や関税引き上げなどの政策が実現しやすくなるとの見方が広がり、インフレ再燃の思惑からドル全面高となった。米10年債利回りは、7月以来の高水準となる4.48%台まで一時上昇した。
ロンドン市場では、ドル高が進行。ドル円は東京市場で156円台乗せとなったあと、ロンドン序盤にかけて155.50台まで反落。しかし、その後再び買われて高値を156.24近辺に伸ばしている。この時間帯はユーロやポンドに売り圧力が広がっている。ユーロドルは1.05台半ばから一時1.0497近辺まで下値を広げた。ポンドドルも1.27手前水準から1.2630付近まで下押しされている。トランプトレードによるドル買いが定着しているようだ。加えて、欧州通貨安の面も指摘される。ユーロ円は164円台半ばから一時163円台後半へと下落。ポンド円も197円台後半から197.10付近まで下落した。昨日はナーゲル独連銀総裁がトランプ政策でドイツのGDPが1%押し下げられる恐れと述べた。きょうはデギンドスECB副総裁が、インフレ率が目標に向けて低下、金融政策も12月や来年1月以降もそれに応じて調整されるとの見方を示している。また、最近のニュースはインフレに関しては良いが、経済指標はそれほど良くないとしている。
NY市場では、終盤にかけてドル高が再燃した。取引終盤にかけてパウエルFRB議長の講演が伝わり、ドル高の反応を強めている。議長は「利下げを急ぐ必要性を示す経済状況ではなく、慎重に決断を下すことができる」と述べた。また、「政策はより中立的な設定に移行している」とも語った。これを受けて市場は12月利下げの期待を再び後退させており、OIS市場では利下げの確率が50%を割り込んだほか、CMEのフェドウォッチでも60%程度まで利下げの確率が低下。ドル円は155円台後半に調整されていたが、発言後は156円台を回復している。ユーロドルは一時1.05ドルを割り込んだ後、NY時間に入って1.05台後半へと買い戻しが出ていたが、パウエル議長の講演を受けて再び1.05台前半に下落。市場はECBが12月に25bpの利下げを実施すると見込んでいるが、徐々に大幅利下げ観測も増えつつあるようだ。ポンドドルも1.27台に買い戻されていたものの、再び1.26台半ばに下落した。タカ派で知られるマン英中銀委員は「待つことはインフレリスクを認識するための時間」と利下げに慎重な姿勢を堅持していた。
(15日)
東京市場では、ドル高が一服。ドル円は東京午前に前日高値156.42近辺を上回ると高値を156.75近辺まで伸ばした。ただ、加藤財務相の発言を受けた介入警戒感などもあって上昇一服。同財務相は、行き過ぎた動きには適切な対応を取る、投機的な動き含め極めて高い緊張感を持って為替を注視などの発言を行っていた。日本時間午後3時台には156円手前水準まで安値を広げる動きに。ユーロ円は165円台では売りが入り、ロンドン勢の参加を前に164円台後半で推移している。ユーロドルは1.05台前半で底堅く推移。日本時間午後3時台には米債利回り低下に反応して、1.0560付近に上昇している。
ロンドン市場では、ドル売りが優勢。トランプ相場のドル買いの動きに、週末を控えた調整が入っている。ドル指数は6営業日ぶりの低下となっている。ドル円の下げが目立っており、156円台割れから155円台前半へと反落している。米債利回り低下に加えて、ドル円にとっては加藤財務官の円安けん制発言や、来週月曜日の植田日銀総裁の経済懇談会および会見を控えて12月利上げ示唆への思惑もでていた。したがって円買いの面も強く、クロス円は下落している。ユーロ円は164円台後半から前半へ、ポンド円は198円台前半から196円台半ばへと下落。円相場とは対照的にポンドが軟調。ロンドン朝方に発表された英月次GDPが予想外のマイナス成長となったことに反応した。総じてドル売り優勢となるなかで、ポンドドルは1.26台後半から半ばへと一時下落。その後も日中の高値水準を更新できていない。対ユーロではポンド売りが続いている。ユーロドルは堅調で、1.05台前半から後半へと上昇。
NY市場でドル円は一時153円台まで急落。東京時間の高値156.75から3円近く下落する場面が見られた。欧州通貨が下落し、クロス円が下落する中、ドル自体は上昇していたものの、それ以上に円高圧力がドル円を圧迫した模様。きょうの日本のGDPを受けて12月の日銀の利上げ観測が再び高まっていることも円買いに繋がった可能性もありそうだ。実質賃金は依然マイナスではあるものの、GDPでは個人消費の底堅さが示されていた。
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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