明日の株式相場に向けて=10月相場も半導体狂騒曲は続く
きょう(26日)の東京株式市場は日経平均株価が前営業日比1055円高の3万8925円と急反発。引け際、吸い込まれるように高値引けとなった。値上がり銘柄数は1580とプライム市場の96%を占有し、マーケットはまさにリスクオン一色に染まった。
自民党総裁選の投開票をあすに控えるなか、しかも直前になっても誰が総裁の座を射止めるのか予想がつかないという状況にかかわらず、日経平均は待ちきれないように上値を突き進む展開となっている。きょうは9月の権利付き最終売買日にあたり、駆け込みでの配当権利取り絡みの買いが全体を支える、というのが一つの相場セオリーとなっている。だが、そんな特殊事情など眼中にないといわんばかりの怒涛の買いが押し寄せた。日経平均は3万8000円台前半を横に走る中期波動の分水嶺・75日移動平均線の上に綺麗に陽線を乗せてきた。この75日線は日経平均の戻りの難所で、累積売買代金が最も積み上がっている水準とも合致している。したがってここを完全クリアすると相場の視界が一変し、投資マインドも「乗り遅れてはならない」というムードに切り替わる。
総裁選は高市早苗経済安全保障担当相の勝利がマーケット目線では渇望されている。それを読み切っているということなのか。仮にそうであれば、相場の先見性恐るべしというよりないが、冷静にみて石破茂元幹事長が選出される可能性も十分にある。また、政策討論では失速を余儀なくされたとみられる小泉進次郎元環境相も、国会議員からの人気度は依然として高く、決選投票に残れば逆転できるポジションにある。
各人が看板とする政策テーマがあり、誰が総裁の座につくかで相場の物色対象も変わるため、見切り発車でのテーマ買い参戦はリスクも大きい。ただ、誰であってもネガティブにならない鉄板セクターもある。それが、防衛関連と半導体関連である。これらは次期政権でも間違いなく国策の要衝を担う。防衛大臣の経歴がある石破氏はもとより、高市氏も国家の主権と名誉を守り抜くという決意のもと、中国を意識したうえで日本の防衛力強化は是が非でも必要という姿勢を示す。防衛のシンボルストックである三菱重工業<7011.T>が大商いを伴って鮮烈な上値追いをみせているのは、総裁選の結果によって色褪せるテーマではないということを投資マネーが見越している証左だ。また、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>などもリアル防衛関連として同じ背景で買われている。
では、半導体はどうか。TSMCの日本誘致、日の丸半導体ラピダスの最先端半導体量産準備などをはじめ、米国をバックとした半導体政策はもはや立ち止まることはできない勢いで動き出している。そして、今回の半導体復権相場で最も強い光を放っているのがアドバンテスト<6857.T>だ。これまでの半導体大相場で、売買代金首位はレーザーテック<6920.T>の指定席ともなってきたが、株価パフォーマンスでは主役がかなり入れ替わっている。直近では7月までディスコ<6146.T>が筆頭人気だった。アドテストはどちらかというと地味な値動きで上値の重い印象だったが今回は違う。同社株は中長期で7000円大台ラインが強力な抵抗ラインとなっているが、ここを上抜くかどうかという場面にある。仮に、この難所をブレークすれば2月につけた上場来高値7456円の奪回を指呼の間に捉える。他の半導体主力株と比べれば波動の違いは瞭然であり指標株としてマークしたい。
このほか半導体周辺株でまだ見落とされている銘柄としては、半導体向けレーザーで高技術を持つオキサイド<6521.T>、半導体加工で重要な役割を担うダイヤモンド工具大手の旭ダイヤモンド工業<6140.T>、名古屋地盤の半導体商社の萩原電気ホールディングス<7467.T>、半導体実装用テープなど半導体材料で実績の高い巴川コーポレーション<3878.T>。そして、メーカー機能と商社機能を併せ持つ、東京エレクトロン<8035.T>のミニチュア版のような技術立社ダイトロン<7609.T>も面白いポジションにいる。
あすのスケジュールでは、9月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の景気動向指数改定値など。また、午後1時から自民党総裁選の投開票が行われ、マーケットの視線が集中する。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にAiロボティクス<247A.T>が新規上場する。海外では1~8月期の中国工業企業利益が開示。そして米国では8月の個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターに市場の注目度が高い。このほか、9月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)も発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
自民党総裁選の投開票をあすに控えるなか、しかも直前になっても誰が総裁の座を射止めるのか予想がつかないという状況にかかわらず、日経平均は待ちきれないように上値を突き進む展開となっている。きょうは9月の権利付き最終売買日にあたり、駆け込みでの配当権利取り絡みの買いが全体を支える、というのが一つの相場セオリーとなっている。だが、そんな特殊事情など眼中にないといわんばかりの怒涛の買いが押し寄せた。日経平均は3万8000円台前半を横に走る中期波動の分水嶺・75日移動平均線の上に綺麗に陽線を乗せてきた。この75日線は日経平均の戻りの難所で、累積売買代金が最も積み上がっている水準とも合致している。したがってここを完全クリアすると相場の視界が一変し、投資マインドも「乗り遅れてはならない」というムードに切り替わる。
総裁選は高市早苗経済安全保障担当相の勝利がマーケット目線では渇望されている。それを読み切っているということなのか。仮にそうであれば、相場の先見性恐るべしというよりないが、冷静にみて石破茂元幹事長が選出される可能性も十分にある。また、政策討論では失速を余儀なくされたとみられる小泉進次郎元環境相も、国会議員からの人気度は依然として高く、決選投票に残れば逆転できるポジションにある。
各人が看板とする政策テーマがあり、誰が総裁の座につくかで相場の物色対象も変わるため、見切り発車でのテーマ買い参戦はリスクも大きい。ただ、誰であってもネガティブにならない鉄板セクターもある。それが、防衛関連と半導体関連である。これらは次期政権でも間違いなく国策の要衝を担う。防衛大臣の経歴がある石破氏はもとより、高市氏も国家の主権と名誉を守り抜くという決意のもと、中国を意識したうえで日本の防衛力強化は是が非でも必要という姿勢を示す。防衛のシンボルストックである三菱重工業<7011.T>が大商いを伴って鮮烈な上値追いをみせているのは、総裁選の結果によって色褪せるテーマではないということを投資マネーが見越している証左だ。また、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>などもリアル防衛関連として同じ背景で買われている。
では、半導体はどうか。TSMCの日本誘致、日の丸半導体ラピダスの最先端半導体量産準備などをはじめ、米国をバックとした半導体政策はもはや立ち止まることはできない勢いで動き出している。そして、今回の半導体復権相場で最も強い光を放っているのがアドバンテスト<6857.T>だ。これまでの半導体大相場で、売買代金首位はレーザーテック<6920.T>の指定席ともなってきたが、株価パフォーマンスでは主役がかなり入れ替わっている。直近では7月までディスコ<6146.T>が筆頭人気だった。アドテストはどちらかというと地味な値動きで上値の重い印象だったが今回は違う。同社株は中長期で7000円大台ラインが強力な抵抗ラインとなっているが、ここを上抜くかどうかという場面にある。仮に、この難所をブレークすれば2月につけた上場来高値7456円の奪回を指呼の間に捉える。他の半導体主力株と比べれば波動の違いは瞭然であり指標株としてマークしたい。
このほか半導体周辺株でまだ見落とされている銘柄としては、半導体向けレーザーで高技術を持つオキサイド<6521.T>、半導体加工で重要な役割を担うダイヤモンド工具大手の旭ダイヤモンド工業<6140.T>、名古屋地盤の半導体商社の萩原電気ホールディングス<7467.T>、半導体実装用テープなど半導体材料で実績の高い巴川コーポレーション<3878.T>。そして、メーカー機能と商社機能を併せ持つ、東京エレクトロン<8035.T>のミニチュア版のような技術立社ダイトロン<7609.T>も面白いポジションにいる。
あすのスケジュールでは、9月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の景気動向指数改定値など。また、午後1時から自民党総裁選の投開票が行われ、マーケットの視線が集中する。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にAiロボティクス<247A.T>が新規上場する。海外では1~8月期の中国工業企業利益が開示。そして米国では8月の個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターに市場の注目度が高い。このほか、9月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)も発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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