今週のポイント
今週の豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは、23日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演内容に影響を受けそうです。講演で9月の米FOMCのおける0.50%の利下げ観測が後退する場合、米ドルが全般的に堅調に推移して、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは下値を試す展開が想定されます。
米ドル/カナダドルについては、20日発表のカナダの7月CPI(消費者物価指数)も材料になりそうです。カナダCPIの結果を受けてBOC(カナダ中銀)の利下げ観測が強まるかどうか注目されます。
南アフリカの7月CPIが21日に、メキシコの8月前半CPIが23日に発表されます。それぞれのCPIの結果に南アフリカランドやメキシコペソが反応しそうです。
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20日にTCMB(トルコ中銀)の政策委会合が開かれます。トルコの7月CPI(消費者物価指数)は前年比61.78%と、依然として高水準ではあるものの、6月の71.60%から上昇率が鈍化しました。政策金利は現行の50.00%に据え置かれそうです。
TCMBの声明にも注目です。前回7月23日の会合時の声明では、「インフレリスクに引き続き細心の注意を払う」、「月次のインフレ(率)の基調的なトレンドが大幅かつ持続的に低下するまで、金融引き締めスタンスを維持する」、「インフレの大幅かつ持続的な悪化が見込まれる場合には、金融政策を(さらに)引き締める」などと、タカ派的な姿勢が示されました。今回もタカ派的な姿勢に大きな変化はなさそうです。その場合、トルコリラに大きな反応はみられないかもしれません。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09000NZドル~1.11500NZドル>
RBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)の金融政策スタンスには明確な差があります。
RBAは8月5-6日の政策会合で政策金利を4.35%に据え置きました。ブロックRBA総裁は会合後の会見で、「インフレ率が目標レンジに戻るまでに時間がかかりすぎるリスクは依然としてあり、(政策)金利はより長く高水準にとどまる必要がある」と指摘。「必要なら利上げを行う用意がある」とも述べました。
RBNZは14日の政策会合で0.25%利下げすることを決定。政策金利を5.50%から5.25%へと引き下げました。会合の議事要旨は、「“追加緩和のペース”は、企業の価格設定行動が引き続き低インフレ環境と整合的であり、インフレ期待が2%近辺で安定しているという政策委員会の確信に左右される」とし、追加利下げを示唆。四半期に一度公表されるRBNZの金融政策報告では、政策金利は24年10-12月期に四半期平均4.92%、25年10-12月期に同3.85%になるとの見通しが示されました。
RBAとRBNZの金融政策面からみれば、豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わりやすいと考えられます。23日発表のNZの4-6月期小売売上高が軟調な結果になれば、RBNZの追加利下げ観測が一段と強まるとともに、豪ドル/NZドルは1.11432NZドル(7/30高値)に向かって上昇する可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.35000カナダドル~1.39000カナダドル>
今週の米ドル/カナダドルは、カナダの7月CPI(消費者物価指数。20日)や米FOMC議事録(21日)、パウエル米FRB議長の講演(23日)が材料になりそうです。
BOCは6月と7月の2会合連続で利下げを実施しました(8月は政策会合なし)。7月の会合後の会見でマックレムBOC総裁は「インフレ率がおおむね(BOCの)想定通りに鈍化し続ければ、政策金利のさらなる引き下げを予想するのが妥当だ」と述べました。BOCは次回9月4日会合で3会合連続の利下げを行うと市場は予想しています。利下げ幅については6月と7月と同じく0.25%になるとの見方が大勢ですが、7月CPIが弱い結果になれば、利下げ幅は0.50%になるとの観測が浮上する可能性があります。
市場ではFRBは9月のFOMCで0.25%の利下げを行うとの見方が有力なものの、0.50%の利下げ観測もあります。
BOCの0.50%の利下げ観測が浮上し、かつパウエル議長の講演やFOMC議事録でFRBの0.50%の利下げ観測が後退する場合、米ドル/カナダドルは上値を試す展開になりそうです。
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