タペストリー、予想上回る決算に安心感 カプリの買収を改めて表明＝米国株個別

（NY時間14:30）（日本時間03:30）
タペストリー＜TPR＞　39.63（+1.67　+4.40%）

　アパレルのタペストリー＜TPR＞が上昇。取引開始前に４－６月期決算（第４四半期）を発表し、１株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、通期のガイダンスは予想を下回る見通しを示している。消費マインドの低迷とインフレ懸念が続いていたにもかかわらず、予想を上回ったことに安心感が広がったようだ。第４四半期は中国と米国市場の軟化が高級ブランドを悩ませている時であった。

　コーチブランドは他の多くのハイエンドブランドと同様に、パンデミック中に高い需要とインフレの中、価格を引き上げた。販売ペースが落ち始めたときに同社がその利益を諦めるのではないかと心配していたが、代わりにハンドバッグやその他のアクセサリーの平均販売価格を上げ続け、収益性を改善している。

　同社はまた、ライバルのカプリ＜CPRI＞の買収を改めて表明。米連邦取引委員会（ＦＴＣ）は４月に買収の阻止に向け提訴し、裁判が９月に行われる予定。カプリは７年連続の減収を報告したことで、同社が８５億ドルの買収提案を再考するかどうか疑問の声が上がっていた。

　クレヴォワゼラットＣＥＯは「年内に買収を完了するよう努力する」と述べた。同ＣＥＯはカプリの業績不振は残念だが、買収は財務的に理に適ったものであることを確信しているとも語った。ローＣＦＯも「カプリは百貨店依存のブランドを減らしており、それは長期的にブランドの健全性にとって良いことだ」と語った。

（４－６月・第４四半期）
・１株利益（調整後）：0.92ドル（予想：0.88ドル）
・売上高：15.9億ドル（予想：15.7億ドル）
・在庫：8.25億ドル（予想：8.78億ドル）

（通期見通し）
・１株利益（調整後）：4.45～4.50ドル（予想：4.51ドル）
・売上高：約67億ドル（予想：70億ドル）

【企業概要】
　米国内外で、Coach・Kate Spadeを含む、ハイエンドなアクセサリー・アパレル・ライフスタイルブランドを展開する。バッグ・財布・カードケースのような革製品のほか、フットウェア・既製服・アクセサリー・フレグランス・サングラスなどの商品を各ブランドの店舗・オンラインで販売する。

MINKABU PRESS編集部　野沢卓美