Pウォーター Research Memo(1):2024年3月期通期は自社物流網構築などが奏功し営業利益率初の10%超え

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最新投稿日時:2024/08/14 14:51 - 「Pウォーター Research Memo(1):2024年3月期通期は自社物流網構築などが奏功し営業利益率初の10%超え」(フィスコ)

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Pウォーター Research Memo(1):2024年3月期通期は自社物流網構築などが奏功し営業利益率初の10%超え

配信元:フィスコ
投稿:2024/08/14 14:51
*14:51JST Pウォーター Research Memo(1):2024年3月期通期は自社物流網構築などが奏功し営業利益率初の10%超え ■要約

プレミアムウォーターホールディングス<2588>は、ウォーターサーバーを設置した家庭や事業所に自社製造のミネラルウォーターを届ける宅配水業界の大手企業である。2016年に、天然水製造が強みの(株)ウォーターダイレクトと営業力が強みの(株)エフエルシーが経営統合して誕生した。ブランドを「プレミアムウォーター」に統一して再スタートを切って以降、強力な営業組織と販売ノウハウを武器に急成長する。保有顧客数162万件(2024年3月末時点)は宅配水業界で首位となっている。代表取締役社長は、金本彰彦(かねもとあきひこ)氏(2024年6月19日就任)。金本氏の代表取締役社長就任に伴い、エフエルシーを起業しプロモーション営業力で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ代表取締役社長の萩尾陽平(はぎおようへい)氏は、代表取締役会長に就任し、新たなスタートを切った。

1. 業績動向
2024年3月期通期の売上収益は80,578百万円(前期比5.4%増)、営業利益9,436百万円(同28.4%増)、税引前当期利益8,028百万円(同25.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益5,777百万円(同4.6%減)となり、売上収益・営業利益ともに順調に成長した。

売上収益は、期中にモバイル事業を行う連結子会社を売却し約43億円の減収要因があったものの、本業の水事業が伸長し全社で約41億円の増収となった。売上総利益は、売上原価において原材料や資源の価格の高騰の圧力もあったものの、工場稼働率を向上させ原価低減に努めたことで前期比3.4%増となった。販管費(その他費用と収益を含む)は、物流費の安定化につながる自社物流網※の構築等による各種費用の低減を行い、同0.2%増と相対的に上昇を抑えた。結果として、営業利益額で2016年7月企業統合以降の過去最高を更新した。営業利益率は11.7%となり、初めて10%の大台に乗せた。

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2. 業績見通し
2025年3月期通期の連結業績予想は、売上収益で前期比4.4%減の77,000百万円、営業利益は同2.8%増の9,700百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同18.7%減の4,700百万円と減収・営業増益を予想する。売上収益は同4.4%減の予想ではあるが、前期に売却したモバイル事業(売上規模43億円)の影響が残るためであり、本業の水事業自体は順調な成長を計画する。進行期においても新規顧客の獲得を継続しつつ、既存顧客の満足度を維持・向上策を強化する。また、前期までに取組んだM&A・資本業務提携(INEST<7111>ラストワンマイル<9252>へ資本参加)による代理販売体制の強化の成果が進行期には顕在化することが期待できる。利益面では、売上高営業利益率では12.6%(前期実績は11.7%)とさらに上昇させる。一般的な懸念材料である原材料費や物流費等の上昇に関しては、自社工場への投資や容器の内製化、自社物流網の構築などを先行して行ってきたため、むしろ強みとなっている。弊社では、営業面(取次店との連携強化など)、製造面(岐阜北方工場)、物流面(自社物流)の先行投資の成果を刈り取ることができる局面を迎えており、売上・利益の拡大予想は妥当性が高いと考えている。

3. 成長戦略・トピック
同社は過去から、自社の営業人員を中心にブースでのデモンストレーション販売やテレマーケティングを行い、顧客を獲得してきた。その後、テレマーケティングにおいては代理店・取次店を活用することで新規顧客数を伸ばしてきた経緯がある。電気・ガス、通信、家電、家具、引っ越しなど多様な商品・サービスの営業販売を行うパートナーは、独自の顧客を持つため、宅配水の顧客獲得をしやすい傾向にある。2024年3月期に発表した、新たな戦略方針では、「販売力強化に向けた投資」をより積極化することを宣言した。具体策としては「他企業とのアライアンス・出資」及び「新型ウォーターサーバーの導入」である。これまでと同様に自社人員によるブース販売やテレマーケティングは着実に充実させつつ、外部を活用した新規顧客獲得モデルで飛躍的に伸ばしていく。背景には、過去の利益蓄積により財務基盤が強化されたこと、外部活用モデルは顧客当たりの獲得コストが有利であること、保有顧客数が大きくなり純増(新規数‐解約数)を継続するために効率的な新規獲得方法が求められること、などが考えられる。他社との連携の方法としては、業務提携や出資・買収など多様なパターンを想定する。2023年3月期と2024年3月期には3件のアライアンス・投資が行われ、そのうち2件(ラストワンマイル、INEST)は新規顧客開拓の強化が期待できる。

4. 株主還元策
同社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識している。2016年の経営統合から5年を順調に経過したため、同社は2022年3月期末から配当を開始した。同社は、内部留保や設備投資等への投資とのバランスを考慮しながら、安定的な増配を継続することを基本方針としている。2024年3月期の1株当たり配当金は80.0円(中間35.0円、期末45.0円)、配当性向は41.0%となった。前期実績からは年20.0円の増配、期初の計画からは年10.0円の上方修正となった。2025年3月期の配当金は90.0円(中間45.0円済、期末45.0円予想)、配当性向は57.0%と増配を予想する。利益の成長とともに、高い配当性向が魅力である。

■Key Points
・2024年3月期通期は、過去最高売上高及び営業利益を達成。自社物流網の構築や工場稼働率向上、代理店活用などが奏功し営業利益率で初の10%超え
・収益性が向上し財務基盤の強化が進む。親会社所有者帰属持分比率は中期的に30%を目指す
・2025年3月期通期は売上収益77,000百万円、営業利益9,700百万円予想。営業・製造・物流面の先行投資が結実し、営業利益率で12.7%に到達する計画
・「自社営業モデル」から「グループ・外部営業活用モデル」に軸足を移す戦略を推進中
・2025年3月期は年90.0円(10.0円増配)、配当性向57.0%を予想。利益の成長とともに、高い配当性向が魅力

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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配信元: フィスコ

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