ドル円は上に往って来いの展開 予想上回る米小売売上高も利下げ期待は変わらず=NY為替概況

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最新投稿日時:2024/07/17 05:50 - 「ドル円は上に往って来いの展開 予想上回る米小売売上高も利下げ期待は変わらず=NY為替概況」(みんかぶ(FX/為替))

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ドル円は上に往って来いの展開 予想上回る米小売売上高も利下げ期待は変わらず=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2024/07/17 05:50
ドル円は上に往って来いの展開 予想上回る米小売売上高も利下げ期待は変わらず=NY為替概況

 きょうのNY為替市場でドル円は上に往って来いの展開が見られた。序盤はドル買いが優勢となり、ドル円も158円台後半まで買い戻されていた。朝方発表の6月の米小売売上高が予想を上回る内容だったことや輸入物価指数も予想を上回ったことから、為替市場はドル買いで反応している。

 しかし、後半になって序盤の上げを取り戻す展開が見られた。ドル円も158円台後半から前半に値を落とす展開。市場はFRBの利下げ期待に変化はないと見ている模様。「全体的に消費支出の鈍化傾向は安定化している一方、輸入インフレが依然として関連要因であることが示唆されている。とはいえ、今回の発表には9月利下げ観測を覆すような材料はない」とのコメントも聞かれた。

 ドル円も今週に入って買戻しが膨らんでいるが、先週の財務省による介入観測で、以前のような円売りは仕掛けにくくなっているほか、先週のインフレ指標を通過して、市場はFRBの利下げ期待を高めており、短期的にはドル自体の上値は限定的と見られている。

 この日はクーグラーFRB理事の発言が伝わっていたが、「雇用の責務がより重要な意味を持つようになった。データは急速に弱まる可能性があるため、非常に注視している」と、これまでのインフレから雇用に軸足を移している姿勢も垣間見せていた。利下げを正当化するようなハト派な発言ではある。

 ユーロドルは序盤に戻り売りに押され、1.08ドル台に再び値を落としていたが、1.09ドルちょうど付近に戻す展開。ただ、1.10ドルの心理的節目を前に1.09ドル台での上値抵抗は根強いようだ。

 今週は18日木曜日にECB理事会が開催され、ユーロにとっては最重要イベントとなる。しかし、今回は据え置きが確実視されており、市場は9月利下げのヒントが何か出るか注目している。一部からはECBが今週の理事会で次のステップを事前にコミットする可能性は低いが、9月の利下げが基本路線であることを示唆する可能性が高く、そのことが市場の価格決定をサポートするはずだとの見方が出ている。

 ラガルドECB総裁はディスインフレの進展に自信を深めており、そのため弱めのデータサプライズに注目とのメッセージを伝えると予想しているという。短期金融市場では9月に利下げが行われる確率を85%で見ている。

 ポンドドルも上に往って来いの展開。重要な心理的節目の1.30ドルを目前に地団太を踏む展開となっているが、試す動きに変化はない。その意味では明日の6月の英消費者物価指数(CPI)を受けての反応は注目される。予想ではインフレの鈍化がさらに進むと期待されており、総合指数は目標の2%を下回る可能性も見込まれている。ただし、コアインフレや特に4月、5月ともに予想外の上昇となったサービスインフレは鈍化が予想されているものの、高水準での推移が見込まれている状況。

 市場は英中銀の8月利下げの可能性を視野に入れているが、直近の英中銀委員からのタカ派なコメントや、先週の5月の英月次GDPが予想を上回ったこともあり、情勢は五分五分といった状況ではある。今回のCPIが何らかの方向性を決めてくれるか注目される。

 なお、今後を展望すると英CPIは総合インフレは恐らく10月まで2%近辺で推移し、その後はエネルギー料金の上昇に伴い再加速する可能性が高いとも言われている。それでも、英中銀は利下げを思い留まることはないと見ているようだ。年内は11月にもう一段の引き下げを予想している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

配信元: みんかぶ(FX/為替)

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