*13:25JST 前澤給装 Research Memo(5):2025年3月期は価格転嫁を継続し、前期比4.6%営業増益予想
■前澤給装工業<6485>の今後の見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高32,000百万円(前期比0.0%減)、営業利益2,580百万円(同4.6%増)、経常利益2,730百万円(同5.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,780百万円(同5.9%増)の予想とした。
住宅需要は低下し、2024年度の新設住宅着工戸数は80万戸割れを想定し、景気動向の不透明感から今後も不安定な状況が続く懸念があるとしている。また銅価格が高止まりしており、コスト高の懸念もある。このような状況下で同社は、コスト上昇による収益低下に歯止めをかけるため、2024年4月出荷分より全製品を対象にコロナ禍以降の第3次値上げ(給水装置製品15%以上(一部製品を除く)、建築設備製品12%以上、暖房製品15%以上)を実施した。引き続き数量効果が得られない想定であるものの、価格転嫁を継続し、確実に浸透させることで増益を確保する計画となっている。
2025年3月期は、2022年5月に策定した「中期経営計画2024」の最終年度にあたる。同計画では、1) 事業ポートフォリオ・マネジメントの推進、2) サステナビリティ経営の実現、3) 利益還元の強化、を基本方針とし、数値目標として2025年3月期に売上高305億円、営業利益26億円、営業利益率8.5%、ROE5%以上を掲げた。2023年3月期より売上高・営業利益は目標を上回る推移であるものの、2025年3月期は売上高が目標超過、営業利益がほぼ目標値となる計画だ。
セグメント別売上高予想は、給水装置事業が17,430百万円(前期比2.5%増)、住宅・建築設備事業が12,290百万円(同0.5%減)、商品販売事業が2,280百万円(同14.0%減)の予想としている。新設住宅着工戸数が弱含みで推移するなか、給水装置事業は主要原材料の銅価格が高止まりしていることから価格転嫁を実施し、収益を確保する。住宅・建築設備事業は需要を確実に捕捉する。また、業務効率化を図るべく、2024年4月より、同社子会社であるQSOインダストリアル(株)の給水・給湯等関連業務(工事関連業務を除く)を同社に移管している。
現状、円安の長期化、銅価格の高止まり、住宅需要の低下など先行きは不透明だ。このうち新設住宅着工戸数は、足元の2024年4月は前年同月比13.9%増となったものの中心は貸家であり、持家は同3.9%減と減少が続いている。このため、3次値上げの浸透と、更なる業務の効率化が計画達成の鍵となるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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2025年3月期の連結業績は、売上高32,000百万円(前期比0.0%減)、営業利益2,580百万円(同4.6%増)、経常利益2,730百万円(同5.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,780百万円(同5.9%増)の予想とした。
住宅需要は低下し、2024年度の新設住宅着工戸数は80万戸割れを想定し、景気動向の不透明感から今後も不安定な状況が続く懸念があるとしている。また銅価格が高止まりしており、コスト高の懸念もある。このような状況下で同社は、コスト上昇による収益低下に歯止めをかけるため、2024年4月出荷分より全製品を対象にコロナ禍以降の第3次値上げ(給水装置製品15%以上(一部製品を除く)、建築設備製品12%以上、暖房製品15%以上)を実施した。引き続き数量効果が得られない想定であるものの、価格転嫁を継続し、確実に浸透させることで増益を確保する計画となっている。
2025年3月期は、2022年5月に策定した「中期経営計画2024」の最終年度にあたる。同計画では、1) 事業ポートフォリオ・マネジメントの推進、2) サステナビリティ経営の実現、3) 利益還元の強化、を基本方針とし、数値目標として2025年3月期に売上高305億円、営業利益26億円、営業利益率8.5%、ROE5%以上を掲げた。2023年3月期より売上高・営業利益は目標を上回る推移であるものの、2025年3月期は売上高が目標超過、営業利益がほぼ目標値となる計画だ。
セグメント別売上高予想は、給水装置事業が17,430百万円(前期比2.5%増)、住宅・建築設備事業が12,290百万円(同0.5%減)、商品販売事業が2,280百万円(同14.0%減)の予想としている。新設住宅着工戸数が弱含みで推移するなか、給水装置事業は主要原材料の銅価格が高止まりしていることから価格転嫁を実施し、収益を確保する。住宅・建築設備事業は需要を確実に捕捉する。また、業務効率化を図るべく、2024年4月より、同社子会社であるQSOインダストリアル(株)の給水・給湯等関連業務(工事関連業務を除く)を同社に移管している。
現状、円安の長期化、銅価格の高止まり、住宅需要の低下など先行きは不透明だ。このうち新設住宅着工戸数は、足元の2024年4月は前年同月比13.9%増となったものの中心は貸家であり、持家は同3.9%減と減少が続いている。このため、3次値上げの浸透と、更なる業務の効率化が計画達成の鍵となるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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