三栄コーポ Research Memo(1):2024年3月期は減収も、トラベル関連商品の需要増や収益力強化等で大幅増益

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最新投稿日時:2024/07/02 16:11 - 「三栄コーポ Research Memo(1):2024年3月期は減収も、トラベル関連商品の需要増や収益力強化等で大幅増益」(フィスコ)

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三栄コーポ Research Memo(1):2024年3月期は減収も、トラベル関連商品の需要増や収益力強化等で大幅増益

配信元:フィスコ
投稿:2024/07/02 16:11
*16:11JST 三栄コーポ Research Memo(1):2024年3月期は減収も、トラベル関連商品の需要増や収益力強化等で大幅増益 ■要約

三栄コーポレーション<8119>は76年の歴史を持ち、高付加価値品を主に取り扱う多機能な商社である。生活用品全般を扱い、製造・輸出入・卸・小売までのサプライチェーンを幅広く手掛ける。海外には17ヶ所の拠点、国内直営小売店35店舗を持つ。欧州ブランドの日本導入や、良品計画<7453>に代表される商品OEM供給など、付加価値の高い商品を取り扱う点で個性が明確である。売上高比率はOEM事業が約7割、ブランド事業が約3割である。事業セグメント別では家具家庭用品事業(2024年3月期売上比47.2%)、服飾雑貨事業(同38.3%)、家電事業(同10.0%)の3事業が柱である。

1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高が36,688百万円(前期比5.1%減)、営業利益が1,163百万円(同388.7%増)、経常利益が1,248百万円(同382.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が538百万円(前期は158百万円の損失)と、減収となったものの各利益ともに大幅な増益となった。売上高に関しては、服飾雑貨事業が増収となったが、家具家庭用品事業が減収となった。服飾雑貨事業では、右肩上がりのインバウンド需要の回復を背景に、外出・トラベル関連商材の需要が伸長したのに加え、サステナブル商材も寄与した。一方で家具家庭用品事業では、巣ごもり需要の剥落に加え、海外拠点において欧州や中国での景気低迷の影響もあり減収となった。営業利益では、各セグメントでの収益力の強化、構造改革、生産効率の改善、販管費の抑制などの成果により大幅増益を達成した。親会社株主に帰属する当期純利益は、構造改革の一環での子会社の整理損や減損損失などが発生したことにより特別損失を計上したものの、4期ぶりの黒字となった。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比6.3%増の39,000百万円、営業利益が同27.0%減の850百万円、経常利益が同27.9%減の900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.4%減の450百万円と、増収減益を見込んでいる。2025年3月期は新中期経営戦略「SANYEI 2025」の2年目であり、最終年度の経常利益20億円の達成に向けての足場固めの1年と位置付け成長投資を積極化する。売上面では、家具家庭用品事業と服飾雑貨事業の増収が大きく貢献する予想である。家具家庭用品事業では、EC事業の拡大や新規取引先からの受注等による増収が期待される。服飾雑貨事業では、外出やインバウンド需要の好調は継続することが見込まれ、環境関連商材の拡大も期待できる。利益面では、家具家庭用品事業では増益が見込まれるものの、服飾雑貨事業で(株)ベネクシーのセレクトショップ業態への展開・事業再編に時間と投資がかかることや、円安基調の継続や物流コストの上昇等により減益を見込む。弊社では、過去の構造改革・事業再編が進捗し、稼ぐ力が向上しており、進行期は“攻め”の投資による前向きな減益と捉えている。中期経営計画2年目の戦略課題として、ネット販売の成長、環境商材の成長などに注目したい。

3. 成長戦略
中期経営戦略「SANYEI 2025」の最終年度(2026年3月期)の定量目標は経常利益20億円であり、初年度はその目標に向けて順調に増益を果たす結果となった。“守り”の重点施策である「事業ポートフォリオの見直し(低採算事業の整理促進)」に関しては、(株)ゼリックコーポレーションの本社への吸収合併や、(株)エッセンコーポレーションの解散・事業承継などの成果が出ている。進行期は「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」専門店の契約終了に伴うセレクトショップ強化が課題となる。“攻め”の重点施策では、「海外売上高の拡充」は欧州・中国の景気低迷の影響もあり伸び悩んだものの、「EC事業の拡大」と「サステナブルビジネスの推進」に関しては、いずれも商品ラインナップが充実し、成長に向けたマーケティングの基盤が整備されてきており、進捗が順調である。

期待のブランドとして、足の健康を科学した米国発のフットウェアブランド「OrthoFeet(オーソフィート)」がある。2023年12月に子会社ベネクシーは、米Orthofeet, Inc.と日本国内独占輸入販売契約を締結し販売を開始した。主力商品は、立ったまま屈まずに履けるハンズフリー機能と独自開発のインソールやフィッティングをカスタマイズできるパーツの同梱など足病学に基づく設計により、履く時も履いた後もストレスフリーな感触が得られるスニーカーである。高度な足の生体力学に配慮されているため、本国米国では、足の繊細な悩みを抱える層や医師や立ち仕事に携わる層から高い支持を得ている。さっそく日本においても、主力商品のKITA/YARIが「FOOT HEALTH AWARDS 2024(be foot Lab.が主催する足や歩行に関する優れた商品・サービスを広く募集し、足の専門家やオピニオンリーダーが審査・表彰するイベント)」の美容/健康部門で最優秀賞を受賞した。

4. 株主還元策
同社では、2024年5月に剰余金の配当等の決定に関する方針を改定した。新方針では、企業理念である「随縁の思想」の下、同社と縁を紡ぐ株主への適切な利益還元を経営の重要課題の1つと位置付ける。配当に関しては、中間配当及び期末配当の年2回を基本とし、配当性向30~50%を目途に実施する。現状は利益創出に手応えが得られており、新方針により配当性向の上昇の可能性が出てきたことで、増配ペースが上がることが期待できる。2024年3月期の配当金は、年間配当80円(中間10円、期末70円、前期から60円増配)となり期初予想の年20円から大幅な上方修正となった。配当性向35.4%である。2025年3月期の配当金は、年間配当80円(中間40円、期末40円、前期と同じ)、配当性向41.5%を予想する。

■Key Points
・2024年3月期は大幅な利益増。トラベル関連商品の需要増や構造改革により服飾雑貨事業が利益貢献
・2025年3月期は売上高390億円、経常利益9億円を見込み、利益拡大に向け成長投資を積極化
・中期経営計画では2026年3月期に経常利益20億円を目指す。自社セレクトショップ強化、EC拡大、サステナブル商材拡大など成長戦略の加速がカギ
・新配当方針では配当性向を30~50%目途に改定。利益成長と配当性向上昇により増配ベースが上がる期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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配信元: フィスコ

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