[資源・新興国通貨6/10~14のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドルはさらに下値を試すか!?

\ あなたにピッタリの銘柄がみつかる /

みんかぶプレミアムを無料体験!

プランをみる

最新投稿日時:2024/06/10 12:37 - 「[資源・新興国通貨6/10~14のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドルはさらに下値を試すか!?」(八代和也)

お知らせ

読み込みに失敗しました。

しばらくしてからもう一度お試しください。

重要なお知らせ すべて見る

[資源・新興国通貨6/10~14のポイント&注目通貨] 豪ドル/NZドルはさらに下値を試すか!?

著者:八代和也
投稿:2024/06/10 12:37

今週のポイント

今週の豪ドル/米ドルやNZドル/米ドル、米ドル/カナダドルは米FOMCの結果に大きく影響を受けそうです。FOMCによってFRBの利下げ観測が後退すれば、米ドルが全般的に堅調に推移して、豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルには下押し圧力が、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わりやすくなると考えられます。

豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円は、日銀金融政策決定会合の結果に反応しそうです。日銀による早期の利上げ観測が後退する場合、クロス円は上値を試す展開になる可能性があります。

6月2日のメキシコの議会選挙の結果を受け、メキシコペソが下落しています。メキシコペソ/円は7日に一時8.461円へと下落して、4月19日以来およそ1カ月半ぶりの安値をつけました。メキシコの議会選挙で与党連合が大勝したことで憲法改正(電力の再国有化など)が進められるとの懸念が市場で強まっており、それがメキシコペソに対する下押し圧力となっています。メキシコ政治への懸念が後退しなければ、メキシコペソは引き続き軟調な展開になりそうです。

5月29日に行われた南アフリカの総選挙では、与党のANC(アフリカ民族会議)が定数400議席のうち159議席を獲得しました。ANCは引き続き第1党となったものの、前回19年選挙の230議席から大幅に減らし、1994年に民主化されてから初めて過半数を割り込みました。

ANC党首のラマポーザ大統領は6月6日の会見で、他の政党と交渉して連立政権の早期樹立を目指す意向を表明しました。連立交渉が難航して南アフリカ政治の先行き不透明感が続く場合、南アフリカランドには下押し圧力が加わりやすいと考えられます。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07000NZドル~1.08500NZドル>

豪ドル/NZドルは5月上旬から下落傾向にあり、6月5日には一時1.07268NZドルへと下落して3月15日以来の安値をつけました。足もとの豪ドル/NZドル下落の主な要因として、RBA(豪中銀)の利上げ観測が後退した(※1)ことや、RBNZ(NZ中銀)の利下げ観測が後退した(※2)ことが挙げられます。

(※1)5月6-7日のRBAの政策会合時の声明では、金融政策の先行きについて「何も決定しておらず、何も排除していない」と改めて表明されました。“RBAは利上げバイアスを復活させるのでは?”との見方が市場にはありましたが、3月の会合の時と同じでした。市場ではRBAの利上げ観測が後退しました。

(※2)RBNZは5月22日に公表した金融政策報告で、政策金利の見通しを2月時点から全般的に上方修正。政策金利のピーク水準の見通しを5.60%から5.65%へと引き上げました。また、政策金利見通しが示唆する利下げ開始時期(現行の5.50%を下回る時期)は、「25年前半」から「25年後半」へと後ズレしました。市場ではRBNZの利下げ観測が後退しました。

市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、RBAは政策金利を年内据え置くとの見方が、RBNZは11月に利下げを行うとの見方が有力です。

今週は13日に豪州の5月雇用統計が発表されます。それが市場予想よりも弱い結果になれば、“RBAの次の一手は利下げになる”との見方が強まる可能性があります。その場合には豪ドルが軟調に推移して、豪ドル/NZドルはさらに下値を試す展開になりそうです。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.36000カナダドル~1.39000カナダドル>

BOC(カナダ中銀)は5日の政策会合で0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を5.00%から4.75%へと引き下げました。BOCが利下げしたのは20年3月以来、4年3カ月ぶりです。

マックレムBOC総裁は会合後の会見で「インフレ率が引き続き鈍化し、インフレ率が持続的に2%の目標に向かうとの確信が一段と強まるなら、追加利下げを予想するのが妥当だ」と述べ、追加利下げの可能性に言及しました。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む次回7月24日のBOC会合での確率は、利下げと据え置きでほぼ五分五分です。BOCの追加利下げ観測はカナダドルにとってマイナスです。

今週は11-12日に米FOMCが開かれます。その結果に米ドル/カナダドルは大きく影響を受けそうです。FOMCを受けて FRBの利下げ観測が後退する場合には、FRBとBOCの金融政策スタンスの差が市場で改めて意識されるとともに、米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わると考えられます。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想

みんかぶおすすめ