石井食品、売上高・利益は期初予想を大幅に上回る 「ミートボール50th」を軸とした販促施策や常温品の販路拡大に注力

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最新投稿日時:2024/06/06 11:00 - 「石井食品、売上高・利益は期初予想を大幅に上回る 「ミートボール50th」を軸とした販促施策や常温品の販路拡大に注力」(ログミーファイナンス)

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石井食品、売上高・利益は期初予想を大幅に上回る 「ミートボール50th」を軸とした販促施策や常温品の販路拡大に注力

投稿:2024/06/06 11:00

目次

石井智康氏:みなさま、こんにちは。石井食品代表取締役社長の石井智康です。本日は、会社概要を簡単にご説明した後、2024年3月期通期決算、中期経営計画の進捗についてご報告します。

会社概要

会社概要です。当社は1945年に設立した食品メーカーであり、創業より千葉県船橋市に本社を構え、活動しています。

会社概要

私たち、石井食品は「食」の実験企業であると自負しています。戦後の創業以来、その時代時代に合わせた食の課題に対してビジネスを作ることで、私たち自身の成長を目指しています。

沿革:第一期

沿革です。当社は、もともと佃煮製造から始まった会社です。1945年設立、千葉県船橋市の近くの東京湾で採れた海産物を佃煮に加工するところからスタートし、佃煮メーカーとして、大量かつ安定的においしいものを作りながら成長してきました。1962年には東京証券取引所第二部に上場しました。

沿革:第二期

その後、1970年代から「チキンハンバーグ」や「イシイのおべんとクン ミートボール」などの商品開発を行い、この時代に主力商品を佃煮からチルド商品へシフトしました。

沿革:第三期

1990年代に入ると、「食」の安全性の追求を大きく掲げ、食の安全とおいしさをどのように一体化させるかという模索の中から、「無添加調理」という今に至る技術のベースに転向しました。

それとともに原材料履歴管理システムを導入し、すべての情報をお客さまが確認できるトレーサビリティデータのオープン化を行っています。

沿革:第四創業期

現在は第四創業期であり、佃煮からチルド商品に転向したように、今ある商品群を大きく再定義しながら、地域とともに循環していくビジネスモデルの構築を掲げ、さまざまな試みを行っています。

企業理念

現在の企業理念は、「真(ほんとう)においしいものをつくる ~身体にも心にも未来にも~」と掲げています。目先の利益だけでなく、本当においしいものを作り続けることが食品メーカーにとって持続的に成長していく道であるという考えのもと、企業活動を進めています。

経営目標

経営目標として「日本一、生産者と地域に貢献する食品会社になる」と掲げています。

「地域と旬」MAP 2024

「『地域と旬』MAP 2024」に記載のとおり、さまざまな地域・生産者とともに課題を解決する地域・季節限定商品などを作りながら、こちらのカテゴリを伸ばしています。

また、スライドには記載していませんが、これらの商品と主力である定番商品において大きなシナジーも生まれています。定番商品についても、懇意にしている地域農家や地域とともに活用を進めていく中で、品質向上を図ることができています。

第4創業期で目指す循環モデル

我々が目指すモデルのイメージです。生産者と我々が協働していく中で、生活者・消費者が生産者と我々を認知し、ファンになり、応援していただくことをビジネスの基軸として、持続可能なモデル作りに取り組んでいます。

主な事業内容

主な事業内容です。本日の決算発表でもお伝えしますが、ミートボールなどの食肉加工品に加え、「地域と旬」と銘打ったさまざまな商材を扱っています。佃煮製造で創業して以来、お重や単品のおせちといった正月料理や冬季の限定商品などを作っています。

また、非常食や食物アレルギー配慮食などを製造できる技術を持っており、こちらもビジネスとして展開しています。

2024年3月期‐業績ハイライト

ここからは、2024年3月期の通期決算のご説明に入ります。業績ハイライトとして、おかげさまで期初予測を大幅に上回ることができ、売上高104億円、営業利益4億円を達成することができました。

また、製造設備等への積極的な投資フェーズとして、中期経営計画に沿って現在投資を進めているところであり、こちらも業績の数字に大きく表れています。

2024年3月期‐連結業績

連結業績です。売上高は104億9,200万円、前年比9億4,200万円の増収、売上総利益は35億4,800万円、前年比5億2,700万円の増益となりました。営業利益は4億1,300万円、経常利益は4億5,700万円、当期純利益は4億7,100万円となっています。当期純利益は補助金収入があった影響で、期初予測を大幅に上回っています。

2024年3月期‐営業利益

営業利益の増減要因分析です。2024年3月期においても経費や人件費の増加、インフレにおける原材料価格の高騰が継続していますが、定番商品・PB(プライベートブランド)商品の売上の増加がそれを大きく上回る効果をもたらし、営業利益はプラスに転じています。

定番商品については、2022年10月に大きな価格改定を行っていますが、2024年3月期の上期において価格改定効果があり、それ以降も、さまざまなキャンペーンを通じた売り場の確保や活性化が順調に進み、売上が増加しています。

PB商品については、2023年に価格や条件の改定などを実施しつつ、新商品も投入したことで、売上が大きく伸びている状況です。

また、2024年3月期はこれまで進めていた基幹システムや生産設備への投資などが進み、減価償却費と販売促進費の増加により経費が増加しています。

2024年3月期‐商品群別実績 ミートボール

商品カテゴリごとにご説明します。当社の主力商品であるミートボールが業績を大きく牽引しており、売上高は前年比113.4パーセントと伸長しました。

背景として、今までお話ししたことに加えて、従来苦戦していた夏場の売り場作りにおいて、現在の生活者のライフスタイルに応じて、夏休みの学童や部活動のお弁当需要を確実に捉えることができるよう注力してきました。その結果、夏場の売上増進につながりました。

その他、スライドに記載のとおり「ミートボール50th」や「イシイのミートボール×うたのおねえさん小野あつこさんお料理応援キャンペーン」など、年間を通じてさまざまなキャンペーンを行いました。

2024年3月期‐商品群別実績 地域ハンバーグ

第四創業期のメインテーマとしてお話しした、地域の味・旬の味を届ける「地域と旬」シリーズの中で推進している「地域ハンバーグ」についてです。

2023年3月期は、価格改定とコロナ禍の余波が残る中で、「地域ハンバーグ」の販売をうまく進められなかったのですが、2024年3月期は、地域の活動やイベントなどにおける積極的な販売活動が功を奏し、売上高は前年比117.4パーセントと伸長しています。

また、「地域ハンバーグ」には、売上高の数字に表れない効果も出ています。例えば、「千葉白子町の新玉ねぎを使ったハンバーグ」は、白子町の玉ねぎ農家の方とともに開発を進めた商品であり、定番商品のミートボールやハンバーグの改良に加え、新しいサプライチェーンを構築することができました。

さらに、売り場におけるクロスセルも進むようになるなど、「地域ハンバーグ」は、見た目の売上実績以上の効果があると考えています。

2024年3月期‐商品群別実績 正月料理

正月料理は、課題が残る結果となりました。コロナ禍が明けて年末年始のライフスタイルが大きく変わる中で、当社としても、ラインナップや中身の内容を見直しながら提案しましたが、原価高騰による価格上昇の影響などが大きく、売上高は前年比89.6パーセントとマイナスとなりました。

ただし、当社の強みである「農と食卓をつなぐ」というテーマにおいて、生産者とのつながりが見える素材の厳選とストーリーの表現、お正月の体験演出など、昨年より注力しています。

この施策を通して、さらに付加価値を作ることができると考えており、こちらをどのように回復させていくかが、2025年3月期の課題の1つとなっています。

2024年3月期‐商品群別実績 非常食/配慮食(食物アレルギー・減塩他)

非常食/配慮食は、再スタートと位置づけています。食物アレルギー配慮食「いっしょがいいね」シリーズは、ラインナップを見直し、利益率の改善を進めています。

非常食については販売チャネルの刷新、リスタートを行う中で、災害現場において必要とされる非常食や商品、販売チャネル、販売方法のあり方などをあらためて模索している段階です。

計画では、売上を減らしながら営業利益率を上げていくことを目指していましたが、結果的に2024年3月期に起こった自然災害の影響などもあり、通販における非常食販売の予想以上の伸びに加え、食物アレルギー配慮食もチャンネルの変更が進みました。

結果として、売上高は前年比96.4パーセントと、ある程度同水準を保ちながら、利益率を上げることができています。

こちらは、2024年3月期に行ったことをベースに、2025年3月期はどのように成長軌道に乗せていくかがテーマとなります。

2024年3月期‐財務状況

2024年3月期の財務状況はスライドに記載のとおりです。2024年度は期末が日曜日であったため、営業キャッシュフローが大幅に増加しています。曜日回りの影響を除いた営業キャッシュフローは約6億円と推定していますが、それでも前年比で約3億円増加しています。

投資キャッシュフローについては、今進めている投資の中で、予定どおりの増加を見せています。我々が重視している営業キャッシュフローについては、順調に進んでいると考えています。

2025年3月期‐通期業績予想

2025年3月期の通期業績予想です。売上高は107億1,000万円、前年比2億1,700万円の増収を見込んでいます。営業利益は2億5,000万円、経常利益は2億8,000万円、当期純利益は1億6,500万円で、前年比でマイナスとなる予想です。

要因としては、ベースアップなどを行ってきた影響の中での人件費の底上げと、未だ続いている原材料・エネルギー費用の再高騰および減価償却費の増加が大きく関わっています。

2025年3月期‐通期業績予想

2025年3月期の営業利益の増減要因分析です。売上を伸ばし、コスト削減を進める中で、人件費の増加、原材料やエネルギー費用の高騰をカバーできるよう活動していますが、2025年3月期から増える減価償却費の増加分を考えると、業績としては、営業利益はマイナスの着地になると想定しています。

減価償却について、もう少しご説明を続けます。当社は以前から、投資および減価償却費は減少傾向で、2022年3月期、2023年3月期は減価償却費が今までよりもかなり低い水準になっていました。

中期経営計画で定めた計画に基づき、2022年3月期から設備投資を進めているため、結果として2024年3月期、2025年3月期に減価償却費が増加する傾向にあります。

営業キャッシュフローやEBITDAなどに基づいて、財務状況を見ながら適切に投資を行っていきます。その中で、老朽化した設備更新をすることで将来的なビジネスの安定化を図るとともに、生産効率化や新技術への成長投資などを行っていきたいと考えています。

2025年3月期‐通期業績予想:EBITDA等の推移

したがって、EBITDAは前期比と同水準を目指しています。ここ数年は、投資を行いつつも、EBITDAおよび営業利益率を安定化させて成長軌道に乗せることがテーマでした。そのような意味で、営業利益はマイナス予想となっていますが、この予想を超えて長期にわたって成長できるよう努めていきます。

剰余金の配当について

剰余金の配当についてご説明します。期初の配当予想は1株あたり3円を見込んでいましたが、増益予想に合わせ1円増配の4円に上方修正しています。現段階では成長投資と人的投資が大きくなっていますが、EBITDAと営業キャッシュフローのバランスを見つつ、株主還元を行っていきます。

以上が2024年3月期の結果です。ここからは中期経営計画の進捗についてご報告します。

ISHII VISION 2030

中期経営計画では「ISHI VISION 2030」を定めています。その中で「農と食卓をつなぎ子育てを応援する企業に」と大きく掲げています。

ISHII VISION 2030

単なる食品メーカーからライフスタイル“フード”カンパニーへの脱皮を標榜しており、それに合わせたさまざまな活動を社内で展開しています。

中期経営計画:2022年5月発表

中期経営計画として6つの柱を立てており、それぞれ取り組みを進めている状況です。特に既存領域の重点テーマは、ここ数年の業績を牽引している部分であるため、こちらは順調に進められていると評価しています。

本日は、その中でも「④新たな販売チャネルとビジネスモデル開発」と「⑥IT・システムインフラの整備と外販展開」についてご説明します。

中期経営計画-2023年度活動トピックス

新たな販売チャネルについては、社内でさまざまなチャレンジをしていますが、その中でもEC事業を成長軌道に乗せることができていると考えています。石井食品の公式のオンラインストアは、2020年のリニューアルから順調に成長しており、売上は2020年比で3倍を達成しています。売上の増加を目指すとともに、今までのビジネスモデルではできない商品やサービスのご提案ができています。

例えば、2024年3月期に注力してきた常温商品です。非常食としてのミートボールやハンバーグの通販に加え、非常食を企業・役所向けに卸すだけではなく、消費者向けにも展開し、通販事業を牽引しています。

また、常温商品の可能性も社内で議論し展開が進んでいます。そのような意味で、ECサイトはさまざまな新しい試みを行う場として位置づけています。

ITシステムインフラの整備については、長年課題になっていた基幹システムの老朽化に対して、ここ数年刷新を行ってきましたが、ようやく目処がつき、現在は段階的にリリースしています。2024年3月期より工場ごとにリリースできた部分の減価償却が始まっており、2025年3月期も全面展開の中で進めていきます。

今後のビジネス活動の安定化に向けて、基幹システムの刷新を行うとともに、人材育成も進めています。ITパスポートの取得者を中心に、社内でのIT活用が進められており、システムの活用だけではなく、さまざまなITツールを用いてアナログからデジタルデータへの移行を進めています。また、それらを活かし、生産性の向上や業務効率化が現場主導で進む体制を少しずつ構築しています。

財務目標

中期経営計画の中では財務目標として、売上高100億円、営業利益率5パーセントを掲げています。

中期経営計画-5か年売上高および営業利益進捗

売上高・営業利益の進捗です。価格改定の影響が大きくあり、売上高100億円は前倒しで達成できている状況です。営業利益率は順調に進捗していると考えていますが、ビジネスのあり方の入れ替えとともに、売上高100億円に対して営業利益率5パーセントを安定的に維持できるよう目指します。

そのための設備投資ということで、今後の人件費やエネルギー費用の高騰などに対応しながら、生産性を改善し、スライドに掲げているような製造業だけに依存しないビジネス作りを進めていきます。

中期経営計画期間中の主な活動計画

中期経営計画の達成を目指し、新しい活動を続けていきたいと考えています。

本日のご報告は以上です。ご清聴ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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