*14:43JST GMOメディア Research Memo(3):メディア事業とソリューション事業を展開(2)
■会社概要
3. 市場環境とGMOメディア<6180>の強み・事業リスク
(1) 市場環境
国内のインターネット広告の市場規模は年々拡大を続けており、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で一時的に広告需要が冷え込んだ2020年においても前年比5.9%増と成長を継続し、2023年は同7.8%増の33,330億円と国内広告費全体の約45.5%を占めるまでになり(「2023年日本の広告費」(電通調べ))、存在感がさらに増す状況となっている。スマートフォンやソーシャルネットワークサービス(以下、SNS)の普及拡大と、それに伴う生活スタイルの変化(テレビ、新聞離れ)、アドテクノロジーの進化によって費用対効果の高いインターネット広告に予算を振り向ける企業が増えていることが背景にある。特に、ここ数年ではSNS向けの動画広告が大きく伸長している。同社が主に展開しているアフィリエイト広告やディスプレイ広告の成長率については、やや鈍化傾向にあるが、今後も販促や集客などの効果的な施策として利用拡大が続くと見られ、後述する成長戦略を推進することで同社の成長余地も広がるものと弊社では考えている。
(2) 同社の強み・事業リスク
a) 強み・優位性
同社の強みは、1) ポイント・ゲーム・アフィリエイト広告・アドネットワーク事業などで長年培ってきたノウハウを、自社だけでなく他社へのソリューションサービスとして提供し、効率的に事業を拡大できること、2) 社員の過半を技術者で占めており※1、新規サービスの開発だけでなく機能の拡充・改修などが必要となった場合は迅速に対応可能なこと、3) マーケティング・開発・運用のすべてを自社内で行っているほか、システムインフラを各サービス間で共用しているため、重複コストを発生させずに迅速で柔軟なサービス展開が行えること、4) PC・スマートフォンにおけるSEO※2・ASO※3・コンテンツマーケティング※4のノウハウを社内に蓄積しており、プロモーションコストをかけずに新規会員を獲得する仕組みを構築していること、などが挙げられる。
※1 2023年12月末時点の正社員のうち、クリエイター(エンジニア、デザイナー、ディレクター)が64.2%を占める。
※2 SEO(Search Engine Optimization):検索エンジン最適化のことで、サーチエンジンの検索結果で自社のwebサイトが上位に表示されるように工夫すること、またそのための技術やサービス。
※3 ASO(App Store Optimization):スマートフォン向けアプリストアにおいて、検索結果やランキング表示で自社アプリが上位に表示されるように工夫すること、またそのための技術やサービス。
※4 コンテンツマーケティング:顧客が必要とする情報を理解し、それを適切にコンテンツとして提供することで、集客・購買行動につなげる手法。
また、投資育成事業である「コエテコ」については、子ども向けプログラミング教育ポータルサイトの教室・口コミ掲載数で業界トップ※となっており、Google検索でも主要都市においてトップの表示順位を実現するなど、プログラミング教育ポータルサイトとしてのブランド力を確立していることが挙げられる。また、プログラミング教育市場に特化し、そのノウハウを基に近接領域への展開が可能になることも強みである。
※2023年11月17日~12月22日にかけて(株)日本マーケティングリサーチ機構が実施した調査によれば、インターネット上で小学生を対象とするプログラミング・ロボット教室を検索でき、一定期間通える教室が掲載されているサイトを運営する11社のなかで掲載教室数がトップとなり、口コミ掲載数についても口コミ投稿ができるサイトを運営する6社のなかでトップとなった。
「キレイパス」については、美容医療チケット掲載数で業界トップとなっている。ユーザーにとっては全国600店舗超のクリニックから自分の希望にあった施術方法やクリニックを簡単に検索できるほか、事前決済システムのため施術当日にクリニックから追加料金を請求される心配がなく、予約や来院時の受付などもアプリで一括管理できるなど使い勝手の良いシステムである。事業者側にとっても事前決済となるためキャンセル発生リスクが低くなる。そのほか、美容医療に特化することで、そのノウハウを基に近接領域への事業展開が可能になることも強みである。
b) 事業等のリスク
同社が取り扱うインターネット広告は、他のメディア広告と比べると高い成長率を維持しているが、市場環境の変化や景気動向によって広告主の出稿意欲が低下した場合には、需給バランスによって広告掲載単価が下落し、同社の業績に影響を及ぼすリスクがある。
また、同社はSEOのノウハウを活用して集客を行っているため、検索エンジンの表示順位判定基準(アルゴリズム)が変更された場合に表示順位が低下し、運営メディアへのアクセス数に影響を及ぼす可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HH>
3. 市場環境とGMOメディア<6180>の強み・事業リスク
(1) 市場環境
国内のインターネット広告の市場規模は年々拡大を続けており、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で一時的に広告需要が冷え込んだ2020年においても前年比5.9%増と成長を継続し、2023年は同7.8%増の33,330億円と国内広告費全体の約45.5%を占めるまでになり(「2023年日本の広告費」(電通調べ))、存在感がさらに増す状況となっている。スマートフォンやソーシャルネットワークサービス(以下、SNS)の普及拡大と、それに伴う生活スタイルの変化(テレビ、新聞離れ)、アドテクノロジーの進化によって費用対効果の高いインターネット広告に予算を振り向ける企業が増えていることが背景にある。特に、ここ数年ではSNS向けの動画広告が大きく伸長している。同社が主に展開しているアフィリエイト広告やディスプレイ広告の成長率については、やや鈍化傾向にあるが、今後も販促や集客などの効果的な施策として利用拡大が続くと見られ、後述する成長戦略を推進することで同社の成長余地も広がるものと弊社では考えている。
(2) 同社の強み・事業リスク
a) 強み・優位性
同社の強みは、1) ポイント・ゲーム・アフィリエイト広告・アドネットワーク事業などで長年培ってきたノウハウを、自社だけでなく他社へのソリューションサービスとして提供し、効率的に事業を拡大できること、2) 社員の過半を技術者で占めており※1、新規サービスの開発だけでなく機能の拡充・改修などが必要となった場合は迅速に対応可能なこと、3) マーケティング・開発・運用のすべてを自社内で行っているほか、システムインフラを各サービス間で共用しているため、重複コストを発生させずに迅速で柔軟なサービス展開が行えること、4) PC・スマートフォンにおけるSEO※2・ASO※3・コンテンツマーケティング※4のノウハウを社内に蓄積しており、プロモーションコストをかけずに新規会員を獲得する仕組みを構築していること、などが挙げられる。
※1 2023年12月末時点の正社員のうち、クリエイター(エンジニア、デザイナー、ディレクター)が64.2%を占める。
※2 SEO(Search Engine Optimization):検索エンジン最適化のことで、サーチエンジンの検索結果で自社のwebサイトが上位に表示されるように工夫すること、またそのための技術やサービス。
※3 ASO(App Store Optimization):スマートフォン向けアプリストアにおいて、検索結果やランキング表示で自社アプリが上位に表示されるように工夫すること、またそのための技術やサービス。
※4 コンテンツマーケティング:顧客が必要とする情報を理解し、それを適切にコンテンツとして提供することで、集客・購買行動につなげる手法。
また、投資育成事業である「コエテコ」については、子ども向けプログラミング教育ポータルサイトの教室・口コミ掲載数で業界トップ※となっており、Google検索でも主要都市においてトップの表示順位を実現するなど、プログラミング教育ポータルサイトとしてのブランド力を確立していることが挙げられる。また、プログラミング教育市場に特化し、そのノウハウを基に近接領域への展開が可能になることも強みである。
※2023年11月17日~12月22日にかけて(株)日本マーケティングリサーチ機構が実施した調査によれば、インターネット上で小学生を対象とするプログラミング・ロボット教室を検索でき、一定期間通える教室が掲載されているサイトを運営する11社のなかで掲載教室数がトップとなり、口コミ掲載数についても口コミ投稿ができるサイトを運営する6社のなかでトップとなった。
「キレイパス」については、美容医療チケット掲載数で業界トップとなっている。ユーザーにとっては全国600店舗超のクリニックから自分の希望にあった施術方法やクリニックを簡単に検索できるほか、事前決済システムのため施術当日にクリニックから追加料金を請求される心配がなく、予約や来院時の受付などもアプリで一括管理できるなど使い勝手の良いシステムである。事業者側にとっても事前決済となるためキャンセル発生リスクが低くなる。そのほか、美容医療に特化することで、そのノウハウを基に近接領域への事業展開が可能になることも強みである。
b) 事業等のリスク
同社が取り扱うインターネット広告は、他のメディア広告と比べると高い成長率を維持しているが、市場環境の変化や景気動向によって広告主の出稿意欲が低下した場合には、需給バランスによって広告掲載単価が下落し、同社の業績に影響を及ぼすリスクがある。
また、同社はSEOのノウハウを活用して集客を行っているため、検索エンジンの表示順位判定基準(アルゴリズム)が変更された場合に表示順位が低下し、運営メディアへのアクセス数に影響を及ぼす可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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