今週のポイント
豪ドル/円などのクロス円は、22-23日の日銀金融政策決定会合が材料になりそうです。日銀の声明や植田総裁の会見を受けて市場の利上げ観測が後退する場合、円安圧力が加わるとともに、クロス円は堅調に推移する可能性があります。
24日には、NZの23年10-12月期CPI(消費者物価指数)が発表され、またBOC(カナダ中銀)の政策会合が開かれます。NZドルはCPIの、カナダドルはBOC会合の結果に反応しそうです。
米国など主要国の株価動向にも注目です。19日の米株式市場では、ダウとS&P500が史上最高値をつけました。主要国の株価が上昇を続ける場合、リスクオン(リスク選好)の動きが強まる可能性があります。リスクオンは円にとってマイナスになる一方で、豪ドルやNZドルにとってプラスになると考えられます。
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TCMB(トルコ中銀)が25日に政策会合を開きます。市場では、前回23年12月の会合時と同じく2.50%の利上げを行うとの見方が有力です(政策金利は45.00%へ)。市場予想とかい離する結果になれば、トルコリラが反応しそうです。
TCMBの声明にも注目です。TCMBは前回会合時の声明で、「金融引き締め(利上げ)サイクルを可能な限り早期に完了させる」とし、近く利上げを終了する意向を表明しました。今回の声明で、利上げサイクルの終了が示唆されるかどうかに注目です。トルコの12月CPI(消費者物価指数)は前年比64.77%と、かなり高い状況です。こうした中でTCMBが利上げサイクルの終了を示唆すれば、トルコリラ安圧力が加わる可能性があります。
25日には、SARB(南アフリカ中銀)の政策会合も開かれます。政策金利は現行の8.25%に据え置かれるとの見方が市場では大勢です。市場では、SARBは5月に利下げを行うとの観測があります(3月の会合は政策金利の据え置きを予想)。SARBの声明やクガニャゴ総裁の会見を受けて、市場の金融政策見通しが変化するかどうかに注目です。声明やクガニャゴ総裁の会見が利下げ観測を後退させるような内容になれば、南アフリカランドの支援材料になりそうです。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.06800NZドル~1.08500NZドル>
24日にNZの23年10-12月期CPI(消費者物価指数)が発表されます。物価の動向はRBNZ(NZ中銀)の金融政策に大きな影響を与えるため、要注目です。
RBNZは前回23年11月の政策会合時の声明で、「インフレ圧力が想定以上に強まれば、追加利上げが必要となる可能性が高い」としました。一方で、RBNZのこれまでの利上げの影響もあってNZの景気が減速していることから、市場は“RBNZの利上げサイクルはすでに終了し、次の一手は利下げになる”と予想しています。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場では5月に利下げが行われるとの見方が有力です(2月と4月の政策会合は政策金利の据え置きを予想)。
CPIの市場予想は前年比4.7%と、RBNZ(NZ中銀)のインフレ目標(2~3%)を引き続き上回るものの、上昇率は7-9月期の5.6%から鈍化するとみられています。CPIが市場予想を下回る結果になれば、RBNZの利下げ観測が市場で強まるとともに、NZドル安圧力が加わりそう。その場合、豪ドル/NZドルは、1月2日高値の1.08269NZドルを超えるかもしれません。
今週の注目通貨ペア(2): <米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.32000カナダドル~1.36000カナダドル>
24日にBOC(カナダ中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果に米ドル/カナダドルは反応しそうです。
政策金利は現行の5.00%に据え置かれると考えられます。その通りの結果になれば、BOCの声明やマックレム総裁の会見が材料になりそうです。
市場では、BOCは4月に利下げを行うとの観測があります。BOCは前回23年12月会合時の声明で、「必要なら、政策金利をさらに引き上げる用意がある」と表明しました。この姿勢に変化がないなど、声明やマックレム総裁の会見が利下げ観測を後退させるような内容になれば、カナダドル高材料になりそうです。その場合、米ドル/カナダドルは、米ドル側の材料(米国の経済指標や長期金利の動向)にも影響を受けると考えられるものの、1.32828カナダドル(1/5安値)に向かって下落する可能性があります。
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