チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップしています。
TOYO TIRE <5105> 【2+→2+】
「政策保有株式を縮減、資本効率向上を図る」
6月29日、同社は保有株式の一部売却を決定したと発表。同社はコーポレート・ガバナンスに関する報告書において、政策保有株式の縮減に関する方針を報告しており、これまでも適宜、売却を進めてきたが、本件は、政策保有株式の更なる削減を行い資本効率の向上を図ることを目的に実施するとした。なお、売却で得た資金は生産効率及び品質の更なる向上に資する設備増強、市場のニーズに迅速に応える新製品開発に投じるとし、120億円の売却益を見込んでいるとした。投資評価は「2+」を維持、株価指標面が依然割安。
予想ROE:10.3% PBR:0.9倍、来期予想PER:7.4倍、来期予想EPS成長率:17%株価(7/7終値):1,869円 Fモデルによる理論株価:3328円(7月3日by高田悟)
ネクステージ <3186> 【2+→2+】
「2Qは1QからV字回復、2Q単独の営業利益は過去最高」
TIWでは投資評価は「2+」を維持する。その理由は、23/11期上期
(12-5月)決算は1Q(12-2月)の出遅れから営業利益計画は未達となったが、2Q(3-5月)に急回復し2Qに四半期として過去最高の営業利益を確保したことが評価できる、相場変動に影響されにくい体質構築により2Qに続き下期(6-11月)も堅調な業績展開が期待でき、TIWでは23/11期は計画通り営業過去最高益更新を見込むこと、決算発表後株価は高騰も株価指標面(23/11期TIW予想PER15.6等)に特段、割高感がないこと、などによる。
予想ROE:26.9% PBR:4.4倍、来期予想PER:12.1倍、来期予想EPS成長率:28%株価(7/7終値):3700円 Fモデルによる理論株価:3428円(7月5日by高田悟)
明和地所 <8869> 【新規→2+】
「中計を上回るペースで業績が進捗、プライム上場維持基準適合問題も目処がつく」
横浜を地盤とする独立系中堅マンションディベロッパー。首都圏中心に北海道、福岡、名古屋にも展開。買取再販や売買仲介、富裕層向け1棟売り、賃貸管理など周辺事業を強化中。23/3期業績は売上高623億円(前期比8.9%増)、経常利益49.8億円(同57.9%増)。主力の分譲マンションが牽引し大幅増益。引渡戸数は微増だが平均価格が上昇し、粗利益率も22.8%と高水準になった。24/3期会社業績予想は売上高830億円(前期比33.2%増)、経常利益52億円(同4.2%増)。分譲マンションの引渡戸数増や平均価格上昇などにより大幅増収予想だが、粗利益率の反落や業容拡大に伴う販管費増で小幅経常増益にとどまる予想。会社予想は保守的で上振れ余地があろう。
予想ROE:12.4% PBR:0.8倍、来期予想PER:6.0倍、来期予想EPS成長率:4%株価(7/7終値):1,038円 Fモデルによる理論株価:1992円(7月5日by堀部吉胤)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)
〔 http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw 〕
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。
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