今週のポイント
今週(6/5- )は、6日にRBA(豪中銀)が、7日にBOC(カナダ中銀)が政策会合を開きます。市場では両中銀とも政策金利を据え置くとの見方が優勢ですが、利上げするとの見方が強まっています。RBAとBOCの政策決定に豪ドルやカナダドルが反応しそうです。
メキシコペソは、8日発表のメキシコの5月CPI(消費者物価指数)が材料になりそうです。BOM(メキシコ中銀)は前回5月18日の政策会合で政策金利を11.25%に据え置き、声明で「政策金利は現在の水準に長期間維持する必要がある」と表明。21年6月に開始した利上げの終了を示唆しました。5月のCPIが弱い結果になれば、市場では先行きの利下げ観測が強まる可能性があり、その場合にはメキシコペソは上値が重くなりそうです。
サウジアラビアは4日に「原油の生産量を7月に自主的に追加で日量100万バレル減らす」との方針を示しました。同国の追加減産は、原油価格(米WTI原油先物など)の上昇要因になり得ると考えられます。原油価格が堅調に推移すれば、カナダドルやメキシコペソなどの資源国通貨の支援材料になりそうです。
エルドアン・トルコ大統領は3日に新内閣を発表し、市場が注目していた財務相には、正統な経済政策を志向して市場からの評価が高いシムシェキ氏を任命しました。シムシェキ氏は09~14年に財務相、14~18年に副首相を務めたことがあります。
シムシェキ氏が新内閣で財務相に起用されたことで、トルコリラ安を招いているエルドアン大統領の経済政策が転換するとの期待が市場で高まるかもしれません。その場合、トルコリラ安はいったん歯止めがかかる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07500NZドル~1.10000NZドル>
豪ドル/NZドルは、6月6日のRBA(豪中銀)の政策会合が重要です。RBAは4月の会合で政策金利を据え置いたものの、前回5月2日の会合では再び利上げを行いました。
6日の会合については、市場では政策金利は据え置かれるとの見方が優勢ですが、0.25%利上げするとの見方も強まっています。豪州の4月CPI(消費者物価指数)は前年比6.8%と、市場予想(6.4%)以上に3月の6.3%から上昇率が加速したうえ、豪州では7月から最低賃金が5.75%引き上げられるからです(最低賃金労働者の賃上げ率は8.6%)。賃金の上昇はインフレ圧力を強める可能性があります。
RBAが「据え置き」と「利上げ」のいずれを決定したとしても、豪ドルが反応しそう。据え置きの場合には豪ドルが売られ、豪ドル/NZドルは下落しそうです。
RBAの声明にも注目です。声明がタカ派的な内容になれば、政策金利が据え置かれたとしても、豪ドル/NZドルの下落は長続きしない可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2): <米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.32500カナダドル~1.36500カナダドル>
BOC(カナダ中銀)は、3月と4月の2会合連続で政策金利を4.50%に据え置きました(5月は政策会合なし)。一方で、「必要であれば、政策金利をさらに引き上げる用意がある」とし、利上げを再開する可能性があることを示しています。
カナダの4月CPI(消費者物価指数)は前年比4.4%と、市場予想(4.1%)に反して3月の4.1%から上昇率が高まりました。また、1-3月期GDP(国内総生産)は前期比年率3.1%と、成長率は市場予想の2.5%を上回り、BOCの4月時点の見通しである2.3%を上振れました。
BOCは6月7日に政策会合を開きます。市場では、政策金利は据え置かれるとの見方が優勢なものの、CPIやGDPの強い結果を受けて0.25%利上げするとの見方も強まっています。そのため、BOCの決定にカナダドルが反応しそうです。政策金利が据え置かれた場合、カナダドルが売られて米ドル/カナダドルは上昇すると考えられます。
原油価格(米WTI原油先物)の動向にも注目です。OPEC(石油輸出国機構)の加盟国と非加盟主要産油国で構成する「OPECプラス」は4日に閣僚級会合を開き、協調減産の枠組みを1年間延長して24年末までとすることを決定。また、サウジアラビアは7月に自主的に日量100万バレルの追加減産を行う方針を示しました。サウジアラビアの自主減産は、原油価格の上昇要因になり得ると考えられます。原油価格が堅調に推移すれば、米ドル/カナダドルの上値を抑える要因になりそうです。
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