今週のポイント
今週(5/22- )は、24日にRBNZ(NZ中銀)、25日にSARB(南アフリカ中銀)が政策会合を開きます。RBNZ会合については、RBNZの利上げ幅(0.25%か0.50%か)や政策金利見通しが焦点になりそうです。SARBについては、市場ではSARBの利上げは今回で最後になるとの観測もあります。SARBの声明やクガニャゴ総裁の会見がその観測を強める内容になれば、利上げしたとしても南アフリカランドは軟調に推移する可能性があります。
25日にはTCMB(トルコ中銀)の政策会合もあるものの、トルコリラに関しては28日のトルコ大統領選の決選投票の方がより重要と考えられます。エルドアン大統領と野党6党の統一候補であるクルチダルオール氏で争われる決選投票は、エルドアン大統領が優勢とみられています。エルドアン大統領が決選投票に勝利した場合、トルコリラには下落圧力が加わりやすくなりそうです。大統領がTCMB(トルコ中銀)の金融政策に介入する状況は変わらないと考えられるからです。
バイデン米大統領とマッカーシー下院議長とのデットシーリング(米債務上限)をめぐる協議の行方や米国の4月PCE(個人消費支出)デフレーターの結果(26日発表)に豪ドル/米ドルや米ドル/カナダドルは大きく影響を受ける可能性があります。これらを受けて全般的に米ドル安が進む場合、その裏返しで豪ドル/米ドルは堅調に推移し、一方で米ドル/カナダドルは軟調に推移しそうです。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.05000NZドル~1.08500NZドル>
5月24日にRBNZ(NZ中銀)の政策会合があります。会合の結果に豪ドル/NZドルが反応しそうです。
NZの1-3月期CPI(消費者物価指数)は前年比6.7%と、上昇率は22年10-12月期の7.1%から鈍化したものの、RBNZのインフレ目標(1~3%)を引き続き大きく上回りました。インフレを抑制するため、RBNZは24日の会合で利上げを行うことを決定すると考えられます。
市場では、利上げ幅は0.25%との見方が有力なものの、0.50%との見方もあります。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)が織り込む利上げ幅の確率は、0.25%幅が62.8%、0.50%幅が37.2%です(日本時間22日09:50時点)。0.25%利上げすることが決定された場合、NZドルが売られて豪ドル/NZドルは上昇する可能性があります。
RBNZが四半期に一度公表する政策金利見通しにも注目です。そこで示されるターミナルレート(政策金利のピーク水準)の見通しが2月時点の5.50%から上方修正されれば、利上げ幅が0.25%にとどまって豪ドル/NZドルが上昇したとしても、上昇は長続きしない可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<メキシコペソ/円 予想レンジ:7.500円~8.000円>
BOM(メキシコ中銀)は5月18日に政策会合を開き、政策金利を11.25%に据え置くことを決定。21年6月に開始した利上げを停止しました。
BOMは声明で政策金利を据え置いた主な理由として、「3月の会合以降、総合のCPI上昇率は引き続き低下しており、コアCPI上昇率も顕著に低下した」こと、「経済はディスインフレのプロセスに入ったと考えられる」こと、そして「これまでにすでに大幅な利上げを実施した」ことを上げました。
金融政策の先行きについてBOMは、「政策金利は現在の水準に長期間維持する必要がある」と表明。政策金利は今後も11.25%に据え置く方針を示しました。
BOMが利上げ終了を示唆したことは、メキシコペソにとってのプラス材料がはく落することとなり、メキシコペソ/円の上値を抑える要因になる可能性があります。
メキシコの5月前半のCPIが24日に発表されます。CPIが市場予想(総合:前年比6.15%、コア:同7.49%)を大きく下回る結果になれば、BOMが政策金利を当面据え置く確率が一段と高まるだけでなく、年内の利下げ観測が市場で浮上するかもしれません。その場合、メキシコペソ/円は軟調に推移しそうです。
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