今週のポイント
先週(4/3- )は、4日にRBA(豪中銀)、5日にRBNZ(NZ中銀)の政策会合が開かれました。結果は、RBAが政策金利を3.60%に据え置き、RBNZは0.50%の利上げを行いました。RBAの決定は豪ドルの上値を抑える材料となり、一方でRBNZの決定はNZドルの支援材料になりそうです。
豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは、12日の米国の3月CPI(消費者物価指数)にも影響を受けそうです。CPIが市場予想を下回る結果になれば、米ドルが全般的に軟調に推移して、その裏返しで豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは堅調に推移する可能性があります。
カナダドル/円や米ドル/カナダドルは、12日のBOC(カナダ中銀)会合の結果に反応しそうです。会合では、政策金利は現行の4.50%に据え置かれるとみられ、その場合にはBOCの声明や総裁会見で今後の利上げ再開の可能性が残されるかどうかが焦点になりそうです。
OPECプラスが原油の追加減産を発表したことで、先週は原油価格が上昇しました。原油価格が引き続き堅調に推移すれば、カナダドルやメキシコペソなどの支援材料になる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.05500NZドル~1.07500NZドル>
豪ドル/NZドルは5日に一時1.05850NZドルへと下落し、22年12月21日以来、3カ月半ぶりの安値をつけました。
RBA(豪中銀)は4日の会合で政策金利を据え置く一方、RBNZ(NZ中銀)は5日の会合で市場予想(0.25%の利上げ)を上回る0.50%の利上げを行うことを決定しました。RBAとRBNZの金融政策の差が、豪ドル/ NZドル下落の要因と考えられます。
豪ドル/NZドルは引き続き上値が重い展開になりそう。13日に発表される豪州の3月雇用統計が市場予想よりも軟調な結果になれば、豪ドル/NZドルへの下押し圧力は一段と強まる可能性があります。1.05850NZドル(4/5安値)割れを試すかもしれません。
今週の注目通貨ペア(2):<カナダドル/円 予想レンジ:95.000円~100.000円>
BOC(カナダ中銀)は前回3月8日の会合で政策金利を4.50%に据え置くことを決定。22年3月に開始した利上げを停止しました。
BOCは4月12日に会合を開きます。カナダの2月CPI(消費者物価指数)は前年比5.2%と、BOCのインフレ目標(2%を中心に1~3%のレンジ)を依然として上回ったものの、上昇率は1月の5.9%から鈍化し、22年1月以来の低い伸びでした。政策金利は4.50%に据え置かれるとみられます。その通りの結果になれば、BOCの声明やマックレム総裁の会見に注目です。BOCは3月の会合時の声明で「経済がBOCの見通しにおおむね沿って推移すれば、政策金利は現在の水準(4.50%)に維持されると予想している」としつつも、「必要であれば、政策金利をさらに引き上げる用意がある」と表明。利上げ再開もあり得ることを示しました。
一方で市場では、「BOCの次の一手は、利上げではなく利下げになる」との見方が有力です。BOCの声明やマックレム総裁の会見が利下げ観測を後退させるような内容になれば、カナダドルの支援材料となりそう。カナダドル/円は堅調に推移する可能性があります。
米WTI原油先物(原油価格の代表的な指標)は4日に一時1バレル=81.81ドルへと上昇し、1月27日以来の高値をつけました。OPEC(石油輸出国機構)加盟国と非加盟主要産油国で構成する「OPECプラス」が2日に原油の生産量を5月から追加で日量約116万バレル減らすと発表し、そのことがWTI原油先物上昇の主な要因です。WTI原油先物が引き続き堅調に推移すれば、カナダドルの上昇要因になるかもしれません。
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