ADワークスグループ Research Memo(7):2024年12月期以降も更なる成長を目指す(1)

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最新投稿日時:2023/04/03 14:37 - 「ADワークスグループ Research Memo(7):2024年12月期以降も更なる成長を目指す(1)」(フィスコ)

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ADワークスグループ Research Memo(7):2024年12月期以降も更なる成長を目指す(1)

配信元:フィスコ
投稿:2023/04/03 14:37
*14:37JST ADワークスグループ Research Memo(7):2024年12月期以降も更なる成長を目指す(1) ■中期経営計画

3. 重点施策の進捗状況
重点施策としては、既存事業を太く強くする施策、“脱”不動産事業を具現化する施策、並びにこれらの共通施策として、以下の取り組みを推進している。

(1) 既存事業を太く強くする施策
a) 商品企画力を強化
コア事業である収益不動産販売事業では、時代のニーズを的確にキャッチした商品企画力がADワークスグループ<2982>の強みの1つとなっており、販売力の強さに繋がっている。具体例として、多様な働き方ニーズにマッチしたフレキシブルオフィス「Colony♯」シリーズを2022年にオープンし高稼働を実現している。当面は自社運用する方針だが、機を見て販売する方針であり、2023年12月期には同シリーズの第2弾をオープンする予定だ。また、2023年1月から販売を開始した「ARISTO福岡大名」は、室内外の空気を効率的に換気する「全熱交換機」や高い断熱性能と日射遮蔽性能を持つ「Low-E複層ガラス」、節水型衛生器具などを採用するなど環境に配慮したオフィスビルとして自社開発した物件(2022年5月竣工、12階建て、敷地面積:約228m2/延床面積:約1,223m2)で、既に全フロア入居済みで安定した利回りを得られる投資商品(募集金額:約20億円)として早期完売が予想される。

このようにニーズの高い物件を企画・商品化することができれば、賃料を高く設定しても入居率を高水準で維持することが可能となる。同社にとっては物件価格を高値で設定して販売できることになり、収益性の向上につながる。同社では今後も商品企画力を強みに、従来の投資商品としてのバリューアップによる販売拡大に加え、社会インフラとしての価値を高める視点を持つことで、事業を通じた社会課題解決にも取り組んでいく方針だ。

b) 収益不動産残高の再拡充
一定量の優良な収益不動産残高を保有することにより、不動産相場と顧客ニーズとの双方を睨みながら、コントローラブルに販売を展開し必要な収益を確保すると同時に、保有する収益不動産から得る賃料収入によって収益の安定化を生み出す従来の成長戦略を継続し、2023年12月期の目標である500億円達成に向けて残高の積み上げを図る。

特に、2021年12月期以降は中古マンションだけでなく10~20億円の中小規模オフィス物件の仕入れを積極的に進めており、このなかには、REIT事業や開発事業を見据えた仕入れも含まれている。今後も引き続き仕入体制を強化し優良物件の取得を進めていくほか、マーケティング機能やITなどバックアップ機能も強化して事業効率の向上に取り組む考えだ。

c) REIT事業による事業基盤の増強
REIT事業への参画によって、収益不動産の仕入れから販売に至る事業基盤を増強し、金融機関からの資金調達力を含めた事業規模の拡大を目指している。REIT組成に向けて、2021年9月にはJMRアセットマネジメントを設立した。投資対象エリアは首都圏、中部圏、近畿圏、北部九州圏を中心とする中核都市圏で、マンションやオフィスビル等が中心となり、当初の組成額としては300~400億円規模を計画している。

自社単独では時間も資金も掛かることから、それぞれのエリアで展開している同業者をパートナーとすることで、早期の運用開始を目指している。前述のとおり市場環境の変化もあって組成時期は現時点では未定となっているが、いずれ参入する方針であることに変わりない。

d) 開発事業による事業規模の拡充
開発事業では、京都の中心部である河原町エリアで300m2の用地を購入し、2022年11月より商業ビルの建設に着手(2023年10-12月竣工予定)しているほか、都内でも複数の開発プロジェクトを検討している。今後はこれらプロジェクトを着実に進めていくことで、売上高で20~40億円規模の案件を年に2~3棟ペースで仕上げていくことにしている。なお、これら物件に関しては「ARISTO」シリーズとして販売するか、REITの組成物件に組み入れることも選択肢になりそうだ。

e) 小口化不動産販売事業のコア事業化
不動産特定共同事業法に基づく小口化不動産販売事業は、不動産投資に対する個人投資家層の裾野の広がりにより成長が期待できる事業として位置付けており、2021年より組織も「資産運用事業本部」として独立させて強化を図っている。2022年12月末までに「ARISTO」シリーズは合計8物件を販売・運用しており、販売提携先となる地域金融機関も30行まで拡大している。今後もこれら販売チャネルを活用して、「ARISTO」シリーズの販売を行っていくほか、今後の商品化を検討している不動産STOなど新たな投資商品の販売チャネルとしても活用していくことを視野に入れている。

f) 海外事業の「複合バリューチェーン」展開
米国ロサンゼルスで展開している収益不動産販売事業は、国内のバリューチェーンを移植・応用する形で2013年に開始し、事業を拡大してきた。2021年には新たな取り組みとして、現地パートナーとの協業により、住宅開発事業も開始し、2022年12月期において4戸の区分販売実績を挙げている。そのほか、ハワイでも高騰する住宅事情に対処する格好で制定された通称Bill7※と呼ばれる現地法令に着目し、賃貸住宅の開発を進めている。2024年1月に完成する予定で、30戸/棟程度の賃貸住宅をまずは1棟完成させ、自社保有物件として運用する予定にしている。

※高騰するハワイの住宅事情に対処するため、手頃な価格で賃貸住宅を提供できるよう2019年に制定された法令。建築基準の緩和や、行政に対する支払い手数料の免除等、開発事業に対するインセンティブの付与などが法令化され、民間企業が参入しやすくなった。


海外事業では今後、これら3つの事業を強化しながら、資金とノウハウを循環させる独自の複合バリューチェーンを構築する方針だ。なかでも、国内投資家を対象とする収益不動産販売事業用の物件仕入を強化していくことが事業拡大に向けて重要と考えている。米国では金利上昇により金融機関からの借入れによる物件仕入が難しい環境となってきており、現金仕入を行う同社にとっては収益不動産残高を積み上げる好機と見られる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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