*15:16JST Jトラスト Research Memo(6):2023年12月期通期業績予想は韓国における金利上昇等を踏まえ保守的な計画
■業績見通し
● 2023年12月期の業績見通し
Jトラスト<8508>の事業環境は、ロシアのウクライナ侵攻の影響などによる資源・エネルギー価格の高騰やポストコロナ(コロナ禍収束後)時代を迎えて、市場における需給のひっ迫による世界的なインフレ圧力が高まっている。また、それに対応して欧米諸国で政策金利が引き上げられ、為替も変動するなど、大きな変化を遂げつつある。
このような環境の下、2023年12月期の連結業績について同社は、営業収益115,000百万円(前期比39.5%増)、営業利益8,500百万円(同41.0%減)、税引前利益9,000百万円(同47.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益13,000百万円(同2.9%増)を見込んでいる。営業収益は初めて100,000百万円を超え過去最高更新を計画しているものの、営業利益は韓国の金利上昇等の影響から減益を予想する。
なお、この業績予想値には2023年2月に吸収合併したミライノベートの負ののれん発生益や、Nexus Bankの合併に伴う繰延税金負債の取崩し等の計上を暫定的に見込んでいる。また、2022年4月に子会社化したJTG証券が展開する証券業務の業績は、経済情勢及び市場環境の変動による影響を大きく受けるため、業績予想値には含めていない。ただ、従来より同社グループの期初業績予想は保守的な傾向が強く、最終的には予想を超過達成する可能性が高いと弊社では見ている。
セグメント別営業利益予想について、日本金融事業は保証業務と債権回収業務を中心に安定的な業績貢献を見込み、5,764百万円の利益(前期比46.6%増)を計画している。その他の事業は、ミライノベートの負ののれん発生益や、不動産事業会社の事業規模拡大により大幅な増益となる見通し。不動産事業の一層の拡大に伴い、2023年12月期より不動産セグメントを新設する予定だ。一方、韓国及びモンゴル金融事業は、韓国銀行が物価の高騰を抑えるために2021年8月以降数回にわたって基準金利を引き上げているため、市中金利の高騰による預金金利上昇や韓国全体における延滞の増加を織り込み、営業損失を予想する。ただ、預金の主力が1年定期であり2022年秋に集めた高金利預金の影響は時間の経過とともに剥落することから、事態の鎮静化に伴い2023年12月期第3四半期から黒字転換し、2024年12期には正常化すると見込んでおり、従来どおりの安定的な収益貢献を見込んでいる。2022年12月期に黒字転換した東南アジア金融事業は、コロナ禍で緩和されていた監督当局による規制の厳格化に伴う企業の経営環境の悪化等に備えて貸倒引当金(損失評価引当金)を予め積み増しており、小幅の損失を見込んでいるが、今後の成長ドライバーとの位置付けは変わらない。投資事業は前期並みの営業損失を見込んでいる。
業績予想に含んでいないJTG証券については中長期的な収益貢献が見込まれ、同社の連結業績に相応の影響を与えると考えられる。また、投資事業はGroup Lease PCL(以下、GL)向け債権を全額引き当て済みであることから、今後も判決次第では債権回収が進み利益計上されることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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● 2023年12月期の業績見通し
Jトラスト<8508>の事業環境は、ロシアのウクライナ侵攻の影響などによる資源・エネルギー価格の高騰やポストコロナ(コロナ禍収束後)時代を迎えて、市場における需給のひっ迫による世界的なインフレ圧力が高まっている。また、それに対応して欧米諸国で政策金利が引き上げられ、為替も変動するなど、大きな変化を遂げつつある。
このような環境の下、2023年12月期の連結業績について同社は、営業収益115,000百万円(前期比39.5%増)、営業利益8,500百万円(同41.0%減)、税引前利益9,000百万円(同47.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益13,000百万円(同2.9%増)を見込んでいる。営業収益は初めて100,000百万円を超え過去最高更新を計画しているものの、営業利益は韓国の金利上昇等の影響から減益を予想する。
なお、この業績予想値には2023年2月に吸収合併したミライノベートの負ののれん発生益や、Nexus Bankの合併に伴う繰延税金負債の取崩し等の計上を暫定的に見込んでいる。また、2022年4月に子会社化したJTG証券が展開する証券業務の業績は、経済情勢及び市場環境の変動による影響を大きく受けるため、業績予想値には含めていない。ただ、従来より同社グループの期初業績予想は保守的な傾向が強く、最終的には予想を超過達成する可能性が高いと弊社では見ている。
セグメント別営業利益予想について、日本金融事業は保証業務と債権回収業務を中心に安定的な業績貢献を見込み、5,764百万円の利益(前期比46.6%増)を計画している。その他の事業は、ミライノベートの負ののれん発生益や、不動産事業会社の事業規模拡大により大幅な増益となる見通し。不動産事業の一層の拡大に伴い、2023年12月期より不動産セグメントを新設する予定だ。一方、韓国及びモンゴル金融事業は、韓国銀行が物価の高騰を抑えるために2021年8月以降数回にわたって基準金利を引き上げているため、市中金利の高騰による預金金利上昇や韓国全体における延滞の増加を織り込み、営業損失を予想する。ただ、預金の主力が1年定期であり2022年秋に集めた高金利預金の影響は時間の経過とともに剥落することから、事態の鎮静化に伴い2023年12月期第3四半期から黒字転換し、2024年12期には正常化すると見込んでおり、従来どおりの安定的な収益貢献を見込んでいる。2022年12月期に黒字転換した東南アジア金融事業は、コロナ禍で緩和されていた監督当局による規制の厳格化に伴う企業の経営環境の悪化等に備えて貸倒引当金(損失評価引当金)を予め積み増しており、小幅の損失を見込んでいるが、今後の成長ドライバーとの位置付けは変わらない。投資事業は前期並みの営業損失を見込んでいる。
業績予想に含んでいないJTG証券については中長期的な収益貢献が見込まれ、同社の連結業績に相応の影響を与えると考えられる。また、投資事業はGroup Lease PCL(以下、GL)向け債権を全額引き当て済みであることから、今後も判決次第では債権回収が進み利益計上されることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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