今週のポイント
今週(2/20- )は、22日にRBNZ(NZ中銀)が政策会合を開きます。この結果にNZドル/円やNZドル/米ドル、豪ドル/NZドルが反応しそうです(*RBNZ会合については後述)。
豪州の22年10-12月期の賃金コスト指数が22日に発表されます。市場では、RBA(豪中銀)の政策金利のピーク水準は4.10%との見方が有力です(現在の政策金利は3.35%)。賃金コスト指数が市場予想を上回る結果になれば、RBAの利上げ観測が強まる可能性があります。その場合には豪ドルの支援材料になりそうです。
23日には、TCMB(トルコ中銀)の政策会合が開かれます。エルドアン・トルコ大統領は2月1日に(トルコで大地震が発生する前)「政策金利は現在の9.00%から引き下げられるだろう」と述べ、TCMBに対して利下げを要求。トルコの1月CPI(消費者物価指数)は前年比57.68%と、上昇率は前月(22年12月)の64.27%から鈍化しました。また、トルコでは大地震が発生したため、TCMBは一段の金融緩和が必要と判断する可能性が高そうです。
メキシコペソ/円は2月17日に一時7.292円へと上昇し、22年11月11日以来、約3カ月ぶりの高値を記録。BOM(メキシコ中銀)が2月9日の政策会合で市場予想(0.25%)を上回る幅の利上げを行ったこと、0.50%利上げするとの決定は全会一致だったこと(0.25%の利上げ票なし)、声明で3月の会合での追加利上げが示唆されたこと、これらがメキシコペソの支援材料となりました。また、米ドル/円の上昇もクロス円であるメキシコペソ/円を押し上げました。今週は23日にメキシコの2月前半のCPIが発表され、24日には日銀の正副総裁候補に対する所信聴取が衆院で行われる予定です。これらの内容次第では、メキシコペソ/円は一段と上昇する可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.08500NZドル~1.11500NZドル>
RBNZ(NZ中銀)が2月22日に政策会合を開きます。その結果が豪ドル/NZドルの動向に大きく影響を与える可能性があります。
RBNZは前回22年11月の会合で0.75%の利上げを行い、現在の政策金利は4.25%です。NZの22年10-12月期のCPI(消費者物価指数)は前年比7.2%と、RBNZのインフレ目標(1~3%)を引き続き大きく上回ったものの、RBNZの22年11月時点の見通しである7.5%は下回りました。10-12月期の失業率も3.4%と、RBNZの見通し(3.2%)よりも弱い結果でした。22日の会合では、利上げ幅が縮小されて0.50%利上げすることが決定されそうです。
その通りの結果になれば、RBNZが四半期に一度公表する金融政策報告における政策金利見通しに注目です。前回22年11月の金融政策報告では、政策金利は23年7-9月期の5.50%でピークに達し、その後24年7-9月期に利下げを開始するとの見通しが示されました。
22年10-12月期のCPI上昇率や失業率がRBNZの見通しよりも弱かったこと、そしてこれまでの利上げの影響が今後さらに出てくることを考えると、RBNZは政策金利のピーク水準の見通しを前回から下方修正するかもしれません。その場合にはNZドルが売られて、豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わる可能性があります。200日移動平均線(2/20時点で1.10019NZドル)より上の水準に定着すれば、次は1.11697NZドル(22/10/26高値)が上値メドです。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.32000カナダドル~1.37000カナダドル>
米ドル/カナダドルは2月17日に一時1.35324カナダドルへと上昇し、1月6日以来の高値をつけました。米国の1月CPI(消費者物価指数)や1月PPI(生産者物価指数)が市場予想よりも強い結果だったことで、米FRBの早期利上げ観測が市場で後退しており、そのことが米ドルの支援材料となっています。一方で、BOC(カナダ中銀)は1月25日の政策会合で0.25%の利上げを行ったものの、声明ではこれまでの利上げの効果を見極めるために利上げを停止する可能性が示されました。このことはカナダドルにとってマイナス材料と考えられます。
FRBとBOCの金融政策面からみれば、米ドル/カナダドルは底堅い展開になりそう。今週(2/20- )は、カナダの1月CPI(21日)と米国の1月PCE(個人消費支出)デフレーター(24日)が発表されます。これらの結果次第では、米ドル/カナダドルは1.37003カナダドル(22/12/16高値)に向かって上昇する可能性があります。
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