今週のポイント
1月12日に米国の22年12月CPI(消費者物価指数)が発表されます。その結果に米ドル/カナダドルや豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルが反応しそうです。CPIが市場予想を下回る結果になれば、米ドルが軟調に推移して米ドル/カナダドルは下値を試す展開に、一方で豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは上値を試す展開になるとみられます。
中国は、新型コロナウイルス対策で行っていた入国時の隔離義務を8日に撤廃。中国のゼロコロナ政策は事実上終了したことで、市場では中国の景気回復への期待が強まるとみられ、豪ドルやNZドルを支援すると考えられます(豪やNZは中国を主力輸出先とするため)。豪ドルについては、中国が豪産石炭の輸出再開を検討しているとの報道も支援材料になりそうです。豪ドル/円やNZドル/円は堅調に推移する可能性があります。
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メキシコの22年12月CPIが1月9日に発表され、結果は総合指数が前年比7.82%、コア指数は同8.35%でした。総合指数とコア指数のいずれもBOM(メキシコ中銀)のインフレ目標(3%。2~4%が許容レンジ)を引き続き大きく上回ったものの、コア指数の上昇率は11月の8.51%から鈍化。コア指数の上昇率が前月から鈍化したのは、20年11月以来です。
BOMは前回22年12月15日の政策会合で利上げすることを決定したものの、利上げ幅を0.75%から0.50%へと縮小しました。これまでの利上げの効果が今後さらに出てくることやコアCPI上昇率の鈍化を考えれば、BOMは次回2月9日の政策会合で利上げ幅をさらに縮小して0.25%の利上げを行う可能性が高そう。メキシコペソ/円は上値が重くなるかもしれません。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07500NZドル~1.10000NZドル>
豪ドル/NZドルは1月4日と5日に一時1.08726NZドルへと上昇し、1カ月半ぶりの高値をつけました。足もとの豪ドル/NZドルの反発の要因として、22年9月下旬以降に急激に下落した反動のほか、中国が豪産石炭の輸入を再開するとの期待が挙げられます。
豪州の22年11月CPI(消費者物価指数)が1月11日に発表されます。月次のCPIは、四半期のCPI(22年10-12月分は1/25発表)の約3分の2の品目しか対象としていない点には留意する必要がありそうです。それでも11月CPIが市場予想の前年比7.2%を上回る結果になれば、次回2月7日のRBA(豪中銀)政策会合での利上げ観測が強まって豪ドル/NZドルは上値を試す可能性があります。豪ドル/NZドル上値メドとして、200日移動平均線(1/10時点で1.10053NZドル)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.30000カナダドル~1.37000カナダドル>
カナダの22年12月雇用統計(1/6発表)は失業率が5.0%、雇用者数が前月比10.4万人増となり、いずれも市場予想(5.2%、0.80万人増)よりも良好な結果でした。良好なカナダの雇用統計はカナダドルにとってプラス材料であり、米ドル/カナダドルの上値を抑える要因になりそうです。
米国の22年12月CPI(1/12発表)が市場予想を下回る結果になれば、米ドル売りも加わって米ドル/カナダドルは200日移動平均線(1/10時点で1.31489カナダドル)を割り込む可能性があります。
原油価格(米WTI原油先物など)が大きく変動すれば、原油価格の動向も材料になるかもしれません。原油高は米ドル/カナダドルの下落要因、一方で原油安は米ドル/カナダドルの上昇要因です。
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