「企業価値向上の『営業増益銘柄』で突破口を開く!」
●下げが必然に見えるとき、転機は近づいている
年末の2大懸念材料だった米国11月CPI(消費者物価指数)とFOMC(連邦公開市場委員会)による利上げ。これらが期待に応えた好ましい数字になったというのに、米国市場の反応はどうしたことか。
14日にNYダウは142ドル安、 NASDAQは85ポイント安、 S&P500は24ポイント安。
そして15日は、NYダウは764ドル安、NASDAQは360ポイント安、S&P500は99ポイント安。
上記のように、2日続けての下げになった。
改めて強調しておきたいが、11月の米CPIは総合指数の前年比伸び率は7.1%(先月は7.7%)、コア指数が6.0%(同6.3%)だったのだ。ともに期待通りに伸び率は鈍化していたし、FOMCによる利上げ幅も前回会合の0.75%から0.5%に縮小したのだ。
それでも、米国市場は下げてしまった。ともにすでに株価に織り込まれていたから?
そうではない。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、今回は利上げ幅を0.5%に縮小するが、利上げは今後も継続し、23年末の政策金利見通しを5.1%まで引き上げるつもりだ――こんな意味の発言をしたからだ。
そして、もう一つ重要な発言があった。インフレ率を2%まで引き下げる、と。現在は7.1%。それを2%まで下げるのは、もちろん容易なことではない。
当然、利上げ継続の手を緩めることは考えられない。その結果は景気後退……。市場の見方はこうなるため、米国市場は大幅に下落し、東京市場もそれに付き合わされている。
こういうことになるのだが、私の長年の投資経験では、この種のネガティブ視点による下げは長続きしない。特にネガティブ材料が揃った時は、空売りをする立場から相場を見る必要がある。
どう考えても株はここからさらに下げるしかない。売り手の視点からはこう見える時、そんなところで空売りを仕掛けるとやられることが多いのだ。
●メドレー、平田機工、オキサイドなどに注目
では、どうすべきか。買いに回る。これが正解になるため、ここはオーソドックスに収益が好調な銘柄、さらに具体的には企業価値の向上をリアルに反映する営業利益の成長が予想される銘柄への投資を実行したい。
具体的には、まずは株価がようやく下げたメドレー <4480> [東証P]だ。市場ではオンライン診療関連株として人気がある銘柄だが、この会社の主力事業はヘルスケア分野の人材紹介事業だ。いまは同事業が絶好調といえるほど好調な上に、オンライン診療も着実増となっている。このため、株価はほぼ休みなく上昇していたが、目先少し下げた。ここで拾っておきたい。
続いて製造業の生産設備エンジニアリングに強い平田機工 <6258> [東証P]になる。自動車や 半導体メーカ向け設備の需要が伸びており、株価の現在水準は上昇途中と見る。
物流施設やアパートメントホテル、ホスピス運営など積極果敢といえるほど強気の展開で収益を伸ばしている霞ヶ関キャピタル <3498> [東証G]も、現在の押し目で拾っておきたい銘柄の一つになる。
株価の値動きは地味ながら、緩やかな浮上に期待するならマークラインズ <3901> [東証P]だ。自動車業界に特化したポータルサイトを運営。国内だけでなく、海外の利用者も多く、収益も伸び続けている点に注目だ。
光関連のニッチ製品に強いのがオキサイド <6521> [東証G]。半導体微細化に不可欠な紫外レーザーやがん診断装置向けなどで高い技術を持つ企業であり、株価はやや動きが荒いが、先行きが楽しみな銘柄といえる。
最後に私の好きな銘柄を。ご存じサンリオ <8136> [東証P]になる。
2022年12月16日 記
株探ニュース
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