~超硬小径エンドミルで業界No.1、新開発センターで市場開拓を加速~
・1Qの業績はやや低調であった。部品不足による自動車生産の影響が出ている。この傾向は2Qも続こう。半導体や電子部品の需要拡大はあるものの、今期の業績は横ばい圏にとどまるとみられる。原材料高のコストアップも加わってくる。製品価格への転嫁については、国内はマーケットの状況を見ながら、海外は円安効果を踏まえて検討されよう。
・5軸マシニングセンタ用3枚刃ボールエンドミルの新製品で、「NS Connect(コネクト)」というスマホによるWebサイトとの連動を開始した。加工条件や加工事例を手軽に見ることができる。今後広がりが出てこよう。この新製品(MSBSH330-5X)は、2021年の超モノづくり部品大賞「機械・ロボット部品賞」を受賞した。
・開発面では、コーティングにおける「無限プレミアムPlus」の応用範囲を広げていく。「無限プレミアムPlus」を高硬度材に活用したロングネックラジアスエンドミル(MHRSH430RSF)を発売した。こうした新製品を逐次リリースしていく。
・工場では、小集団活動「オレンジFC活動」が成果を上げている。全員参加で持ち場ごとに改善を提案し実行していく。段取りの効率化など、ここにきて貢献が顕著で、生産性の向上とコスト低減に結びついている。
・米国デトロイトの営業拠点は活動を開始し、今期中には現地で在庫センター機能も持たせる予定である。これまで海外売上高に占める米国の比率は6%と低かったが、医療機器分野を主力として、精密加工の需要拡大が見込める。今後数年で大きく伸びよう。
・2020年3月に本格稼働した新開発センター(投資額13億円)は、先進的な免震・制震構造を取り入れたオールラウンドの免震構造である。実際、最近の地震で、その効果を如何なく発揮している。次の工場新設の時には、この技術がフルに活かされよう。
・後藤社長の経営哲学は、利益率重視で規模は追わない。顧客が新製品の加工方法を開発している段階から関わっていく。目標とする売上高経常利益率20%は既に超えているが、需要が好転すれば、業績向上に弾みがついてこよう。グローバルな競争力は高まっている。ニッチな市場での高収益に引き続き注目したい。
目 次
1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ
2.強み 一貫した集中と差異化で攻める
3.中期経営戦略 ユニークな精密・微細加工技術で内外の新市場を開拓
4.当面の業績 需要回復のばらつきや原材料高から業績はやや伸び悩み
5.企業評価 競争力を強化し、早晩高収益を加速
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2022年8月9日) |
1212円 |
時価総額 | 303億円 (25百万株) |
PBR | 1.89倍 |
ROE | 8.9% |
PER | 21.0倍 |
配当利回り | 1.9% |
総資産 | 17549百万円 |
純資産 | 16195百万円 |
自己資本比率 | 91.1% |
BPS | 641.8円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2015.3 | 7402 | 1481 | 1534 | 973 | 39.0 | 10.0 |
2016.3 | 8382 | 1914 | 1954 | 1342 | 53.7 | 12.5 |
2017.3 | 8825 | 2013 | 2026 | 1420 | 56.8 | 20.0 |
2018.3 | 9767 | 2685 | 2733 | 1903 | 76.1 | 22.5 |
2019.3 | 10476 | 2879 | 2894 | 1970 | 78.8 | 22.5 |
2020.3 | 9531 | 2219 | 2231 | 1545 | 61.8 | 22.5 |
2021.3 | 8100 | 1512 | 1712 | 1214 | 48.6 | 17.5 |
2022.3 | 9524 | 2111 | 2156 | 1522 | 60.9 | 22.5 |
2023.3(予) | 9690 | 2110 | 2120 | 1440 | 57.8 | 22.5 |
2024.3(予) | 10500 | 2300 | 2300 | 1560 | 62.7 | 25.0 |
(2022.6ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2014年10月に1:2、2017年1月に1:2、2021年4月に1:2の株式分割を実施。2016.3期以前のEPS、配当は修正ベース。2017.3期は2部上場記念配(5円)、2018.3期は1部上場記念配(5円)を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/niltusinnkougu202208.pdf
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