■業績動向
1. 2022年3月期の業績概要
ジェイリース<7187>の2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比20.5%増の9,162百万円、営業利益で同108.8%増の1,971百万円、経常利益で同113.6%増の1,946百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同142.5%増の1,340百万円となり、売上高及び各利益で過去最高を更新した。
売上面では、主力事業である住居用賃料保証が堅調に推移したことに加え、成長分野として注力する事業用賃料保証が継続して売上拡大に寄与したことにより、売上高は過去最高を更新した。売上構成の62%を占める住居用賃料保証は、前期比14%増となった。コロナ禍においても入居需要は底堅く推移しており、少子高齢化や晩婚化の進行による単身世帯の増加及び2020年4月に施行された改正民法による連帯保証人の保証限度額設定の義務化等により、賃料債務保証に対する需要は堅調である。新規出店(2022年3月期は6店舗)や外部企業との提携による営業ネットワークの拡充、顧客ニーズに対応した商品ラインナップ強化等も成長に寄与した。一方、売上構成の23%を占める事業用賃料保証は、前期比58%増と急成長した。事業用賃貸借契約における保証契約の利用率は約15%と低く、拡大余地が大きいことから、事業用賃料保証を成長分野と見据え、積極的な拡販を行った。コロナ禍において事業用賃貸物件の流動性が向上するなか、貸主のリスクマネジメントに対する意識変化も追い風となった。このほか、住居用賃料保証と事業用賃料保証のクロスセルの成果も出た。
営業利益は前期比1,027百万円の増加、営業利益率は21.5%(同9.1ポイント上昇)とほぼ倍増となった。過去3年以上にわたり独自のデータベースを活用して与信審査の強化を行ってきたこと、入居者の状況に応じた債権管理業務を引き続き実施したことなどにより、与信コストがコントロールでき、債権管理業務コストの削減につながった。経営指標では、売上高を拡大するなか、代位弁済立替金残高は前期比186百万円減少し、代位弁済発生率は5.8%(前期は6.3%)とリスクコントロールができている。また、代位弁済回収率が98.6%(同98.1%)に上昇していることから、債権管理業務の効率化が進んだと言える。なお、販管費は同131百万円増と微増に抑え、販管費率では同9.7ポイント減となり、大幅な増益に寄与した。
自己資本比率は26.9%と前期比12.1ポイント改善。収益回復により財務基盤強化が進む
2. 財務状況と経営指標
2022年3月期末の資産合計は前期末比678百万円増の8,832百万円となった。うち流動資産は497百万円増の6,599百万円であり、主な要因は収納代行立替金の増加319百万円、代位弁済立替金の減少276百万円、貸倒引当金の減少189百万円などによる。固定資産は180百万円増の2,233百万円であり、主な要因は有形固定資産の増加である。
負債合計は前期末比489百万円減の6,459百万円となった。うち流動負債は490百万円減の6,247百万円であり、主な要因は短期借入金の減少950百万円などである。固定負債はほぼ変わらなかった。有利子負債残高は、前期末比915百万円減の1,954百万円と減少傾向が続く。
経営指標(2022年3月期末)では、流動比率が105.6%(前期は90.6%)、自己資本比率が26.9%(前期は14.8%)であり、安全性が大幅に改善した。同社は安定成長フェーズに入り収益力が高まっており、今後もさらに財務基盤が強化されることになるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<YM>
1. 2022年3月期の業績概要
ジェイリース<7187>の2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比20.5%増の9,162百万円、営業利益で同108.8%増の1,971百万円、経常利益で同113.6%増の1,946百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同142.5%増の1,340百万円となり、売上高及び各利益で過去最高を更新した。
売上面では、主力事業である住居用賃料保証が堅調に推移したことに加え、成長分野として注力する事業用賃料保証が継続して売上拡大に寄与したことにより、売上高は過去最高を更新した。売上構成の62%を占める住居用賃料保証は、前期比14%増となった。コロナ禍においても入居需要は底堅く推移しており、少子高齢化や晩婚化の進行による単身世帯の増加及び2020年4月に施行された改正民法による連帯保証人の保証限度額設定の義務化等により、賃料債務保証に対する需要は堅調である。新規出店(2022年3月期は6店舗)や外部企業との提携による営業ネットワークの拡充、顧客ニーズに対応した商品ラインナップ強化等も成長に寄与した。一方、売上構成の23%を占める事業用賃料保証は、前期比58%増と急成長した。事業用賃貸借契約における保証契約の利用率は約15%と低く、拡大余地が大きいことから、事業用賃料保証を成長分野と見据え、積極的な拡販を行った。コロナ禍において事業用賃貸物件の流動性が向上するなか、貸主のリスクマネジメントに対する意識変化も追い風となった。このほか、住居用賃料保証と事業用賃料保証のクロスセルの成果も出た。
営業利益は前期比1,027百万円の増加、営業利益率は21.5%(同9.1ポイント上昇)とほぼ倍増となった。過去3年以上にわたり独自のデータベースを活用して与信審査の強化を行ってきたこと、入居者の状況に応じた債権管理業務を引き続き実施したことなどにより、与信コストがコントロールでき、債権管理業務コストの削減につながった。経営指標では、売上高を拡大するなか、代位弁済立替金残高は前期比186百万円減少し、代位弁済発生率は5.8%(前期は6.3%)とリスクコントロールができている。また、代位弁済回収率が98.6%(同98.1%)に上昇していることから、債権管理業務の効率化が進んだと言える。なお、販管費は同131百万円増と微増に抑え、販管費率では同9.7ポイント減となり、大幅な増益に寄与した。
自己資本比率は26.9%と前期比12.1ポイント改善。収益回復により財務基盤強化が進む
2. 財務状況と経営指標
2022年3月期末の資産合計は前期末比678百万円増の8,832百万円となった。うち流動資産は497百万円増の6,599百万円であり、主な要因は収納代行立替金の増加319百万円、代位弁済立替金の減少276百万円、貸倒引当金の減少189百万円などによる。固定資産は180百万円増の2,233百万円であり、主な要因は有形固定資産の増加である。
負債合計は前期末比489百万円減の6,459百万円となった。うち流動負債は490百万円減の6,247百万円であり、主な要因は短期借入金の減少950百万円などである。固定負債はほぼ変わらなかった。有利子負債残高は、前期末比915百万円減の1,954百万円と減少傾向が続く。
経営指標(2022年3月期末)では、流動比率が105.6%(前期は90.6%)、自己資本比率が26.9%(前期は14.8%)であり、安全性が大幅に改善した。同社は安定成長フェーズに入り収益力が高まっており、今後もさらに財務基盤が強化されることになるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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